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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三章 苦痛の葬送曲(レクイエム)
583.アリバタ

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 辿り着いた本堂の中、いいや広縁や境内に至るまで、今日ここに集えるメンバーがギュウギュウにひしめき合って運命神とコユキ善悪の登場を待ち構えていたのである。

 本堂の中にはトシ子を中心にした茶糖家の面々に右にはアスタロト率いるムスペル軍団からネヴィラス、サルガタナスと配下のアイペロス、ナベロス、グラシャラボロスと、ゾレイ、ワルファレ、ファライーの六柱、左にはベルゼビュートであるバアルの左右にベル・ゼブブであるアルテミスとベル・ズールとも言われるダキア王イーチ、背後にはハミルカルと彼の二人の息子、ハンニバルとハスドルバルの兄弟も駆けつけている様であった。

 ご本尊の前にはスプラタマンユの七兄妹弟がいつも通りの小さな姿で並び立って居り、その右にはリョウコとカルキノス、膝には薄らとしたフンババ、ハヌマンがこちらを睨んでおり、横に控えたヒュドラの三つの口の中には破滅の光がチラ見えしていた。

 左に並んでいるのは当然リエを中心とした『六道りくどうの守護者』であった。

 人数こそ少ない物の、スカンダとガネーシャと言うほぼ神だけで構成されたパーティーの冷徹な視線は見る者の心を砕くのに十分過ぎる物であった。

 だけでなく、広縁にはアンラ・マンユとアフラ・マズダである現十四大徳が憎々し気な視線を運命神達に注いでおり、境内の脇にいるのであろう口白、ラーとカルラ、ガルダもハッキリとした姿を見せて怒りをその目に湛えている。

 その脇の巨大な甲羅から殺意に満ちた視線を送っているのはキトラだろう、背中に大き目の北欧美人を乗せているが、こちらはゲルド、その肩に乗って針状の刀をベロベロしているのはシュリンカーかな?

 境内の中心には緑のカエルと男前の人形三体を中心にした編みぐるみ軍団と左右にはペナンガランとマナナンガルの大群がじっと固まったまま様子を覗い、上空には大量の蝿の群れと、墓地周辺に集まったスケルトン数百体の群れも見えた。

 更に背後には、

『入れてくれよー! 見せてくれよぉ! 凄いよ、スゲ―スゲー!』

そんな事を叫んでいる四桐鯛男とオールスターズっぽい声も聞こえている。

 更にその後方に控え目に佇んでいる真っ赤な張り子の牛さん、ウトゥックのラビスの周囲には千を越える精霊や妖精達が集まって悪戯いたずらで邪悪な囁きを続けていた。

 スプラタマンユの後ろから進み出た、ガープが脇にベレトとゼパルを引き連れた形で運命神達に問うた。

「では、聞かせて貰おうか? 貴様たちの言い分とやらを」

 レグバ、運命神達はその場に平伏して声を揃えたのである。

「「「「す、すみませんでしたぁ! 計画を変更しますぅ! ど、どうかご容赦下さいませっ!」」」」

 その後、レグバ達四人が改めて説明した今回の周回での作戦内容は、以前にフェイトが話した内容と大体同じ物であった。

 ここまで彼らの目論見通りの結果となった事と言えば、空位であった七大罪を復活させた事と、光影を幸福寺から遠ざけて聖戦士にさせない事位であり、それ以外の事柄はことごとく外れ捲っていた事も再確認できた一同である。

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