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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
164.アンタ、だれ?

はじめての方はコチラ→ ◆あらすじ◆目次◆

今回の話には、
『14.旅の仲間(挿絵あり)』の内容が関わっています。
読み返して頂くとより解り易く、楽しんで頂けると思います^^
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 周りを取り囲んだ悪魔たちを、或いは切り捨て、或いは殴りつけ、又或いは何らかのスキルを使って蹂躙じゅうりんする数十人の男女の姿がそこにはあったのだった。

 服装や肌や髪の色から察するに、恐らく外国人だと思われた男女達は、揃って美しく、全員が白銀の金属器を一つづつ手にしていた。
 様々な衣装に身を包んだ女性と違い、男性達は皆、聖職者っぽい格好をしている、
 牧師や僧侶、あれは道教の導師だろうか、シャーマンっぽい男も見える。

「これは…… 一体? 」

「Hey! Koyuki! 」 ※ねっ! こゆきっ!

 突然の思いもしなかった展開に、思わず呟きを漏らしたコユキに一人の女性が声を掛けてきた。
 何やら親しそうな感じであったが、コユキは目の前のボンキュッボンの欧米人に全く覚えが無かった。

 チキンが美味しい『フーター○』のユニフォームを身に付けている事から、恐らくアメリカ人だと思われる。

「アンタ、だれ? 」 ※Who are you?

「Oh! Sorry」 ※あら! 失礼

そう答えた超絶美女は、手に持っていた特大の金属器、巨大泡立て器から、自分の聖魔力を戻して本来の姿を見せたのであった。

「きゃ、キャシー? 」 ※Ca Catherine?

「Long time no see」 ※お久しぶりね

なんと突然現れた援軍の中から声を掛けてきた女性の正体は、コユキJC時代の留学生にして唯一の女友達、キャシーであったのだ。
 聖魔力を使用していないキャシーの姿は、アメリカ人らしくコユキと同じ位豊満であった。


 さて、観察者たる私にとって各種言語の違い等、取り立てて意味がある訳では無い。
 ということで、ここからは皆に分かり易く、日本語での表記に統一する事としよう。
 これは、純粋に親切心からの行為であって、決して英語が苦手だからとかが理由では無い! その事だけは理解して欲しい。


「Why is Catherine here?  And what is that whisk? No way…… 」

おいっババアっ! 聞けよデブっ!

「なんで、キャシーがここにいんの? それにその泡立て器、ってまさか? 」

「そうで──すっ! ワタシがアメリカの聖女なので──すっ! 」

「え! マジで? 」

「は──い! マジで──すっ! 」

 相変わらずメチャメチャ明るく、顔中の贅肉を弾ませて話すキャシーの姿に、中学時代を思い出し、懐かしさに微笑を浮かべるコユキであった。

「ふふっ、変わらないのねキャシー、安心しちゃったわん♪ 」

「ワタシもよ! コユキ! 」

ガシっと抱擁ほうようを交わす二人に問い掛ける、女性にしては低音の迫力アル声が一つ。

「キャス、その子がここで戦っていた存在アルカ? あの強大な力を発する存在には見えないアルネ? 」

 爽やかな青い生地に淡い桃色の花をあしらった美しいチャイナドレスを身にまとった巨漢が声を掛けてきた、勿論女性である。
 コユキは少しビビリながらもキャシーの知り合いっぽい女性に対して返事をするのであった。

「はじめまして、コユキといいます。 戦っていたのはアタシの仲間なんですけど、不味まずかったですかね? 」

 巨漢(大体キッカワ位+ウェイト五十キロ位)は驚愕を浮かべてコユキに返した。

「あら、御丁寧にアル、そう、アナタの戦士だけでこの魔力だったでアルカ…… 凄いでアルネ、おっと私はワン、よろしくアル、リーベンレン隣人よ

「あ、はいよろしく、です」

そう言ったラヴィエンローズの問いにコユキは素直に思ったのである、

────あれれ? 中国人は血も涙も無い悪鬼羅刹あっきらせつみたいに言われていたはずだけど…… ちきしょう! またネトウヨに騙されたのか! くっ! 臆病者どもメ!

と。

「ナマステ! キャスこの子が戦っていたって事は、アリシアはいなかったって事なの? カリー」

 横から、黄緑色の綺麗なサリーを巻いて、片手に切れ味良さそうなシミターを握った巨漢がワザとらしい語尾で話しかけて来た。
 すかさずキャシーが答えた。

「うん、サラ、この子はワタシの親友のコユキよ、残念ながらアリシア様では無かった、けれど……」

 なにやら事情、というか、重苦しいバックボーンを感じざる得ない感じだ……
 故にコユキは静かに成り行きを見守る事にしたのであった。

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拙作をお読みいただきありがとうございました!



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