職人の仕事
世の中のさまざまな職業のなかには、いろんなものづくりの名人がいる。
ものづくりは人類が誕生した時から始まり、人間だけがひらめく発想やアイデアを作り出すことができ、何万年という時間をかけて、構築する技術を身につけてきた。
それは人間だけができる芸術である。
現在、我が家は新居を建築中であり、そろそろ完成する。
建物を作るうえでも、各分野の職人達がすばらしい技術を重ね合わせ、立派な建物が構築される。
もっぱら最近の趣味は大工さんの仕事を見ること。。
材木を細かく刻みながら一つ一つを組合せ、ピタリとあわせる技術は本当に素晴らしい。
もちろん図面があってのことだか、場合によっては、経験や知識が職人の腕の見せどころでもある。
「木」も生きものであり、素材は同じでも性質は微妙に異なる物もあるが、施主のわがままな要望にも臨機応変に答えてくれるのが職人。
例えば、急なプランの変更や追加の工程も瞬時に頭の中で計算して、その家庭のライフスタイルに合わせてピタリと素材を組み上げる。
こうした技術は、長年の経験や知識によりもたらされ、その人しか作りだせないオリジナリティが生まれる。
現代はさまざまな分野で、ものづくりが自動化されているが、反面、職人を目指す若者が減ってきいるのが現実。
先日、棟梁と少し話しをすることができた。
棟梁には、おそくにできた1人息子がいる。
今年から社会人になり、就職も決まったそうだ。
いつもは無口で無表情の棟梁が、1人息子の話しを始めたら、笑顔でいろんな話しをしてくれた。
はっきりとは言わないが、きっと息子には後を継いでほしいのだろう。。
自分自身も息子をもつ親の立場として、棟梁の気持ちは痛いほど理解できる。
長い時間をかけて、身につけた技術はそう簡単に伝えられる事ではないし、信頼できる人に身につけてほしいと願う。
息子の存在は父親にとって一番の信頼があり、かけがえのない存在である。
手に職を身につければ、なおさら継いでほしいと願うのが親として素直な気持ちだろう。
近年はグローバル化が進み、若者の仕事に対する価値が変わり、肉体労働や汚れる仕事は選ばれなくなった。
確かに自動化はとても効率がよく、生産性もあがりコスパも抑えられ、どんどん便利な世の中になっているが、人の手で作ることに意味がある仕事や、それを求めている人達もいる。
人と人が会話をしながら作るもの、人に喜ばれるもの、愛情をかけて作るもの、素材をいかしたアレンジなど、人同士がかかわる事によりそのものへ対して愛情や愛着がわき、そこに物の価値がうまれる。
こうして職人とは、何万年も前から人と人が作り上げてきたもので、今の便利な社会を築いてきた。
きっと、職人の仕事とは今後も必要な技術であり、仕事であり、けして無くしてはならないものだと思う。
人間は人と人が会話して繋がり、そこに情が生まれ、作りだされたものに愛着がわく。
心がある人にしか、伝わらない感情。
文明の発達により、ものづくりは人の手から機械へと変わりつつある。
未来の労働者が人からロボットに変わりゆく時代が訪れても、自分はこれから先も人の手で作るものを大切にし、必要としていくだろう。。
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