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ルイス・キャロルの「アリス」考察

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『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』および関連作品の考察。 作中のパズルを解く記事が中心です。
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#ジャバウォッキー

誰かが何かを

誰かが何かを

『鏡の国のアリス』第1章、鏡文字で書かれた物語詩「ジャバウォッキー」を読み終えた直後のアリスの台詞。
これには「ジャバウォッキー」を読むためのヒントが含まれています。

It seems very pretty
第1連1行目のbrilligの発音がprettyと似ていることから、解読には駄洒落も必要ですよというヒントでしょう。

but It is rather hard to understan

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『鏡の国のアリス』逆さの箱と「桑の木回ろう」

『フィドルディディーの謎』の続きなので、未読の方はそちらを先に御覧下さい。

逆さの箱白の騎士は初登場時、おかしな形の樅の小箱を逆さに肩にくくりつけています。
箱の蓋は開きっ放し。
原文はa queer-shaped little deal boxです。(dealはここでは「樅」でしょう)

白の騎士はこれを「clothesとsandwichesを入れておくための箱だ」と説明します。

①deal

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『鏡の国のアリス』のチェス問題⑤(詩との関連1)

チェス手順と詩との関連です。今回は"Jabberwocky"の第2連~第6連について。

4行×5連=20行が基本的に1行=1手の比率でチェス手順に対応しています。

1行目(第2連1行目)=1.○Nd4
Beware the Jabberwock, my son!が「花壇の中央の木が敵を追い払う」に対応。

3行目(第2連3行目)=3.●Nd5
Beware the Jubjub birdが「

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『鏡の国のアリス』ジャバウォッキー第1連「古詩」への私の回答

ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』(Thorough the Looking-glass, and what Alice found there, 1871)第1章に出てくるJabberwockyの第1連(第7連)の4行詩は、「アングロサクソンの古代の詩の断片」と称されることもあるパズルです。

'Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gi

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