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[6. マリノスの得点シチュエーションの比較] なぜ2020年の横浜Fマリノスは9位なのか?優勝した2019年のデータ分析結果と比較して考察してみる

こんにちは。kesuo-です。本記事を投稿する背景については、下記の記事をご覧ください。

今回は、2020年と2019年の分析結果の比較し、今シーズン苦戦した理由を考察した内容を紹介する6回目の記事です。前回の記事はこちらです。

はじめに

今回は、2020年と2019年のマリノスの得点シチュエーションを比較した結果と、その結果から今シーズン苦戦した理由を考察した内容を紹介したいと思います。今回の得点シチュエーションは、PKからの得点、FKからの得点、CKからの得点、それ以外の得点(Playという名前を割り当ててます)で分類し、得点数を比較しております。ぜひお楽しみください。

今回の注目ポイント

- 得点のシチュエーション別の得点数を比較し、来シーズン期待すべき攻撃のパターンを考察した点

注意点

今回分析で使用したデータセットは私個人が作成したデータセットになっており、公式記録とは異なります。そのため、誤ったデータが含まれている可能性があることや、人によって解釈が異なるデータも含まれていることにご注意ください。データセットの作成方法や中身に関しては、過去の記事で公開しておりますので、ご確認ください。

データ分析結果

得点シチュエーションの比較

それでは、得点シチュエーションの結果を比較して紹介します。今回は、4つのシチュエーションに分けて得点数を比較します。具体的には、ペナルティーキック(PK)からの得点、フリーキック(FK)からの得点、コーナーキック(CK)から得点、その他の通常のボールが動いている状態(Play)からの得点、この4つに分類し、各シーンでの得点数を比較しました。得点シチュエーションの分析結果は下記の通りになりました。

---2020年得点シーン---   ---2019年得点シーン---
PK: 2                  PK: 9    
FK: 2                  FK: 2
CK: 7                  CK: 1
Play: 58               Play: 56

PKの獲得者の比較

上記の結果から、PKからの得点に差があることがわかりました。そのため、PKの獲得者も比較してみました。この後の考察で使おうと思います。

スクリーンショット 2021-01-17 15.37.49

(追記)相手選手のPK提供者の比較

また、マリノスにPKを提供した相手選手も比較しました。こちらも考察してみます。

スクリーンショット 2021-01-20 19.52.23

データ分析結果の考察

得点シチュエーションの考察

---2020年得点シーン---   ---2019年得点シーン---
PK: 2               PK: 9 
FK: 2                  FK: 2
CK: 7                CK: 1 
Play: 58               Play: 56

上記に再度得点シチュエーションの比較結果を記載しました。こちらの結果から、2020年は2019年と比べ、PKでの得点が7点も減っていることがわかりました。J1リーグは34試合ですので、2019年は約4試合に1回はPKでの得点が生まれていたのに対し、2020年では17試合に1回しかPKでの得点を決めてないことになります。この結果から、PKでの得点が大幅に減っていることが、今シーズン苦戦した理由の一つと考えられます。

次に、CKの得点数を比較してみます。2020年は2019年と比べ、CKでの得点が6点多くなっております。セットプレイからの強さを出せるチームになりつつあるようですね。ただ、2019年はCKからの得点が少なくても優勝できている点から、今までのチームスタイルを大きく変えないのであれば、そこまでCKを得意にしなくても良いかと思いました。

PKの獲得者の考察

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得点シチュエーションの比較結果から、PKの数に差が生まれていたため、PKの獲得者の変化も確認して考察します。まず2020年は、FWの2選手がPKを獲得してます。一方、2019年はFWの選手だけでなく、上図の青枠で示した攻撃的MFの選手もPKを獲得していることがわかりました。この結果から、攻撃的MFの選手がペナルティエリアに侵入してPKを獲得する回数が減ったことが、今シーズン苦戦した理由の一つと考えられます。来シーズンは攻撃的MFの選手が後方からFWの選手を追い越し、ペナルティエリアに侵入する回数が増えることに期待したいですね。

また、上図の赤枠で示したFWの選手だけでPKの獲得回数を比較します。2020年は2回ですが、2019年は5回と2倍以上の数値を記録しております。この結果から、FWの選手のPK獲得数が半分以上減ったことが、今シーズン苦戦した理由の一つと考えられます。来シーズンは、FWの特にウイングの選手が相手選手の裏でボールを受けて、ペナルティエリアに侵入する回数が増えることに期待したいです。

(追記)相手選手のPK提供者の考察

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最後に、PK提供者も考察します。上図では、赤以外の色でポジション別に色分けしました。2020年は、センターバックの選手がマリノスにPKを提供してることが確認できました。一方で、2019年は、サイドバック選手やゴールキーパーの選手もマリノスにPKを提供してます。この結果から、センターバック以外の選手のサイドバックやGKからPKを獲得できなかったことが、今シーズン苦戦した理由の一つと考えられます。特にサイドバックの選手からマリノスがPKを奪えてないので、来シーズンは仲川選手や前田選手などのウイングの選手がペナルティエリアで仕掛ける回数を増やして欲しいですね。

また、赤枠に注目してください。2020年と2019年の両方でマリノスにPKを提供した選手がいました。サンフレッチェ広島のDF野上選手です。これは来シーズンの広島戦は期待ですね。

ちなみに、2017年の広島戦ではDF佐々木選手がマリノスにPKを提供しておりました。そのため、アンジェ監督になって以来、広島からは3年連続PKを提供していただいております。来シーズンもよろしくお願いします。

結果まとめ

まとめとして、今シーズン苦戦した理由の考察結果と個人的な来シーズンの注目ポイントを下記に整理して記載します。

今シーズン苦戦した理由の考察結果

# 得点シチュエーションの考察
- PKでの得点が大幅に減っていること

# PK獲得者の考察
- 攻撃的MFの選手がペナルティエリアに侵入してPKを獲得する回数が減ったこと
- FWの選手のPK獲得数が半分以上減ったこと

# (追記)PK提供の考察
- センターバック以外の選手のサイドバックやGKからPKを獲得できなかったこと

個人的な来シーズンの注目ポイント

- 攻撃的MFの選手が後方からFWの選手を追い越し、ペナルティエリアに侵入する回数が増えること
- ウイングの選手が相手選手の裏でボールを受けて、ペナルティエリアに侵入する回数が増えること
- (追記)広島戦でDFの選手からPKを獲得すること

おわりに

今回は、マリノスの得点シチュエーションを比較した結果と、その結果から今シーズン苦戦した理由を考察した内容を紹介しました。PKでの得点が減っていたことにはあまり意識してなかったため、個人的には新しい発見でした。次回は、マリノスの失点に注目し、失点シチュエーションの比較した結果と今シーズン苦戦した理由の考察内容を紹介したいと思います。

記事を読んでいただき、ありがとうございました。わかりづらい点や感想などございましたら、ご指摘をお待ちしております!

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