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詩)何もない日

起きてすぐにタバコを吸いに行く
昨日迄の雨は無かったかのように
空は晴れ渡っていた
気持ちのいい筈の光の下でも
眩しさを疎ましく感じる

誰もいない部屋に戻り
携帯を開ける
人の不幸は蜜の味と言うが
甘くもなければ粘度もなく
サラサラと右から左に流れた
大きく書かれた数字の群は
慣れてしまったのか
唯の羅列に見えた

撮り溜めてあった映像を流しながら
昨晩の残り物を口に入れる
黙々と流れ作業の様な儀式に
腹は膨れても他に得る物はなかった

この後の予定があるわけでもなく
カレンダーの赤が今日の曜日を
知らせようと不躾に頭を叩く
月曜日の憂鬱が申し訳そうに
此方を覗き込むので
熱い珈琲をすすって
目を合わさないようにした


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