詩)光と影と
強い光の中で影は
その色を濃ゆくする
ぼやけた光の中ならば
ゆらゆらと揺れて
気に留める事すらないと言うのに
陽の当たらぬ場所で生きるなら
真贋のわからぬ光に手を伸ばし
遠くに輝くそれを見上げていれば良い
光の中で見つけた影ならば
誰かにみつかりはしないかと怯え
憎むように愛でるように抱え
眩い光を疎ましく思う
人は光を望む
目が霞む程の光の中
己の姿まで消しさりたいと言うのか
光と影はどちらに希望を抱くのか
項垂れる様な問いの中
あなたはゆらゆらと揺れて
何者になろうと望むのだろうか
狭間で踊るのは光かそれとも影か