エッセイ）理想の夫婦

先日、テレビで理想の夫婦像について街行くカップルやご夫婦にインタンビューをする企画をやっていた。
『なんでも素直に言える2人でいたい』とか
『歳をとってもいつまでも手を繋いでいるような関係でいたい』等と答えていた。
嫁様が
『こういうのがいいよねぇ』
と言ってきたので
『そうかぁ…？まぁ、そうなんかなぁ』
って答えておいた。

それから数日後
嫁様が鏡の前で何やら髪をかき上げて毛抜きを片手に格闘していた。白髪を抜いていたのだ。
自分は、

『そんなに気にせんくても、歳を取ったら白くなるわけやし、ほっとけば？』
と、声をかけた。

嫁様は
『いやいや、こう言うのが気になるお年頃やでさぁ』

そんな時にお年頃って使うんだと思いつつ
『白髪を気にする前に他に気にすべき事があるんちゃう？』
って言ったら

『殴ったろか？』
と、一言だけ返ってきた。

…何でも素直に言える…。
他所は他所。ウチはウチ。
どうやらウチはいつ迄も手を繋ぐ事より拳で語り合える夫婦を目指している様だ…。

終わり

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