サンスクリット語翻訳練習 カタ・ウパニシャッド2.1.13


サンスクリット語の学習はまだ一年半なので、読解が間違っている所もあると思います。せめて雰囲気だけでも紹介できればいいな、と思います。よろしければご指摘を頂ければ幸いです。

ウパニシャッドは、インドの古典語のサンスクリット語で書かれたヴェーダの関連書物です。一般には奥義書と訳されます。カタ・ウパニシャッドはおよそ紀元前500年頃成立しました。

チャーンドーギヤ・ウパニシャッドというものを先日、独訳で読みました。個人的な感想ですが、カタもチャーンドーギヤも味わい深い詩的な哲学です。
僕はサンスクリット原文で読むウパニシャッドは、このカタ・ウパニシャッドが初めてです。ゆっくりですが、非常に楽しく興奮しながら読んでいます。
このシリーズでは、詩的で面白いな、と思った詩節を紹介します。

まだ韻律等も勉強を始めたばかりですが、今数えたのですが、音節数は15/15/4、でしょうか?古代の文章は音節数が整えられた格調高い詩的な文章です。口伝されました。いわば『録音』のように、ほぼ完璧に伝統が伝えられたのです。紙が存在する今もその伝統があります。驚異的な記憶力ですよね。


カタ・ウパニシャッド2.1.13
aGguSTha-mAtraH puruSo jyotir ivAdhUmakaH / IzAno bhUta-bhavyasya sa evAdya sa u zvaH / etad vai tat //


親指の大きさの人間は、まるで煙のない炎のようだ。まさに今日も明日も、成った物とこれから成る物の所有者だ。これは実にそれなのだ。



読解です。ドイツ語を併記しました。


aGguSTha- Daumen 親指
mAtraH Maß N. 寸法
puruSo puruSa Mensch N. 人間
jyotir jyotis Licht, Glanz N. 光、輝き→炎と取りました
ivAdhUmakaH N.
・iva wie ~のように
・a un- ~ない
・dhUmaka sg.m. Rauch 煙
/
IzAno IzAna besitzend N. 所有する(者)
bhUta- √bhU werden ppp. 成る
bhavyasya zukünftig 未来の G.→これから成る者と取りました
sa Pron.3.sg.m.N. er 彼
evAdya
・eva so, eben そのように、まさに
・adya heute 今日
sa
u und そして
zvaH morgen 明日
/
etad eta Pron.3.sg.n.N. dieser これ
vai fürwahr 本当に
tat pron.3.sg.n.N. das それ
//


(KaTha UpaniSad, Swami Muni Narayana Prasad, p.95)

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