サンスクリット語翻訳練習 カタ・ウパニシャッド2.3.5



先日のクリスマスイブにカタ・ウパニシャッドを読了できて感慨深いです。幸い短い作品なので、7か月で読めました。今後も読書日記と翻訳練習を書きたいと思います。

自分の事は自分が一番よく知っている、という言葉があります。一方で、自分の事こそ良くわからない、とも言います。
ギリシャの諺に「汝自身を知れ」というのがありますが、自己は最大の謎です。

僕達は鏡や写真で自分を見ますが、自分の目では自分を見られませんよね。アートマンはそれができるというのです。これも僕の好きなモチーフです。

僕達は毎朝、鏡に向かいます。自己観察・探求をし、身支度という芸術創作をします。
鏡や水面は自己探求の手助けをします。何千年も昔から文学の題材として使われてきました。

ギリシャ神話のナルシスも、川面に映った自分(の像)に恋をします。印象的なシーンです。

dadRze √dRz sehen 見る 3.sg.pf.と解釈しました。
今回はここが難しかったです。あるいは、dRzaのL.でしょうか?daも調べましたが、腑に落ちませんでした。もしよろしければご指摘等よろしくお願い致します。


(原文)
yathAdarze tathAtmani yathA svapne tathA pitRloke / yathApsu parIva dadRze tathA gandharva-loke chAyAtapayor iva brahma-loke //


(日本語訳)
鏡の中に自分を見るように、アートマンにおいて、自分自身の目で自分が見える。夢に見るように、先祖の世界が見える。
あたり一面の水面に映るように、ガンダルヴァの世界が見える。影と光のように、ブラフマンの世界が見える。


(読解)
yathAdarze
・yathA adv. wie ~ように
・darze darza adj.sg.L. schauend 見る, m.Aussehen 外観, Neumond 新月→鏡と取りました
tathAtmani
・tathA adv. so それで、そのように
・Atmani Atman m.sg.L. Seele 魂, Wesen 存在, 本質, Selbst 自己, アートマン
yathA
svapne svapna m.sg.L. Schlaf 眠り, Traum 夢
tathA
pitRloke
・pitR m. Vater 父, pl.でAhnen 先祖
・loke loka m.sg.L. Welt 世界
/
yathApsu
・yathA
・apsu ap f.pl.L. Wasser 水
parIva
・pari adv. ringsum, umher 廻って
・iva adv. wie ~ように
dadRze √dRz sehen 見る 3.sg.pf.
tathA
gandharva- m. Name eines Genius 守護神・精霊の名前, pl.でhimmlische Sänger 天の歌い手, pl.でHalbgöttergeschlecht 半神の種族
loke
chAyAtapayor
・chAyA f.Schatten 影
・tapayor tapa du.m.L. Glut 熱、光
iva
brahma- brahman n. höchstes Wesen 至高の存在, ブラフマン
loke
//


(KaTha UpaniSad, Swami Muni Narayana Prasad, p.121)

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