サンスクリット語翻訳練習 リグ・ヴェーダ1.3.4

リグ・ヴェーダは、古代インドの聖典であるヴェーダの1つです。サンスクリットの古形にあたるヴェーダ語で書かれています。全10巻で、1028篇の讃歌からなります。おおざっぱですが、紀元前1500年頃に成立しました。
神々を讃える祭式の詩であり、読むと清々しくなります。
僕のような、サンスクリット語の初心者で、まだ本作を読み始めたばかりの者が翻訳するのは非常に恐れ多いのですが、是非この詩を雰囲気だけでも味わって頂きたいと思い、書きました。この名作を埋もれさせておくのはもったいないと思ったのです。どうすればこのような名詩が広く普及するか、考え中です。

1.3.4は、読み方によっては、官能的な詩ですね。優れた詩は様々な読み方ができます。


(原文)
indrA yAhi citrabhAno sutA ime tuvAyavaH / aNvibhis tanA pUtAsaH //
詩形…gAyatrI 88/8 ←音節数です


(日本語訳)

インドラよ、輝きよ、ここへ来い。この圧搾されたソーマ*1があなたを望んでいる、清らかな指によってたっぷりと圧搾された純粋なソーマが。

*1 ソーマ…神酒


(読解)
indrA
・indra インドラ V.
・A Präp.bis zu ~に
yAhi √yA gehen impv.2.sg. 行く、来る
citrabhAno citrabhAnaH hellstrahlend V.
・citra adj. glänzend 輝く
・bhAno bhAnu Glanz m.V.sg. 輝き
sutA √su pressen ppp.m.N.pl. 圧搾する→圧搾されたソーマ
ime idam m.N.pl. これ
tuvAyavaH tvAyu adj. dich begehrend m.N.pl.Nooten版だとtvAではなくtuvA あなたを望む
/

aNvibhis aNvI Finger f.I.pl. 指
tanA tan f.I.sg. I.でind. nacheinander 相互に、次々に
pUtAsaH √pU reinigen ppp.m.N.pl. きれいにする、純粋にする

//


(Barend A. Van Nooten & Gary B. Holland, Harvard Oriental Series 50, Rig Veda A Metrically Restored Text, Harvard, 1994, p.2)

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