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Unusual√201907 製作コンセプトと解説

新年あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞ家道凛をよろしくお願いいたします。

コミックマーケット97では、私の人生初となる写真集の記念すべき初版が
完売となりました。皆様のご支持あっての結果でございます。有難うございました。再販まで暫し、お待ち下さい。

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この記事では、今回の新刊”Unusual√201907"の解説や本誌に入れていない旅の思い出を書いていきます。

タイトル”Unusual√YYYYMM”について

unusual は文字通り、日常を意味する usualに
否定を意味づける接頭辞 un- をあわせて、非日常 を意味します。

しかし、Unus で辞書を引くと
ラテン語では「一つの」という意味になります。

”Unit”, ”United” ”Universe” といった 世界っぽい言葉も
実は、このunusが語源で

自分にとって非日常の世界も、現地の人からすれば日常である

というようなニュアンスがこの単語からは感じられると思って決めました。

√は正しくはrootなんですが笑 同じ音の「ルート」
ROUTE:旅路という意味です。でも、記号を使ったほうが

√ ̄ ̄ ̄ ̄ ← 飛行機の離陸の軌道に似てるかなって

そんな連想ゲームで、すんなりタイトルは決まりました。


写真集を作ろうと思ったきっかけ

きっかけは昨年7月の
ボスニア・ヘルツェゴビナを取材旅行中のこの一枚です。

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この無邪気に駆ける、子どもたちの写真が撮れたときに思いました。

「海外の日常と集めた写真集にしよう」 と

私の好きな写真家で、フランスの”ロベール・ドアノー”という方がいます。
普段撮っているスナップ写真も、彼の写真を頭に浮かべながら撮っています

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彼の作品からは、パリの町並みの中で行われる人々の暮らしが伝わってくる
愛や喜びのような、人間の「陽」の感情に溢れています。

ボスニアのモスタルの街で、先程の子供の笑顔の写真が撮れたとき、
この世界観に、今すこし近づけたような気がしました。


Chapter.1 ボスニア・ヘルツェゴビナ サラエボ・モスタル

ボスニア・ヘルツェゴビナは、1990年代に民族紛争という
悲しい歴史がありました。


当時は、もちろんテレビも写真もある時代で、現地の博物館には戦火から逃げる人々や、悲しい光景が鮮明に記録されており、旅行中に少しグロッキーになったことを覚えています。

本誌の中でも、当時の傷跡の残った建物の写真を掲載しました。

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民家に無数に空いた銃撃の傷跡。弾丸は窓枠を狙っているようにも見える。
このような光景は町中にたくさんありましたが、この車の赤い色が
人の血を連想させるような気がして、有効的に恐怖を連想できるかなと思い

現地の資料館や博物館で展示されていた写真や映像の印象をもとに、
少しトーンを落としたり、レイアウトを考えたりしています。

またアンダーな写真のあとには、先程の笑顔のこどものような写真を入れて
今と昔のコントラストを表現しました。

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Chapter.2 クロアチア ドゥブロヴニク

このドゥブロヴニクは、1979年に世界遺産に登録さ
統一のある、赤レンガと白い建物の町並みと美しく澄んだ海の光景は
「アドリア海の真珠」とも謳われています。

日本でも、ジブリ作品「魔女の宅急便」のモデルにもなりました。
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また、このドゥブロヴニクでは ハイライトとシャドウの階調や、
海と空の青がたくさん詰め込みました。機材マニアの方にとっては、
今回使用した Leica Q の魅力が沢山詰まった章になっています。笑


Chapter.3 イタリア ベネチア 

水の都は、五感で楽しめる街です。

視覚、水路と建物の共存する 美しい町並み
聴覚、街中に響き渡る波の音、教会の鐘の音、船の汽笛の音
触覚、歴史を感じる、石造りの建築物
味覚、美味しいイタリアンとジェラート
嗅覚、潮風の香り

身体 全体でワクワクする、大好きな街です。

街を知るきっかけになったのは、
・ポケモンの映画 ラティアスとラティアス
・ARIA / 天野こずえ 先生による 漫画作品 でした。

当時はまだ、小中学生だった私には
 街の中に水路があって日常の中に船がある、そんな光景は
まるで夢のように感じていました。

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そうして、初めて訪れたのは2015年の3月。
卒業旅行として、初めての一人海外旅行でした。

この街に訪れた途端思ったことは、アニメの中のイメージそのまま
いやそれ以上だったということ。
治安も良く、初めての海外旅行にぜひともおすすめしたい街です。

今回の撮影では、夏に行くことができたので
街行く人の表情が柔らかかったり、服が華やかだったり
街の魅力をたくさん詰めることができたと思っています。

と、長くなりましたが、踏み込んだ写真集の解説でした。

只今、増刷準備中です。


続きが気になる方はお買い求めください。

ご連絡お待ちしております。m(_ _)m



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