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テレビの命日(後編)

前編ではテレビ離れについて記述したが、今回は「テレビ番組と広告・消費行動」についてだ。


民放では当然、CMがある。民放がそのCMで収入を得ていることを知っている人は多いだろう。

実はCM以外に、テレビ番組本編の中でもしっかりビジネスが成り立っているのだ。


例えば、日本テレビの朝のバラエティ番組「ZIP!」をよく見てみるとわかる。(私が見ているのではなく家族が見たいから仕方なくつけている)

6時30分からの流れは、約5分間はニュースの報道をした後、芸能関係のニュース「ショウビズ」を15分、そして最近流行の商品を紹介する「キテルネ!」を約5分間放送し、気象情報へ移る。

この「ショウビズ」では芸人や俳優たちの映画の試写会CD・DVD販売イベント内でのインタビューが大半を占める。

「キテルネ!」では流行の家電や服、雑貨をメインに商品紹介をしている。


何が言いたいのかというと、「CM以外の番組内容がほぼ何かの宣伝」であるということだ。


この「ショウビズ」コーナーを担当するアナウンサーが「■■さん主演の映画『○×』は来週金曜日△日から公開です」としっかり公開日を伝える宣伝っぷり。商魂を感じる。

「映画やDVDを見させよう、流行の服・家電を買わせよう」と視聴者に呼びかけている姿勢はどうも気にくわない。


おまけに番組終了時間の間近のコーナー、タレントのマーティン(間違ってたらすみません)が全国のグルメを食べ歩くコーナーがあり、そこでもしっかりと登場した店の名前はもちろん、値段までご丁寧にテロップで記載してある。

これはこの番組に限ったことではなく、どの番組にも言えることだ。

旅番組ならホテル名やレストラン名、生活に関するバラエティーならスマートフォンのアプリ名や生活雑貨名、家電名、サービス名など…

このように番組内にも広告で溢れているのがわかるだろう。

その意図は、「その番組を見た視聴者が登場したサービス・商品を購入・使用させる」こと。これを狙っているのだ。



最近の例を挙げてみれば、任天堂のゲームソフト「どうぶつの森」がそれのいい例だろう。

ゲーム内上の仮想空間の「村」で一人はもちろん、インターネット経由で友人たちと交流できるゲームである。

民放のゴールデンタイムのテレビCMはもちろん、バラエティー番組やさらには情報番組にまで取り上げられ、今年7月までの売り上げは528万本とのこと。(KADOKAWA調べ)

テレビ等で取り上げられたのを受け、SNS上でも自分の作った「村」などの画像を投稿してシェアする人も多くなった。


だが、私はこれを良いとは思っていない。なぜか。


それは、私が「広告やテレビに踊らされて購入する」ことが嫌いだからだ。



私自身「本当に必要なもの、必要だと思うもの」しか買いたくないという心理がある。別にゲーム機やソフトをそんな何万も出して欲しいと思わないし、生活に必要なものかと問われれば答えはノーである。(ニンテンドースイッチは安くても新品で3万円くらいはするし)

『「テレビで見たから」「他の人も買ったってSNSで見たから」ってなんでもかんでも買う』。これって一種の現代病ではないか?名を付けるなら「欲しい欲しいシンドローム(症候群)」だろうか。


その新商品たちを「買って・持って」満足する。それを促進しているのはテレビだ。



なに?こんな馬鹿げたライフサイクルから抜け出したい?じゃあ、今日から民放は見なけりゃいい。ついでにYouTubeもね。


(詳しくは前記事「さよならぼくたちのGoogle」参照)



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