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2024世界ジュニアフィギュアスケート選手権 & 宇野昌磨選手ジュニア時代演技動画巡り

先週後半は2024世界ジュニアフィギュアスケート選手権を配信で視聴していました。今季はユース五輪という4年に1度のイベントが間にありましたが、これがジュニアスケーター達にとっては今季最後のビッグイベントです。

今シーズンの私は大阪で開催されたジュニアグランプリシリーズ大会を観に行ったのを最初に、ジュニアの試合をかなり見ています。それも配信だけじゃなくて現地観戦まで。北京グランプリファイナルでも前半のジュニア勢の戦いは楽しく見ましたし、全日本ジュニアが滋賀開催だったのをいいことに1日だけでしたが現地にも行きました。

これまで私はジュニアについては「今季出てきた〇〇選手がいいよ」という噂が流れてきて初めて試合での演技動画をチェックするーという程度でしか見ていませんでした。こんなに積極的に配信&現地含めてジュニアの試合を追いかけたのは今季が初めて

そもそも私はジュニアの試合にはあまり関心を持たないようにしていました。「シニアの試合すら全部チェックする時間がないのにジュニアまで追いかけるなんて無理!」というのが最大の理由ですが、もう一つの理由としては「ジュニアの頃から熱心に応援したとしてもシニアで花開くかどうかはわからないし、思い入れは過度に持たないようにしておこう」ーというなんとも薄情で後ろ向きな理由があります。

だから今もどこかジュニアの試合は引いた目線で見ている感があります。そのぶん肩の力を抜いて楽しめるのはいいところだなと思いますけどね。選手本人は真剣に挑んでいるだろうからそういう引いた目線で見てしまっているのはちょっと申し訳なさを感じます。でも、心の奥でひっそり応援していた選手が活躍するとめちゃくちゃ嬉しかったりはします。

今そんな風に「心の奥でひっそり応援している」ジュニア選手たちの多くが来季もジュニア残留なので、来季も今年同様ジュニアの試合をしっかり追いかけそうな予感です。

では2024世界ジュニアの感想をば。最後は宇野昌磨選手の過去演技話に唐突?に飛びます。


カップル競技


さえルカこと清水咲衣・本田ルーカス剛史組のSPをドキドキしながら見守り、フリー進出できてホッと致しました。結成1年目でこれだけ大きな大会に出られるなんて、先が楽しみで仕方ありません。結果は総合14位!

ジュニアのペアを見ると、シニアペアがいとも簡単そうにやっている技の一つ一つがいかに難しいのかを実感します。結成当初から見守れる喜びをこれから味わっていきたいです。

アイスダンスのさらあつこと岸本彩良・田村篤彦組は関空のジュニアグランプリシリーズ大会でナマで見られたので謎の身内感を感じながら見ました。Styxのミスターロボット何度見ても懐かしさだらけ。フリーのパルプフィクションも様になっていて、踊り心がある二人を見るのは純粋に楽しいです。総合12位!

女子シングル


韓国のシン・ジア選手と島田麻央選手の勝負はSPはシン・ジア選手、フリーは島田麻央選手に軍配が上がりました。総合成績では島田麻央選手が首位となり、世界ジュニア連覇を果たしました。

島田麻央選手

フリー冒頭のトリプルアクセルでステップアウトした島田麻央選手。まさかのアクセルでのミスで(よくよく考えたら今季一度もトリプルアクセル転倒なしってとんでもないんですが)「これはヤバイかも…」と思った直後、きれいに決まった4回転トゥループにはビックリしました。北京グランプリファイナルの時にも決まってるんだから驚くこともないんですけど未だに驚いてしまう自分に驚きます(苦笑)。

島田選手が成功率が低い4回転トゥループを入れ続ける必要があるのかどうかがよく議論されますが、北京グランプリファイナル&世界ジュニアと今季は肝となる国際大会で両方4回転トゥループを降りていますもんね。意外とシニアになっても4回転トゥループ保持できたりして?とちょっと期待が膨らんできてしまいました。

しかし成長期のためか今季はジャンプが去年よりは少し不安定な島田麻央選手。昨季は妙な安心感を持って演技を淡々と見守れた私ですが、今季は3回転ループ終わるまでずっとドキドキしていました。その辺の不安感は本人にもあったのか、後半はSP同様少し硬かった気がしますね。GOEが伸びてないのもそのへんが原因でしょうか。

シン・ジア選手


シン・ジア選手は
島田選手があれだけの演技をした後に出て来るというのは
プレッシャーもあっただろうにそれを微塵も感じさせない優美な演技。不安感感じることなく観ることができました。
なのに最後のスピンのエントリーで珍しいミス。大きなミスではないですが、そこまでの流れが素晴らしかっただけにもったいなかったですね。

彼女の世界ジュニアの銀メダルは3個め。銀メダルコレクターだと揶揄する向きもあるようですが、入れ替わりの激しい10代女子シングル選手の中でこれだけずっと安定した成績をおさめ続けられている彼女は凄いなと思います。

あれだけ安定した成績を残していた韓国女子2名(ルッツ苦手&フリップ苦手でしか見分ける方法がない双子姉妹)が共に今大会不調で、来季世界ジュニアの韓国女子シングル枠がまさかの2枠になってしまったぐらいですから、シン・ジア選手の安定レベルが群を抜いているのがよくわかります。

シン・ジア選手は生まれた月の違いで島田選手と違ってミラノ五輪出場可能。体型変化を乗り越えられればミラノでメダル、十分にありそうだなと思っています。

上薗恋奈選手とMIHOKOバナーw

怪我明けだという上薗恋奈選手のフリーの安定感っぷりは凄かったですね。失敗しないか?という不安感をこちらに与えてきませんでした。曲調はあんなに不穏?な曲なのにw 

全日本ジュニア⇒ジュニアグランプリファイナルに続いての銅メダル。プレッシャーのかかりそうな大きな大会での演技の安定っぷりには毎回感心します。まだまだジュニア時代は長く続くので怪我には気を付けて長く活躍できるスケーターに育ってほしいです。

会場に「上薗恋奈」バナーとならんで「MIHOKO」バナーを掲げている男性ファンがいらしたのには大受けしました。コーチのバナーとはなんと斬新なw でもMIHOKOバナーを出したくなる気持ちはわかる!わかるよ!!(笑)。

男子シングル


後半2グループは数点台の差しかなかったので全てはフリー次第。ジュニア男子ということもあって荒れましたが、とんでもない大荒れは少なかったように思います。中村俊介選手も高得点源のトリプルアクセルでミスはありましたがミスの連鎖は避けてまとめられてSPより順位を上げて4位。来年はもう1年ジュニア残留で表彰台&シニアのGPS枠獲得を目指すかな。

ソ・ミンギュ選手

優勝は韓国のソ・ミンギュ選手。

私実は昨シーズン、ソ・ミンギュ選手のジュニア国際大会初登場時から注目しておりまして。低重心で加速していく滑りがジュニア離れしていてとても好みの系統でね。まだトリプルアクセルも跳べないジュニア上がりたての子が滑りやスピンの質で注目されてジュニアグランプリシリーズで台乗りまでしちゃうなんて何だか昔の宇野昌磨選手を思い出すなぁって。

そしたらあっさりジュニア2年目でトリプルアクセル習得しちゃいました。まだ小柄なのに。まぁ助走が長くてスリリングですけど、まだ15歳ですからね。あの滑りにトリプルアクセル装備しちゃったら、日本勢は構成難度では勝るとはいえ、かなりパーフェクトにまとめないと勝てないやん!

中田璃士選手

中田璃士選手は4回転トゥループのステップアウトがなければ金行けてたので惜しかった!ユーロ五輪SPの涙を思えばSPフリーともに素晴らしい出来でした。何より地味にスピンレベル4揃えました。今後のためにもさらにスピン強化できるよう祈ります。

北京グランプリファイナルでナマで見たフリーのイメージがあまりに強すぎて、十分スゴイ演技で銀メダルを獲得したというのに私は微妙な物足りなさを感じてしまいました。中学生でこんだけの成績残しといて「まだ行けるのに」と物足りなさを感じさせてしまうなんて大物感あります(笑)。

エキシビションの最後でペアスケーターに投げてもらって華麗なスロージャンプを降りてました。投げる方も凄いけど降りる方も凄いですね(笑)。銅メダルのアダム・ハガラ君とはジュニアグランプリファイナル⇒ユース五輪ですっかり仲良くなったようでずっと楽しそうにしゃべってたし、日本代表選手たちみんな笑顔でシーズン終われてよかったです。
(下記のインスタ、最後の動画にスロージャンプの映像があります)

地元のヒーロー ユーシャン・リー選手

下位グループでは台湾のユーシャン・リー選手がかわいくてとてもよかったです。地元開催であることをプレッシャーとしてではなく、うまくエネルギーに変えてた感じで総合16位と大健闘。

グランプリシリーズ大阪大会で初めてナマで見た時にもいいなと思ってたんですけど、キーガン・メッシングさん、ドノヴァン・カリーヨ選手、友野一希選手みたいなハッピーオーラが漂う感じの滑りをするんですよね。これから伸びていってもらって、もっと国際大会で観たいと思える選手です。

あんなにガラガラの観客席がユーシャン君の時には大歓声になるところが地元愛を感じて微笑ましかったです。で、その声援に対して笑顔の演技で応え、SP得点発表後にうれし泣きする姿もね。

「ミスしちゃうとフリー進めないかも?」な実力の選手がSPでいい演技した後に涙するってのは、2018ミラノワールドSPの時の友野一希選手を思い出しましたね。ユーシャンは枠取りの不安とか責任とかは負わされていないので友野くんみたいに「怖かった…」とは言っていなかったようですが。

PCSで闘うアンソニー・パラディ選手

あとはカナダナショナルの後にも色々語ったアンソニー・パラディ選手ですね。銅メダルを獲得したカナダナショナルの時ほどジャンプははまらなかったけど、大崩れすることのなく演技を美しいまままとめました。総合15位。

2024 カナダナショナル 男子自爆大会での16歳の奮闘と「観客減どうする論争」

トリプルルッツが最高難度の構成なのにルッツで2回ともミスが出るというのは致命的なミスではあるんだけれど、ジャンプ乱れの多い選手なので十分「まとめた感」がします(苦笑)。SPフリーともTESは稼げませんでしたがどちらもPCSでがっつり稼いできました。なるほどPCSというのはこういう選手を差別化して評価するためのモノなんだなと再認識しましたよ。

本人はジャンプが嫌いなわけではないし、「今の自分に必要なのはジャンプ向上だと認識しているので来季はジャンプ頑張る!」と上記のgoldenskateのインタビューで宣言しています。どう育つのかはわからないけれど先が楽しみな選手です。同じカナダのラキッチ選手も頑張りました!

恒例!宇野選手ジュニア時代動画巡り


私はジュニア男子の試合を見るともれなく宇野昌磨選手のジュニア時代の演技動画巡りの旅に出てしまいます。何だかめちゃくちゃ見たくなるんですよねw

前述したように、私はジュニアの試合をこまめにライブ視聴するタイプではありませんでした。だから当然宇野昌磨選手の演技も評判のよかった演技動画を試合終了後に視聴したりしていたので、全日本出場時をのぞけばジュニア時代の試合のスリルをリアルタイムできちんと味わったことがありません。

そしたらこんな番組予定が出てきたじゃないですか!
宇野昌磨選手の過去の世界ジュニア&シニアの世界選手権の演技映像を全部まとめて放送したうえで、宇野選手自身がその演技を振り返るインタビューがついている…???
今の私のモードに合わせて作ってくれたかのような番組じゃないかー!

世界ジュニア初出場時のSP「タッカー」も結構好きなんですけど、世界ジュニアでの演技は観客撮影動画しか見たことないんですよね。すごく楽しみ!

初日はジュニアの4年分の試合映像だけど、2日目3日目はシニアワールド7年分!本当どんな年でも出てきた人だからなぁ。ジュニア2回目の世界ジュニアは代打ではあったけど、これだけ連続で1年も欠けることなくワールドのリンクに立ってきたって本当に凄いことだよなぁ…って実感します。2018ミラノワールドとか怪我で見るのもつらい試合があったけど、それでも魅せてくれたもんなぁ。

何よりシニア初のワールドの涙のキス&クライをもう一度流れでしっかり見られるのかと思うとドキドキします(笑)。後半4T転倒こそあったけどイイ演技だったのに、あの涙。世界各国の解説者たちが皆おかん&おとん状態になって「君にはまだ未来がいっぱいあるよ、泣かないで~」的なテンションになってたのを昨日のように思い出せます。

涙ポロポロこぼしながら前をまっすぐ見つめる少年の輝く瞳の破壊力は凄かった。とっくにはまってたけどおかげでますます深みにはまって。そしてその涙から1か月も経たないうちに4回転フリップ実装でしたもんねぇ。あの怒涛の日々を思い返しながら見られるのかと思うとワクワクします。まぁその後のワールドを思うとドキドキしかないけれど。

…そんなこんなで「滑走屋」制作過程のドキュメンタリー配信が10日までだというのにまだ最後まで見られていません!何とか時間を捻出しなければ…


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