2024全米選手権＆ユース五輪雑記　　　～ユース五輪実況許すまじ～

先週末の四大陸選手権の感想を書きたいところなのですが…その前の週から行われていた全米選手権、韓国江原道で開催された冬季ユースオリンピック、国民スポーツ大会（旧国体）とずーっとフィギュアスケートの試合がほぼ休みなしに続いていて私は疲弊気味（苦笑）。

四大陸の感想を残す前に、自分の記憶の整理のためにも全米・ユース五輪の感想だけ先にざっくり吐き出しておこうーと思って書き始めたら…ユース五輪の実況があまりに酷かったのを思い出してしまいました。

あんまり愚痴を書き散らすのも…と思い、たくさん見られて楽しかった過去のユース五輪動画の話題と合わせてだらだらと書いております。

全米フィギュアスケート選手権

私はJSPORTSはCS契約しかしていないので、残念ながら男女シングルしか視聴できていません。（アイスダンスをライブで観たかった…）

男子シングル

ブッチギリ優勝のイリヤ・マリニン選手。フリーは「あれ？」という仕上がりでしたが、新しい靴がうまくいっていなくて古い靴に急遽戻したとのこと。それでも４回転アクセル＆ルッツ１本が入るのは本当規格外。２位はジェイソン・ブラウン選手。フリーを昨季のに戻してきました。このプロは素晴らしい完成版を観ることができただけに今季プロを観たかったんですが、ワールドも昨季の「Impossible Dreams」なんですかね…。

Ilia Malinin won his second straight U.S. title, clinching the title by nearly 30 points.

Jason Brown earned his ninth senior U.S. Championships medal with silver while Camden Pulkinen claimed his first senior U.S. medal. Maxim Naumov secured the pewter.

Full recap ⬇️

— U.S. Figure Skating (@USFigureSkating) January 29, 2024

注目されていたワールド代表３枠目は私が好きなカムデン・プルキネン選手が入りました！フリーのトスカ、まとめられるかどうか不安だったけど何とかまとめてきました。奇しくも同じトスカで滑ったマキシム・ナウモフ選手もまた違った感じでよかったんですが、1.83差でプルキネン選手が上回りました。

他で私の印象に残ったのは全米名物？のジミー・マー選手ですかね。このところ「SPで高得点⇒フリーまとめられずに陥落」を繰り返していたのでSPでミスった時はどうなるかと思いましたが、フリーをまとめられました。終盤で小ミスはあったもののSP９位から総合６位に浮上しました。６位なら来季もグランプリシリーズ大会一つは出られますよね？こういうベテラン選手は長く現役を続けてほしいです。

あと印象に残ったのはパニオット選手ですかね～。４回転フリップとトゥループ入りでQueenメドレーは上がります。トリプルアクセル１本でもいいよ！ってなります（笑）

女子シングル

男子シングルは楽しく見られたんですが、女子シングルはきつかったです。

長年頑張ってきたアンバー・グレン選手の初優勝は喜ばしいことでした。でも、また「トリプルアクセルを決めても後半崩れてしまう」という流れになってしまって、演技後本人はかなり落ち込んでいましたから。転倒ではなく抜け２つだったので「エクソジェネシス」の世界観は守られてたんですけどね。

そしたらその後続いたイザボー・レヴィト選手が３転倒で…後半は足を痛めているのか、それとも踏ん張る気力を失ってしまったのか？と思わせる転倒が続き、いたたまれませんでした。

二人ともワールド表彰台を狙える実力はあるけれど、その実力を発揮できるかどうかが超絶不安ですね。下手したらアメリカ女子１枠になっちゃわないか？と思わせる位二人とも不安定だし。

ワールド代表候補の一角だったアヴァ・マリー・ジーグラー選手は全米を捨てて四大陸を選び、その結果ワールド代表から外れましたが、彼女が代表に入ってた方が２枠確保しやすかったんじゃ？って思ってしまいます。どのみち彼女が全米出たところで、優勝しない限りワールド代表には選ばれなかったように思うので賢明な選択だとは思うのですが。

レヴィト選手はまだ１７歳。ジャンプ以外は凄く魅力を感じる選手なのでこのまま踏ん張ってほしいんですけど、北京グランプリファイナルでも色々限界にきている感じに見えたし、今後がちょっと心配になってしまいました。

何より彼女の今季SP好きだったのにな～オーソドックス路線のプロに変更してしまって私はちょっとガッカリです。蛇っぽい動きとか芸術的＆挑戦的で、彼女のジャンプ前姿勢をうまくカバーしてたように思ったんだけどなぁ…ジャッジ受けも悪くないように思ってたんですが。

私の演技の悪い不安はぶった切って、二人ともワールドで実力発揮してくれればうれしいです。

韓国江原冬季ユースオリンピック

これまでの冬季ユース五輪

世界の国々から15〜18歳のアスリートが出場するユースオリンピック。冬季のユース五輪の初開催は2010年スイスのインスブルック。宇野昌磨選手が出場し個人で銀メダル、団体で金メダルを獲得しています。

当時の映像はここ数年Olympics Channelが使い倒しまくっています。下記の動画もその一つ。

しかし、2010インスブルック ユース五輪公式チャンネルには主要選手たちの演技ダイジェストをひとまとめにしたような映像しか残っていません。他の動画サイトに法的にはちょいと怪しい観客撮影動画（フリーのみ）があるだけで、ショートプログラムや団体戦の演技映像は一切なし。

そのためかOlympicsチャンネル動画で使われる宇野昌磨選手のユース五輪演技映像は見慣れたいつものものだけです。

過去のユース五輪動画が次々公開！

韓国・江原道ユースオリンピック開催が近づくにつれ、大会PRのためにOlympics Figure Skatingのyoutubeチャネル　が過去のユース五輪のフィギュアスケート演技動画をいくつもアップしてくれました。

2016リレハンメル大会、2020ローザンヌ大会でそれぞれ個人金メダルを獲った山本草太選手のフリーや鍵山優真選手のフリー映像。当時上位には入れなかったけれど現在大活躍中のアダム・シャオ・イム・ファ選手のSP映像や坂本花織選手のSP映像とFS映像などが次々アップロードされたというのに、宇野選手の当時の演技映像はアップされずで彼のファンとしては少々残念。（これは映像が残っていないのか、当時権利関係の契約を定めていなかったので公開できないのか…せめて後者であってほしい！）

過去の演技動画意外にも今世界で活躍する選手たちからユース五輪出場するスケーター達へのメッセージ動画（下記）も公開され、日本人選手の活躍も期待されているしで私の大会前の期待は凄く高まっていました。

水を差した「酷い実況」

しかしですね…Olympic公式チャネル配信実況を務める女性解説者があまりにも酷くて。フィギュアスケート競技初日、私は用事があって配信をナマでは観られなかったのですが、その日のうちに英語圏のスケオタが集まる掲示板やSNSでは「実況コメントが不快すぎる」「演技中しゃべり過ぎで音楽がろくに聞こえない」との声が集中しまくって…「誰かこいつを黙らせろ！」とボロッカス言われていました。

「思春期の選手の体型や容姿に対して露骨な批判コメントを言う」
「流れている演技とは関係ない話を延々続ける」
「選手が失敗した時はため息や舌打ちをするのが聞こえてくる」
「自分はフィギュアスケート経験者でもないのに（ローラーフィギュアの経験はあるらしい）、選手へのコメントが全て謎の上目線」
「自分の的外れな点数予想を堂々と口にして、全然違う点が出てきても恥じる気配なし」etc.

・・・こんな評判を先に聞いたらなかなか見る気になれないです。聞き取らないようにしようと務めたところで、ため息や舌打ちなどの感じの悪さは伝わってきてしまうだろうし。

なので、主要な選手の演技だけをつまみ食いする形で見ました。かなりの抗議が行ったようで二日目以降はしゃべり倒す量が減ったようですが、それでも不快でした。特に女子の実況は酷かったです。

だいたい島田麻央選手のトリプルアクセルをダブルアクセルだと見間違うような実況なんてね…。人間だから見間違うことはあるにしても、スロー映像見てもまだダブルだと言い続けるなんて唖然としましたよ。女子はジャッジの認定基準もかなり辛口でしたし、選手たちはいい演技をしていたのに、周囲が作り出したことで肝心の演技を楽しみ尽くせない残念なことになってしまいました。

Olympics Figure Skatingのyoutubeチャネル　には2024江原道ユース五輪の演技動画が多数掲載されてるんですが、もれなくこの実況がセットでついてくるようです。もう声を聞くだけで不快になってしまっている私としては、あんな会場音のみの動画を再公開してほしいです…。

余りにも残念だったので、昔のユース五輪の演技映像巡りの旅に出てしまったのですが、そちらは会場音だけなんですよね。何で今回の動画はあんなクソ実況を入れてしまったのだろう…。

選手たちは活躍！

金メダル確実視されていてプレッシャーが大きかっただろう島田麻央選手は辛いジャッジもありつつきっちり優勝し、高木謠選手も銅メダル。男子垣内珀琉選手も健闘。ジュニアグランプリファイナル金メダルを獲って注目されていた中田璃士選手はSPで大ミスが出てしまい、涙のキス＆クライになってしまいましたが、フリーで挽回できてよかったです。

ユース五輪は試合後のアスリート同士の交流プログラムが真骨頂らしいので、出場選手たち全員が残りの日々を楽しめて帰ってこれたのならいいなと思いました。男子選手達が揃って一緒に食堂でご飯食べてる写真をネットで見かけましたが楽しそうな風景でした。

世界で戦うレベルの若きアスリートたちがこういう場所で集い、交流をするプログラムというのは彼らにとっても実りがあるだろうし、メディア側にも将来のメダリストの卵たちの若き時代を記録できるWin-Winの大会だなぁと改めて思いましたね（笑）。

どうか４年後の冬季ユース五輪配信は、もう少し楽しめるようになっていますように…