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「穿つ」と「抉る」

まずは、それぞれの意味を引いてみます。

穿つ】うが-つ
1 穴をあける。掘る。また、突き通す。貫く。
2 押し分けて進む。通り抜けて行く。
3 人情の機微に巧みに触れる。物事の本質をうまく的確に言い表す。
(デジタル大辞泉より抜粋)
抉る】えぐ-る
1 刃物などを深く刺し入れ、回して穴をあける。くりぬく。
2 心に強い衝動や苦痛を与える。
3 物事の隠れた面を鋭く追及する。
(デジタル大辞泉より抜粋)

似て非なるものだということが、ご理解いただけたと思います。

今回はビジネスについて、この二つの言葉を用いて書いていこうと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

石・穴・自然・穿つ・抉れた

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個人的な見解ですが、専門性という知識やスキルを突き詰めていくと、最終的に「穿つ」という状態に例えることができると考えています。

一つのことに対して、他者を押し分けて進み、個性を突き通し、本質を知るとは、まさに専門性を極める工程に似ていると感じています。

一点集中、錐のように鋭敏で貫通性のある力を以って、業務に取り組みます。

「穿つ」ことは、必要最小限の範囲に影響を及ぼすため、他のビジネスとの差異を図ることにも秀でていると思います。

一方で「抉る」とは、どんな状態を指すのでしょうか?

私はジェネラリストと呼ばれる働き方が、これにあたるのではないかと考えています。

このような呼び方に対抗するなら「穿つ」はスペシャリストといったところでしょう。

穿った穴は、ビジネスで考えれば、ある意味で二ッチ産業です。

届く人には届く、といったオンリーワンの強みがあるでしょう。

ですが、多くのビジネスでは二ッチのままでは企業は成長できません。

より多くのユーザーを獲得する必要があります。

そこで、穿った穴を抉る役割が求められると私は思うのです。

チェス・並べられた・駒・青と透明・隊列・整列・対立・対戦・ストラテジー

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一般的に、スペシャリストとジェネラリストは対立するような捉え方をされることが多いです。

しかし、これは個人の成長についての視点であり、多様な価値観を掛け合わせて成長する企業という存在においては、いかにスペシャリストとジェネラリストを連動させるのかがカギになると思います。

スペシャリストによって市場に開けた風穴を、ジェネラリストが抉ることでシェアを獲得できると言えるでしょう。

このように考えれば、どちらが優れているのかといった論争は息をひそめるのではないでしょうか?

どちらの特性も必要なのです。

…私は、逆立ちしてもスペシャリストのような穿つ生き方は出来ません。

ですが、サポート役として行き届かない部分を抉ることは、もしかしたら、私のような特性がなければ出来ないことかもしれません。

「競争」ではなく「協創」することで、社会に寄与することができるということを、この歳になってようやく、沸々と感じる働き方が出来てきたような気がします。

響きとしては「抉る」のほうが、「心に強い衝動や苦痛を与える」という意味合いが含まれているように、えげつないものに聞こえるでしょうが、私個人としては、「穿つ」よりも好きな言葉だったりします。

これもまた、自己肯定感の成せる業なのかもしれませんね。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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