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個人事業主の屋号の由来、ビジョン、ミッション

 「え、これでもう終わりですか?」

 2023年8月24日午前9時、佐賀税務署に開業届を提出し、私の「多文化共生起業人生」がスタートしました。内容の確認などあると思い、次の打ち合わせのアポを考えて、佐嘉神社でお参りをしたのち、早めに来庁したのですが、「所要時間7分」。思わず聞き返してしまいました。笑

 今までは、新聞社、JICA、NPOなどの「組織」に所属しながら活動をしてきましたが、これからは、山路健造個人としての力量で仕事を進めていく。きちんと食っていけるのか(家賃とか国保、年金払えるの?)という不安半面、どのような”航海”になるのか、ワクワクしている自分もいます。 

開業届控を手に、佐賀税務署前でパチリ

 今回、個人事業主の屋号として、「人とヒトの幸せ開発研究所」という名前を付けさせていただきました。この屋号に込めた思いや、同研究所として目指していくミッション(目指したい社会、研究所の存在意義)、ビジョン(事業で何を目指すのか)について触れていければと思います。


「人とヒトの幸せ開発研究所」という屋号に込めた思い

「人をヒトとして好きになる」社会をつくりたいという思い

人とヒトの幸せ開発研究所の事業展開図

 「プロローグ~中国タクシー運転手の「友達」の言葉に~」でも触れましたが、大学時代の中国のタクシー運転手との出会いや、在日コリアンの友人たちとの交流の中で行きついた、「人をヒトとして好きになる」という理念。これは一生を懸けて実現する決意であり、今回、独立して起業をしました。

 国や民族、時には宗教による違いを認められず、対立や戦争を生んできた人類の歴史。違いを「なくそう」とぶつかり合うのではなく、「認め合う」。その思いを「好きになる」という言葉に込めました。好きになる人が増えれば、その国の見方が変わる。お互いの幸せを願いあい、不幸せなことがあればすぐに助け合える。そんな社会をつくるための「研究所」になれたらと思い、まずは「人とヒトの幸せ研究所」と名付けました。

 ただ、生まれた場所、環境、教育によっては、なかなか自分の未来を悲観してしまう人もいます。そこで「開発」という言葉を加えました。開発という言葉は、もともと仏教用語。「他人を悟らせること」「内心に潜んだ仏への心に目覚めること」といった意味だそうです。

 様々な国のヒトと交流をしてきましたが、多くの方が個性を持ち、活躍できる素地を持っている。そういう「活躍の場」を開発することを目指し、「人とヒトの幸せ開発研究所」という屋号に決定しました(実は、『開発』を抜くと総画数44字で、名前占いでは『破壊を示す凶運数』と出てしまい。苦笑 開発を加えると65字で『エネルギーに満ちあふれる数』となりました)

背景にある社会課題

 総務省が2023年7月に公表した人口動態調査(23年1月現在)では、日本人住民は1億2242万人と、昨年同期比80万人の人口が減少しました。これは、佐賀県の人口(79万9276人、23年1月現在)が消滅したのと同じ人口が減ったことになっています。少子高齢化は加速度的に進んでおり、介護や宿泊など、多くの業界で人手不足が進んでいます。

 一方で、外国人を受け入れるための地域の社会的包摂は進んでいないのが現状です。外国人が日本語を学んだり、就労、就学をしたりするための社会インフラが整っておらず、外国人が自立できる支援体制が整っていません。「人材が欲しい」という経済界と、「日本語ができないため働けない」という外国人のミスマッチが発生しています。外国人を受け入れ、自立に向けた道筋をつくるための定住を目指した日本語教育の提供というインフラの整備と、高度な日本語がなくても受け入れられるという企業を初めとした日本社会側の意識変革が急務であると考えています。

ミッション「誰もが、生まれた国に関係なく、平和で幸せに暮らせる社会に貢献する」

生まれた場所が、将来へのアプローチをあきらめる壁にならないように

 フィリピンやタイ農村部やミャンマー、そしてウクライナ・・・。貧困や格差、内戦や他国との戦争など、青年海外協力隊や認定NPO法人地球市民の会の活動で出会った人たちには、生まれた場所により幸せを享受できない人たちが多くいました。もちろん、日本にも、相対的貧困に苦しむ人、言葉の壁に阻まれる外国ルーツの方など、多くの課題と向き合ってきました。

 もちろん、私が一対一でサポートできる方は少ないかもしれません。そのため、より支援が届きやすくなるように、資金やノウハウなどがより拡散できる「仕組みづくり」に特に力を入れていきたいと考えています。

 さらには、前述のように、日本では人口減が進んでいます。「人が足りないから外国人を充てる」という考え方を払しょくし、彼らが個性を発揮して活躍できる場をつくりたいと考えています。そのためにも、安全安心に日本で暮らせるインフラづくりも進めていきます。

ビジョン「国籍や民族を超えて、人をヒトとして好きになる社会をつくる」

より外国人が活躍できる社会を

 少子高齢化が進む中、日本社会機能の維持が難しくなってきています。外国人材の受け入れに向けた、多文化共生社会の促進が求められています。また、外国人材をただの「雇用の調整弁」とするのではなく、彼らが活躍するための社会づくりも必要となっていると考えます。外国人を日本人に“純化”させるのではなく、彼らが自分の個性を発揮し、活躍できる社会をつくっていきたいと考えています。

 また、UNHCRによると、2022年末現在、紛争や迫害によって移動を強いられた人は1億840万人(UNHCR Global Trends 2022より)に達し、過去最悪を更新し続けています。日本への避難を希望する方たちを日本社会として包摂していくために、より多くの多文化共生に携わる人材がつながる仕組みづくりや人材育成も喫緊の課題です。まだまだ身寄りのない外国人を包摂するインフラが整っていない中、彼らの定住を支えるため、ソーシャルビジネスの創設や基金の創設も必要となってきています。国籍や民族を超えて、「人を一人のヒトとして好きになる社会」づくりに貢献していきたいと考えています。

ミッション・ビジョンでアプローチするSDGs(持続可能な開発目標)

ミッション・ビジョンを通じて、SDGsゴール1、8、10などにアプローチしていきたい

ミッション=貧困、移民政策へのアプローチ

 より社会課題を解決する事業を進めるに当たり、国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」との関連も考え、事業設計を行いました。

 ミッションは、

  • ゴール1 貧困をなくそう

  • ゴール8 働きがいも経済成長も


へのアプローチを考えています。SDGsは、17個のゴールの下に、さらに169の「ターゲット(ゴール達成のための具体的な取り組み内容)」と、232の「インジケーター(達成度合いを測る指標)」が設定されています。ミッションとしては、ターゲット1.a、8.8へのアプローチを考えています。

ビジョン=人権、能力開発へのアプローチ

 ビジョンは、主に

  • ゴール10 人や国の不平等をなくそう


へのアプローチを考えています。ターゲットは、多文化共生業界でよく挙げられる10.2へのアプローチを考え、そこからインジケーターも設定しました。

 2030年には、46歳になっている私。どのような社会づくりに貢献できているのでしょうか。次回は、これらのミッション・ビジョンの達成のために、具体的に考える「バリュー(行動方針)」を記します。

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