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[すこし詩的なものとして]0053 黄色のゴムボール

足に感じる大地の息吹は、
どこかやわらかく
なめくじのようなぬめりに似ていた

踏みしめることはできないが
ある所の向かい合った言葉のように
互いを吸収する

わたしが歩く
この道の端の側溝には
鈍くつやめく
黄色いボールが
緩やかな重力に身をまかせ
細やかに回転をしながら
先を急いだ

なにかを導びくかのように

でも
偏見的なわたしの目に映る
そのゴムのようなボールは
そんな有機的なものではなく
道の端をただただ
重力に身をまかせて
すべって行くだけなのである

すべての動きが
すべての流れが
ほら
定めのうちに
決められているようだね

だからきれいな
黄色は
きれいな定めで
きれいに
流れていくんだよ
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手が冷たい
ポケットにあるカイロに
手を忍ばせてゆっくりあたためてあげる
そこにある運命は、僕に委ねられている
と思うことで
人の単純な感覚は、ただそれを受け入れてくれるんだ。

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