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インタビュー|Angles(vol.1 中島さん)

本日はインタビューさせていただいた内容を記載したいと思います。
よろしくお願いします!

0.Anglesとは

こそきわ構想”や”障害”の周辺で仕事/生活/活動をされている方々に、その人なりの角度(Angle)からの視点で語られるストーリーを伺います。
(紹介いただける方が続く限り、、!)

こそきわ構想とは、私が自由研究のテーマとして妄想している内容です。以下に記載しています。

1.インタビュイーご紹介

今回インタビューさせていただいたのは、中島寧音さんです。
普段は、大学で社会福祉を勉強されていて、趣味はイラストを書くことだそうです。分身ロボットカフェでOriHimeのパイロットとして働かれています。
SMAを発症されており、普段はストレッチャーかオリヒメかどちらかで外出されているそうです。

分身ロボットカフェ


2.イラストを始めたきっかけは?

もともと絵が好きで学校の休み時間とかにも絵を描いていて、イラストを始めたのは中学2年生の時にipadを手にしたことがきっかけでした。最初は自立活動の授業で「ハンドメイド作品を作って、出品してみないか」という先生からの提案がありました。イラストを描く時のこだわりは、かわいい動物を描くことで、一番の自信作はカピバラです。それ以外にもOriHimeのイラストを描いたりすることもあります。すでにいくつか描いたことがありますが、今後も上達していきたいと思っています。

中島さんが一番好きな作品(カピバラ)だそうです。かわいい。

3.こそきわ構想についてどう感じましたか?

それぞれの人が自分だからこその強みを提供し、支え合っていけるとよいなと感じました。ただ、自分でも自分自身のどこが強みなのか、わかっていないので難しいなと感じる部分もあります。”障害”を持っている自分だからこその観点として一つあるのは、初対面の人に覚えてもらいやすいところです。初めてお会いする人(オンライン/オフラインどちらも)に対して、必要に応じて”障害”のことを話したりします。

4.オリヒメとの出会いについて教えてください。

出会いは2年前くらいです。高校生の時に担任の先生からOriHimeパイロットの募集がされていることを聞き、その時初めてOriHimeを知りました。それから早速応募し、採用していただくこととなりました。出会って変わったことは、外出先のバリュエーションが増え、人との繋がりが豊かになったことです。それまでは、家から病院や学校との行き来しかほとんど移動がありませんでしたが、カフェへの出勤をはじめ、そのほかの外出先の選択肢が増えました。そこでは、今までつながることのできなかった人とのつながりを得ることも同時にできました。カフェのバイト中に他のパイロットさんと会話をしたり、その後SNSでつながり、やりとりをしたりしています。

5.オリヒメでの外出とストレッチャーでの外出はどう違いますか?

どちらもメリットがあると感じています。ストレッチャーでの外出は、自身が外に出るので、空気を肌で感じるし、空を直接見ることができます。ただ、ヘルパーの方に押してもらっていることもあり、外出の行き先の幅は狭いです。
一方、OriHimeでの外出は、自由度が増します。さらに手を振ったりなど動作が可能です。ただ、通信環境がよくない環境では使用しづらいという面もあります。

(ひとこと感想)必ずしも即座に自由に外に出ることができない中島さんだからこそ、私なんかより自然を何倍にもうるわしく感じているのではないか。

6.中島さんにとってのSMAとは?

SMAとの出会いは、生後11ヶ月です。生まれてすぐはわからず、なかなかハイハイなどができないことで判明しました。ストレッチャーに乗り始めたのは高校2年生で、それまでは子ども用の車椅子(バギー)に乗っていました。SMAによって思うように動けないことがあるので、移動の不便さは感じます。一方、ポジティブな面もあると感じています。SMAがあったからこそ、OriHimeを通してつながることができた人たちがたくさんいます。

7.大学での授業ではなにを勉強しているのですか?

大学では社会福祉の制度や歴史を勉強しています。高校2年生の時に、私と同じように寝たきりの方でゲームを作成されている人、OriHimeで読み聞かせをしている人、ご自身の難病について啓発活動をされている人など、様々な方面で活躍している方々の姿を見て、自分自身も自分のできることで誰かの役に立ちたい、そう思うようになりました。そして、今の自分だからこそ貢献できそうな分野はなにか?と考えた時に、社会福祉の領域だと考えました。社会福祉の中での関心領域は大きく2つです。
1つは、主に不登校や子どもの貧困など、子どもに関する問題です。
2つ目は、以前から関心のあった身体障害を持ったお子さんに対する教育や進路に関する課題です。教育現場でのICT機器の活用は勉強における可能性を広がることもある一方、先生や保護者の協力が必要(ipadや視線入力装置など金銭的に負担がかかる場合がある)です。そういった現状や特別支援学校を卒業した後の進学率が2%程度と少ない現状にも関心があります。

8.中島さんのVisionを教えてください。

まず、私個人としては海外のいろんなところに行ってみたいです。いずれは技術的に実現できる時がくるだろうと信じています。
そして、社会的な課題としては「障害の有無など生まれながらの条件に関係なく人々が将来の夢を描き、自分のやりたいことを見つけ、就職することができる」社会に向けて貢献したいと思っています。
この目標に向けて、様々な世代の方々と関わっていくことが大事だと思っています。様々な世代の方々と関わるために、コミュニケーション能力が必要だと考え、大学のボランティアサークルに加入しました。ただ、コロナ禍で思うように活動できていないので、まずは私自身でできる範囲で活動に参加するなど行動していきたいと思っています。

9.インタビューを終えて

まず、OriHimeの偉大さを改めて感じさせていただきました。もちろん、”障害”を持つ方の移動先や行動の幅を格段に広げているという点が非常にすごいと思います。
加えて、OriHimeというものがパイロットの方々にとって、自己表現の方法としてブランドを帯びているものと化しているような気がしており、感銘を受けました。おそらく、パイロットの方々がたとえ卒業し次のステージへ挑戦する際にも、以前OriHimeでパイロットをやっていたという経歴を自信を持って、誇らしげに自己表現し、次なる挑戦のための発射台とするんだろうなと連想します。
「自分を表現する新たな言葉/概念を得ることによって、自分の居場所ができ、それがいつしか発射台となる」私のこそきわ構想の中でいうところの、”止まり木”としての機能を果たしてるんだろうな、と学ばせていただきました。

次に、素敵だなと思ったのが中島さんが描くVisionです。生まれながらにして”障害”を抱え、ご自身の今後向かっていきたい方向性が少しずつ見えてきている中島さんだからこそ、生まれながらの条件に関係なくそれぞれの人が道をつくっていける社会を想起されているのかなと感じました。まさにZ世代ですね。このVisionは今まで様々な経験をしてきた中島さんだからこそ、描けている内容なのだと思います。誰にも奪うことができない中島さんの経験から溢れ出るその思いが、未来を語る言葉遣いの一つ一つに紡ぎ出されていくんだろうな、と楽しみでたまりません。

加えて、子どもの貧困に関心があるということで意外なところで共通点があり、個人的に嬉しかったです。僕自身もNPOで教育格差の問題にアクションしていたこともあり、今後も色々とお話しさせていただきたいです!

Facebookで突撃したにも関わらず快く受け入れてくださりありがとうございました!


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