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等価交換の実践

こちらは2023年に出版した「等価交換の実践」の試し読みページです。

本作は「等価交換の法則」の続編第2段です。

はじめに

 前作「等価交換の法則」で私は「等価交換」という考え方をご紹介しました。自信を持って刊行したものの、内心は批判や否定、嘲笑などを予想してビクビクしていました。また、スピリチュアルな内容に対して距離を置かれたり、危ない人だと思われたらどうしようと懸念もしていました。
 しかしながら、「等価交換の法則」は気が付けば私の書籍の中でもよく読まれる作品となり、等価交換についても質問や同意、感謝の連絡もいただくようになりました。
 さて、前作からもう5年の月日が流れ、新たな等価交換の事例や、具体的な等価交換の実践方法などが分かってきたので、ここに第2弾を刊行します。等価交換の基本的な考え方や用語については本作にも軽く記しておきますが、できれば前作「等価交換の法則」を先にお読みください。

 なお、今回もはっきりと申し上げておきますが、私自身にはスピリチュアルな能力(霊能力、占い、オーラが見える等)は一切ありません。また、等価交換についての科学的根拠も全くありません。
 ですので、等価交換が実感できない人、理解できない人、科学的根拠を求める人には本書は意味をなさないでしょう。
 しかし、等価交換はあります。
 それは私だけが勝手に思い込んでいるのではなく、前書を読んで賛同してくれている人がいることからも明らかです。
 願わくば等価交換が読者の皆様の人生を少しでも良きものにせんことを。

第1章 等価交換をおさらいしよう

等価交換のおさらい

 まずは等価交換という考え方と、用語についておさらいしておきましょう。
 そもそも等価交換とは何でしょう?
 簡単に言うと、人生には良いことと悪いことが必ず起こり、それらはトータルで等価、つまり同じぐらいになるよという考え方です。
 これを念頭に過去を掘り下げ、未来を予測し、人生をよりよきものにしていくことが等価交換の目的です。

 等価交換では良いことを〈報酬〉、悪いことを〈代価〉と称します。〈報酬は〉何かを得ること、〈代価〉は何かを支払うことです。よく〈代価〉と〈対価〉を間違える人がいますが、〈対価〉は何かを得ることですので〈報酬〉と〈対価〉だと得てばかりになります。〈代価〉で覚えてください。
 この〈報酬〉と〈代価〉にはそれぞれ2種類あります。

〈報酬の先払い〉
 まず良いことが起こる。
 それに対して等価交換が発動するので、将来的に同じくらい悪いことが起こる。

〈報酬の後払い〉
 既に起こった悪いことへの等価交換として良いことが起こる。
 これで等価交換は精算完了。

〈代価の先払い〉
 まず悪いことが起こる。
 それに対して等価交換が発動するので、将来的に同じくらい良いことが起こる。

〈代価の後払い〉
 既に起こった良いことへの等価交換として悪いことが起こる。
 これで等価交換は精算完了。

 良いことがあったとき、なんとなく過去にあった悪いことの精算な気がしたら〈報酬の後払い〉です。過去に何も心当たりがない場合は将来同じぐらいの悪いことが起こります。
 悪いことがあったとき、なんとなく過去にあった良いことへの精算な気がしたら〈代価の後払い〉です。過去に何も心当たりがない場合は将来同じぐらいの良いことが起こります。
 このとき重要なのは、〈報酬〉と〈代価〉に科学的根拠や因果関係はないということです。
 例えば中学時代にいじめをしていて、後にいじめていた相手が力をつけて自分に復讐してきたとします。これは因果応報であって等価交換ではありません。
 中学時代にいじめをしていた自分が、高校に入ると勉強についていけなくなり、引きこもりになった……こちらは等価交換の可能性が高いです。
 しかし、中学時代の自分のいじめ行為と、高校生になってからの引きこもりには一見何の関係性もなさそうです。そこで、この二つに対して心当たりがあるかどうかを考えてみましょう。自分の中で中学時代のいじめ行為の代償として自分が引きこもりになってしまったと納得できたなら、それは等価交換となります。余談ですが、いじめ行為は人の上に立つ、支配するという点で本書では〈報酬〉としています。もちろん倫理的に良いことではありませんが、等価交換は道徳ではないので。

 このように等価交換は一見何の因果関係もないところに発動することも多々あるので気づきにくいケースもあります。
 また、〈報酬〉の中にはお金や勝利など分かりやすいものもあれば、分かり辛いものもあります。例えば、後にご説明しますが両親が健在であることは報酬に値します。ということは、それに対して〈代価〉の支払いが発生することになります。
 もちろん〈代価〉にも同じように分かりやすさ、分かりにくさがあります。
 それらについては後に詳しく解説します。

等価交換の特性

 ここからは前著以降新たに分かってきた等価交換の特性をご紹介します。

□等価交換は分散・集積可能
 例えば、100の〈報酬〉があったとしましょう。そうなると、なんとなくイメージとして100の〈代価〉をまとめて支払わないといけない気がしますよね?
 しかし、等価交換の法則ではどうやら100の〈報酬〉に対して〈代価〉を20ずつとか50を2回に分けて支払うといったことが可能なようです。
 さらに等価交換は集積も可能です。
 例えば〈報酬〉が100あってもまだ〈代価〉が支払われない、200になっても支払われない、やがて500まで集積したときに一気に〈代価〉の支払いが来、強烈なアクシデントや不幸に見舞われるということもあります。
 逆に〈代価〉が100、200……と溜まりに溜まり、もう生きていても仕方ない、こんな辛い人生なら死んだ方がましだと思った直後から〈報酬〉の支払いが一気に起こって人生が大逆転したというケースもあります。
 等価交換はどこでどれだけ起こるか分からないところが恐ろしく、そして面白いところです。

□〈報酬〉と〈代価〉の性質
 前著から新たに分かってきたことは、原則として〈報酬〉は受動的ですが、〈代価〉は能動的に支払うことも可能だということです。
 等価交換の〈報酬〉には、裕福な家庭に生まれるとか、事故に遭わない、有名になるなど、自力ではなかなか掴めないものが多いです。中にはスポーツの結果など、自らの努力で勝ち取ったように見えるものもありますが、それも同じだけ努力をすれば誰でも同じ結果が得られるわけではないので、何かから授けられた=等価交換の法則で得られた結果と考えた方が自然でしょう。
 一方で〈代価〉は自分から進んで支払うことが可能です。あえて損をしたり、寄付をしたり、ボランティアをすることで能動的に〈代価〉を支払うことができます。この性質を使って等価交換をある程度自分でコントロールすることが可能となります。
 これについては後に詳しく解説します。

□労働や努力には等価交換は働かない
 これは前著でも述べましたが、労働をしてそれに見合った給料を得たり、努力した分の結果を得ることは等価交換ではありません。そもそも労働は働いた分の正当な報酬として支払われることが前提だし、努力は自発的に行うことで、等価交換としての〈代価〉=悪いことではありません。
 ただ、労働の結果日本でトップクラスの金持ちになったとか、努力の結果日本一になったというように、誰もが当たり前に得られないほどの〈報酬〉(お金、名誉など)を手にした場合には等価交換が発動します。
 逆に、労働に見合った給料がもらえていない場合も〈代価〉が貯まっていくと考えていいでしょう。

□等価交換には個人の癖がある
 人はそれぞれ、等価交換の癖を持っているようです。例えば、身の回りに同じトラブルばかり起こす人はいませんか? 定期的に似たような怪我をする人、風邪ばかりひいている人、常に金銭トラブルを抱えている人、異性トラブルが絶えない人……。
 逆に同じことで常にいい思いをしている人もいるはずです。なぜかお金には困らない人、恋人が途切れたことがない人、体だけはいつも丈夫な人、人間関係に常に恵まれている人……。
 もちろんそれらは個人個人のパーソナリティだったり、努力や行動に由来するものです。しかし、どうしてもそれだけでは説明できないことがあるはずです。恐らく個々人のパーソナリティに等価交換が加わり、それらが混ざり合って同じような〈報酬〉、同じような〈代価〉が発動するのでしょう。
 自分に発動する等価交換の癖を理解しておくと、自分に向いている職業や、無理をしてはじめても成功するジャンル、逆に向いていない職業や将来起こるトラブルを予測することも可能となります。

等価交換が起こりやすい事象

 改めて等価交換が起こりやすい事象を見ておきましょう。ある程度は想像できると思いますが、意外な現象も存在します。

□富
 最も分かりやすい等価交換の事象。増えれば〈報酬〉、減れば〈代価〉となります。ただし、労働で得た正当な富(お金)は等価交換の〈報酬〉とはなりません。契約上働いた分だけ支払われることになっているので。
 労働に対してあまりにも賃金が安すぎるとか、逆にもらいすぎといった場合はそれぞれ〈報酬〉、〈代価〉となります。
 富に対しては富で〈代価〉を支払うケースが多いようです。例えば、大富豪が最後には一文無しになった、など。もちろん他の事象で〈代価〉を支払うケースもあります。

□名声
 これも分かりやすい事象で、富ともつながっています。名声はいい意味でも悪い意味でも上がることがありますが、どちらかというと良い意味で有名になることが〈報酬〉として発生しやすいようです。
 名声の〈代価〉はご存じ〝有名税〟と言われものです。誹謗中傷、ストーカー被害、盗撮、プライバシーの侵害など。
 また、名声が国内トップレベルに到達すると身内の不幸が起こりやすくなります。それについては本書等価交換の実例をご覧下さい。

□勝敗
 富と同じように数字で理解できる分かりやすい等価交換です。勝てば〈報酬〉、負ければ〈代価〉となります。スポーツの試合はもちろん、裁判、喧嘩、ゲームの勝敗、小さいものだとじゃんけんでも等価交換は発生すると考えられます。
 富と違って、勝利に対しての〈代価〉が必ずしも敗北ではないことが特徴です。試合に勝って勝負に負けたというのが正にそれでしょう。

□成功、失敗
 何かの成功や失敗も等価交換になりますが、事象が大きすぎてやや捉え辛いのも特徴です。進学や就職、告白やプロポーズ、仕事のプロジェクト、手術の結果などなど、どこにでも成功と失敗は存在します。
 人生をある程度長い期間で区切ったときに、成功と失敗の等価交換が見えてくる傾向があります。例えば10代の頃は荒れていたが、大人になって改心し成功した、学生時代全然モテなかったが、社会人になって理想の相手に巡り会い結婚できた、など。

□幼少期
 幼少期の出来事は等価交換では非常に重要となります。
 まず、本書では幼少期を16歳頃までと定義します。親の庇護を必要とする16歳頃までに起こる出来事は、それ以降、特に成人してからのものとは完全に異なります。幼少期の幸福は、成人後の幸福の倍以上の〈報酬〉、幼少期の不幸は成人後の不幸の倍以上の〈代価〉となります。
 主な対象としては親の存在、親の愛情、経済状況、健康、いじめのあるなし、などです。
 偉人や有名人は、必ずといっていいほど不幸な幼少期を過ごしています。親が早くに亡くなった、親から虐待を受けていた、病弱だった、いじめられていた、極端に貧しかったなどなど。
 一方、両親が健在で貧しくもないが金持ちでもなく、虐待というほどの扱いはされていない、平凡でそれなりに幸福な家庭に育った人間は、あまり大成しないと言われています。
 また、有名人や金持ち、権力者の子供は引きこもりになったり、大人になって身を持ち崩す傾向があります。

□夢
 夢が叶う/叶わないも分かりやすい等価交換といえるでしょう。よく「夢を叶えるためには何かを犠牲にしないといけない」と言われますが、これは正に等価交換の法則そのものです。
 夢が叶わない人の特徴としては、幼少期の安定があります。16歳頃まで両親が健在で、そこまで貧しくなく、家族が仲良く暮らしてきた人はそれが大きな〈報酬〉となり、夢がが叶わないという〈代価〉を支払う傾向があります。
 逆に幼少期の家庭が不安定だったり問題があった人は夢を叶えるという〈報酬〉を得ることが多いです。芸能人に非常に多いパターンです。

□家族
 家族の様々な問題は等価交換として如実に表れます。
 既に述べたように、幼少期(16歳頃まで)の家庭問題は倍以上の等価交換をもたらします。それ以降の家庭や家族にまつわる問題も、〈報酬〉〈代価〉共にかなり大きな等価交換として表れてきます。
 富や名声は家族の健康や、ときに命を〈代価〉とする傾向があります。
 一方で家族の健康や家庭の安定は、それ自体を大きな〈報酬〉としているため、夢が叶わない傾向にあります。
 
□健康
 健康も等価交換としてよく現れる事象です。特に幼少期の健康被害や事故は大きな〈代価〉となり、後に英雄や大人物になる人が多いです。
 逆に元気な子供時代を過ごした人は、大人になってからの人生があまりぱっとしなかったり、病気を繰り返したりする傾向にあります。

□子供
 自分に子供ができるかできない(作らない)かというのも等価交換に影響します。子供ができない(作らない)のはかなり大きな〈代価〉となりますが、作る方はそこそこの〈報酬〉となります。
 たとえ自発的に子供を作らなかったとしても、自分の血を分けた子孫がいないというのは生物として大きなマイナスになるのでしょう。それが大きな〈代価〉となり、別のところで〈報酬〉を受けるというケースはよくあります。
 一方、子供は〝子宝〟と言われるように、生まれてすくすく育ってくれただけで親としてはこの上なく嬉しいものです。それが大きな〈報酬〉となるので、その分の〈代価〉を支払わなくてはなりません。ちなみに、この場合は命がけの出産や、育児の大変さ、養育費の苦労などが〈代価〉となります。

□偶然
 恐らく、等価交換で最もスピリチュアルな匂いがするのが、偶然の出来事でしょう。なぜなら、そこには努力や勉強、準備などが全く介在しないからです。
 信号がたまたま全て青だったといった小さなものから、事件・事故に巻き込まれたといった大きなものまで、偶然は全て等価交換の〈報酬〉〈代価〉だと考えてもいいでしょう。

等価交換ではない事例

 等価交換はあらゆる現象に関わってきます。中にはスポーツの勝敗など、一見努力と才能の結果でしかないものにも等価交換は影響を及ぼします。 一方で、等価交換のようでいてそうでもない事例や、前著刊行から改めて考えると等価交換とは言えないと考え直した事例もあります。
 とりあえず本書の時点で等価交換ではないとする事例をご紹介しましょう。

□努力した結果の妥当な成功
 努力した結果部活でスタメンに選ばれた、志望校に合格できた、趣味の楽器が上達した……一見努力が〈代価〉で、それに対する〈報酬〉としての成功であるように思えますが、これらは等価交換ではありません。ただの因果です。
 そもそも努力は〈代価〉ではありません。〈代価〉とは悪いこと、病気をしたりお金を損したり、不幸に見舞われることです。確かに努力することはしんどいし、つまらないことも多いですが、それが好きだという人もいるし、あるレベルまではやったらやっただけの結果も出るので、等価交換的には賃金に見合った労働と同じだと考えられます。

□犯罪関連
 前作執筆以降、犯罪と等価交換の関係については頭を悩ませてきました。多くの場合、犯罪行為は私利私欲や私怨を満たすものなので〈報酬〉と言えるでしょう。その結果逮捕・起訴され実刑判決を受け服役したら、それは分かりやすい〈代価〉と捉えられます。
 しかし、見方を変えれば犯罪に手を染めた時点で将来的な罰がある意味確定するので、犯罪行為そのものが〈代価〉とも考えられます。
 一方、刑務所に服役することで自由を大幅に制限はされるものの、最低限の生活は保障されるので、これをある種の〈報酬〉と言うこともできるでしょう。実際に生活に困った人が刑務所で養ってもらうため、わざと犯罪を犯すケースもあるといいます。
 ですので、犯罪行為そのものは〈報酬〉でもあり〈代価〉でもあって、しかもそのどちらでもないと言えます。
 また、仮に〈代価〉だとしてもどの時点からどれぐらいという判断がし辛いのも特徴です。
 これについてはさらに考えていきたいと思いますが、現時点では等価交換にはカウントしません。

□中毒、依存症
 前著では薬物中毒も〈代価〉としてきましたが、本書では一旦退けます。なぜなら、人間は大なり小なり何らかの中毒だからです。薬物は極端なケースだとしても、甘い物、炭酸、お酒、煙草、カフェイン、さらにはアイドルや芸能人、ギャンブル、ゲーム、スマホなど数え上げたらきりがないし、一切何の中毒もないという人は一人もいないでしょう。
 また、薬物やアルコール中毒が〈代価〉で、カフェイン中毒がそうでないなどと線引きできないので、今回はまとめて等価交換から外しました。
 ただし幼少期から何らかの中毒になったり、中毒の末に事故を起こしたり、病気になったり命を落とした場合はそれぞれの結末が〈代価〉となります。

□恋愛、結婚
 前著では結婚それ自体は〈報酬〉でも〈代価〉でもないと書きました。これは本書でも踏襲しています。さらに今回は恋愛も等価交換から除外することにしました。
 確かに、恋人ができたりその相手と結婚したときは幸せに満たされ、人生がバラ色に輝いている気がします。それは自分にとっての〈報酬〉そのものだと言ってもいいでしょう。
 では付き合ってすぐに恋人に深刻な問題があることが発覚したらどうでしょう? 彼氏にDV癖があったり、彼女が過去の全ての元彼といつまでも連絡を取っていたとしたら? また、しばらくは幸せな日々を過ごしていたものの、相手が浮気をしたら?
 結婚についても同じことが言えます。
 仮に結婚後十年二十年は幸せだったとしても、晩年に老老介護で身も心もボロボロに疲弊してしまったら?
 交際も結婚も、基本的に長い期間を一緒に過ごして、良いことも悪いことも乗り越えていくものです。ですので、それ自体が〈報酬〉だとか〈代価〉だと決められるものではありません。
 恐らく交際や結婚という小さな世界の中に限定された等価交換があるのでしょうが、本書ではまだそこまでは見えていないので保留としておきます。

□友人
 最後に、交友関係もまた等価交換としては扱い辛い問題です。友達が多いことが良いことだとは一概には言えないし、少ないから悪いとも言えません。仮にお金持ちと友達になり、その人からいつも奢ってもらえたとしたら、その「奢られる」という事象は〈報酬〉ですが、友達の存在そのものは〈報酬〉でも〈代価〉でもないし、またそのどちらにもなり得ます。

(試し読み終了)

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