見出し画像

『ケーキの切れない非行少年たち』を読みました。

普段読まない分野の本に挑戦してみました。知らないこと、発見があって、勇気を出して、「えい!」って、トライしてみることも大事だなって思いました。

前提がまず、違う

著者はある施設で発達障害を持った少年に出会い、認知行動療法をもとに作成されたワークブックを用いて、治療を進めたそうです。

認知行動療法とは、思考の歪みを修正することで適切な行為・思考・感情を増やし、不適切な行為・思考・感情を減らすことや対人関係スキルの改善などを図る治療法の1つで、心理療法の分野では、効果的であるされています。p6

その少年はワークブックを終える度に「わかりました。」と答えていたが、状況は全く変化しなかった。
その原因は、知的なハンディも併せて持っていたために、ワークブックの内容を理解できなかったためでした。

察するに、学校の先生や親に怒られたときも、その内容を理解できていないのだと思います。
「わかった?」と問われて、反射的に「わかった。もうやらない。」と答えてしまい、本質的な問題(何が悪いのか認識できないこと)が見落とされてきているのです。
「話せばわかる」を前提にした、しつけや教育を行うことの限界でしょう。

前提が違う

と、本書を読んで気づきました。そして、気づかれずに、普通に生活している人もいるのではとも、想像しました。
見ているものが同じでも、人によって認識が違えば、わかってもらえない。
そのような生きづらさを感じている人もいるのではと。。。

別作品を思い出す

本書を読んで、別の本を連想しました。

少し長いですが、冒頭部分を引用します。

前著『AI vs 教科書が読めない子どもたち』を出版してから1年半。多くの方から「腑に落ちた」という感想をいただきました。まずは、文筆業をされている方たち。「物を書いて世に問うのだから、批判されるのは覚悟している。けれども、近年あまりに理不尽かつ不可解な批判が多くて議論にならない。よほど悪意があるかと思っていたが。この本を読んで、『もしかするおそうゆう人たちは文章を読めていないのかもしれない』と思い始めた」というのです。p1

『ケーキの切れない非行少年』では、著者が少年院などで出会った少年に対して、「想像力の欠如」や「認知機能が低い」と指摘されていました。

一方、『AIに負けない子どもを育てる』や『AI vs 教科書が読めない子どもたち』では、調査した学生の多くが文章を正しく読めていないことを指摘していました。

これらの著作ともには「実は正しく読めていない(認知できていない)」と指摘するもので、とても興味深かったです。自分は大丈夫なのか?と考えてしまいました。

***

ある本を読んでいて、以前読んだ本を連想することが最近増えてきました。
「似た話をどこかで読んだ気がするな」って。

『ケースの~』を読んで、さらに小説も連想しました。

「殺してみたい」と考えるキャラクターが登場して、まさしく、『ケーキの~』で指摘されるような人物だったような気がしました。
ただ、このキャラクターは普通の学生として、描かれているところがミソです。

このちょっと違うところを、本で得た知識で埋めていくことも楽しいです。
連想して考えたこともブログで発信出来たらなって思えました。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?