見出し画像

【漫画レビュー】『天幕のジャードゥーガル1巻』

「このマンガがすごい!2023」オンナ編1位に輝いた『天幕のジャードゥーガル』を読んでみました。ポップな絵も目を引くところですが、ストーリーがかなり魅力的でした。勧めたい作品だと思ったので、感想を書いてみます。

あらすじ
後宮では賢さこそが美しさ。13世紀、地上最強の大帝国「モンゴル帝国」の捕虜となり、後宮に仕えることになった女・ファーティマは、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇るイランの出身。その知識と知恵を持ち、自分の才能を発揮できる世界を求めていたファーティマは、第2代皇帝・オゴタイの第6夫人でモンゴル帝国に複雑な思いを抱く女・ドレゲネと出会い、そして……!? 大帝国を揺るがす女ふたりのモンゴル後宮譚!

出典:Amazon

時代背景とスケールの大きさ

13世紀のモンゴル帝国が舞台のマンガです。
アジア各国に勢力を広げて、圧倒的な領土を誇っていた帝国です。広さがあるということは、文化が交わるということでもあります。武力で領土を広げているので、理不尽な運命も時には待っています。

現に、主人公の登場シーンは売られる場面でしたし、
街が襲撃されて、日常が壊され、なすすべもなく運命が変えられてしまいます。

しかし、主人公は売られた家で「知恵の重要さ」に気づきます。
魅力の1つに、何かわからない大きな力に知恵を使って挑んでいく生きざまがあります。「私にはこれがある!」と思えて、武器になるのは「知恵」でした。歴史という大きなうねりの中で、知恵を武器に突き進む姿には勇気をもらえます。

勉強イヤ

1巻でとても惹きこまれました。
世界観の設定と、作品のテーマ、主人公の性格、そして、当面の目的が詰め込んであって、情報量が多く、圧倒されたからです。

主人公が勉強を拒否するシーンは特に印象的でした。
かわいい顔だから奴隷として取引され、学をつければ高貴な人の側仕えになるといって、学者の家に来たのに、勉強を拒否したからです。
このセリフ1つで、境遇と価値観がよくわかりますね。

勉強なんていや!
かわいい顔ももうしない!値段が高くなるもん
そしたらもっと遠くへ売られちゃうんだ
もう知らないところに行くのはイヤ

p21

*

マンガの魅力は、主人公の生き様と直結します。
出生や環境など変えられないものがある一方で、努力や仲間の力で変えていって、おおきなことを成し遂げるようなストーリーが王道です。

天幕のジャードゥーガル』は、変えられない部分が大きく、
今後どのように進むのか、楽しみです。
13世紀のモンゴル帝国では、比較的女性の地位が高かったようです。
主人公のモデルもいるようですし、帝国が隆盛するのか、衰退するのか、
そして、チンギスハンが亡くなった時代の変わり目に、
主人公がどんな役割になるのか、、目が離せないです

2023年2月に2巻が出たばっかりなので、
すぐに追いつけます!

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

この記事が参加している募集

スキしてみて

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?