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Vol.5 ディズニーランドは誰にでも作れるが、ディズニーにしか作れない

妄想経営学といっても、本当に妄想だけで考えているわけではありません。また、全くオリジナルというわけでもありません。
むしろ強烈に影響を受けた企業があります。
Vol.4までを読んでいただくと分かる通り、それがディズニーです。
「なんだディズニーか。ありふれている。」と言われそうですが、やはりディズニーは最高峰です。
ディズニーこそが「本音と本音の経営」の代表格です。

前回でその話が一段落したので、今日は私とディズニー経営学との出会いについて書いておきます。


初ディズニー

Vol.1 本音と建前の経営が諦め社員を量産する」に書いた通り、私は1993年に就職し、1994年には「諦め社員」になっていましたが、その4年後に結婚し、翌年、1999年に初めてディズニーランドに行きました。

私は理学部物理学科出身のコテコテの理系人間で、その頃はまだまだ若く、「ディズニーランドなんて他の遊園地と同じ。ただ、ちょっと知られたキャラクターの着ぐるみがいて、女子がキャーキャー言っているだけのところ。嫁さんが行きたいって言ってるからついて行ってやろう。」
と、少し斜に構えた、全く夢のかけらもない考えの持ち主でした。

実際、その頃はまだまだ遊園地が多く残っていましたし、レオマワールドのようなテーマパークも乱立し、どこに行っても着ぐるみのキャラクターが来場者を出迎えるのがパターンになっていました。
そして、どこに行ってもたいして面白くなかったので、ディズニーランドだからと言って何も期待しない、完全に冷め切った人間だったのです。

ディズニーランドに一歩足を踏み入れるまでは・・・

ディズニーの魔法はマジ本物だった

ところが、入場してワールドバザール越しのシンデレラ城が目に入った直後から、すぐに異変が始まりました。
それまでの自分が嘘のように、すでにワクワク、フワフワしているのです。まるで別人です。
「いやいや、オレはそんなんじゃない」と抵抗するも、どんどん浮かれていく自分を抑えることが全くできません。
そしてものの30分も経たないうちに、完全に魔法にかかり、ディズニーの虜になっていました。
その後は、本当に夢のように心地よい、素晴らしい一日を過ごすことができました。

ディズニー経営学との出会い

多くの人は、このような経験を経て、ディズニーランドのリピーターになっていくと思います。

ところが私は、また行きたいというよりは、なぜ自分のような冷めた人間がまんまと魔法にかかってしまったのか、それが不思議でならず、一体何が起こったのかが無性に知りたくなったのです。
そこからディスニーに関する書籍を何冊も買い込んでは読み込む日々が始まりました。

こうして私はディズニーの経営学を学び始めたのです。

その経営学をひとことで言うと、経営理念と収益の両方に対して「本音と本音の経営」を行っている企業、と言えます。

そして、学べば学ぶほど分かったことが、その徹底ぶりが想像以上だということです。
そこまで極めているからこそ、深層心理に深く入り込んで、心を動かすことができる、それがディズニーの魔法なのだと分かったのです。

さらなる疑問

ではどうしたらそのような理想の経営ができるのでしょうか。
自分が働いている会社と何が違うのでしょうか。
どの会社も真似すればよいのになぜしないのでしょうか。
なぜできないのでしょうか。

そういうことを日々考えながら会社生活を送るようになり、社長や事業部長の経営方針発表などを聞くようになりました。

名言誕生

その結果、自分なりに出した結論が、Vol.1~4に書いた内容です。
書籍にはいろいろ書いていますが、整理してみると非常にシンプルです。この分かりやすさが重要です。
また、それに加えて、細部まで拘りが半端なく、とにかく徹底しています。これもシンプルな思想だからこそできる芸当なのです。

そして、最大のポイントは、収益より経営理念を優先させる判断基準です。
本気でこの壁を超えることできるかが、最大の難関です。

この本質が分からないから、「言っていることは分かるがそれが簡単にできたら苦労しない」「そんなのキレイごとだ」「業態が違うから自分の会社には合わない」というような言い訳が出てしまうのです。

こうして私の中で、今回のタイトル
 「ディズニーランドは誰にでも作れるが、ディズニーにしか作れない」
という名言?が生まれました。

おわりに

こうして、経営理念と収益の両方に対して「本音と本音の経営」を極めている企業を見つけたことは、私の会社生活に大きな影響を与えました。

Vol.1で、諦め社員になってからも変わらず、経営理念を第一に考えたいと思い続けていることを書きましたが、それができた理由もここにあります。
会社に対する諦め度が無駄に高まっただけ(笑)という見方もできますが、理想の経営像を描きながら働けていることは良いことだと思っています。

ということで、今後の投稿でもディズニーのことはチラホラ登場すると思います。引き続きよろしくお願いいたします。

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