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自分にとっての正しさを求めていく

小さな野心を自分の意思に変えて行動する。

これで納得できるのなら、どんどん行動していくのが自分にとっての正しさだと思う。



Bonjour!

ワーキングホリデーでフランスに来て2ヶ月が経ちました。
現在も引き続き、リヨンにある語学学校に通ってフランス語を勉強しています。

あと一日でこの語学学校も卒業。来週にはリヨンからも離れます。

この2ヶ月を振り返ると、あっという間だったな、という気持ちです。
フランス語を集中的に学んだ2ヶ月間については、また別途まとめたいと思います。

次は南仏の日本食レストランで働く予定です。
いろいろ不安はあるし、リヨンから離れる寂しさがあります。

けれど、ひとまず今の自分が楽しめるように、残り少ないここでの生活を楽しみたいと思います。



ワーホリに来てから、フランスという国について知り、考えてきました。
日本で知るフランスと、フランスで知るフランスの実態は、案の定大きく乖離しています。
日本人的感覚からは想像できないフランスの生活、文化、日常には驚きの連続です。
だからこそ、現地に足を運ぶことの大切さを身にしみて感じます。

さて、フランス人が持つ考え方で、僕がとても好きなものがあります。
それは、「自分の人生を生きる」ことをとても大切にしていること。

突き詰めると、それは「経済至上主義の世の中で、いかにして人間的生活を実現するか」ということだと思っています。

近年は緩和されてきたとはいえ、日本は長時間労働が跋扈している「エコノミックアニマル」(死語)な国。
特に都市部では、生活よりも仕事を優先する、超経済至上主義の日常が今でも繰り広げられています。
業界業種に関わらず、朝から晩まで仕事をし続ける様は、世の中の手本とされてきました。

東京で生まれ育った僕は、学生時代、この長時間労働の実態に違和感を持っておらず、自らもこうなるものだと思って社会人になりました。
しかし、それはあくまで日本の中での常識。世界の常識ではありません。

フランスでは、どんなに経済が発展しようが、仕事よりも生活を優先させます。
長時間労働は一部の人に限られ、長期休みは最低でも1ヶ月は存在し、日曜日はサービス業も含めてほとんどの人が仕事をしていません。

それがフランスでの日常であり「普通」です。
彼らの普通も、僕にとっては知れば知るほど興味深い事実に見えてきます。



そういったフランス文化の根底にあるのは、古来から続く「人間的生活の維持」という考え方だと思います。

たとえば、夏の暑さを例にとってみます。

この夏、僕がいるリヨンは毎日35度を超える猛暑に見舞われました。
湿度こそ高くはないものの、毎日昼も夜もとても暑い日々が続いていました。

でも、いくら暑くてもエアコンは点けられません。
なぜなら、この国にはほとんどエアコンというものが存在しないから。

建物が古すぎて室外機が取り付けられなかったり、人工的な風を嫌がる人が多かったり、理由はそれぞれあります。
でも、地球温暖化の問題がはびこる2024年現在でも、フランスでは扇風機と自然の風だけで夏を乗り切っています。

決して新しいものを否定しているわけではありません。
国民の大半がスマホを持っているし、クレカのタッチ決済はいまやこの国のデファクトスタンダードとなっています。

けれど、新しいものと併存するように、昔から続くものを変えない、という習慣も同時に持っています。

僕はこれを人間的本質を意識しているからだと思っています。
昔の人はエアコンが無くても生活できた。暑いなら涼しいところへ行けば良い。

湿度の低いフランスならではの考えかも知れません。
ただ、涼しいからって外に出ずにずっと部屋にこもらないで、もっと外に出て行こう、という考えが裏にはあると思っています。
夏に1ヶ月程度の休みがあるのも、集中できないからバカンスに行きなさい、というメッセージなのでしょう。

元々、人間は長時間室内で居座る動物ではありません。
二本足歩行を習得したことからもわかる通り、移動することで生活を維持していきました。

移動」というのが、人間のひとつの生物的な特徴です。
フランスの人はいくら夏が暑かろうが、移動によって自らを暑さから守っている。
これはあくまで一つの例ですが、それがフランスに根付く文化になっていると感じました。



国によって「正しさ」が違うのであれば、個人単位ではもっと違います。

僕個人は、自分の考えで行動する、ということがとても大事だと思っています。
同時に、他人に対しても、自分の考えで行動した人をとてもリスペクトしています。

心の奥底にある野心を拾って、脳内で考えあぐねたものを放出する。
この一連の「生み出す」行為はとても貴重だし、尊いものです。

もちろん、それだけが正解ではない、そうしないと失敗。なんてことはありません。
けれど、僕にとってはそれが、生きる上での「正しさ」だと認識しています。

所得、肩書き、学歴、その他いろいろ。そういったものにこだわる人は世の中に多くいます。
そこに一つの憧れを投じ、やる気を生み出して、モチベーション高く目の前の仕事をがんばるのはとても良いことです。

でも同時に、そういった目に見えるものだけにとらわれてしまうのは良くない、とも思います。
そこに本質は存在しないから。

生きていく上での本質とは、とてもわかりづらい目に見えない部分に隠されていると思います。
だから、そこを軽視するとどこかで違和感を感じながら生きていくことになります。

やりたいことを見つけ出して、それに従って行動する。
途中他者からの批判もあるかもしれないけれど、自分の意思に従って行動し続ける。
これがとても大事。

自分に正直に生きていく。
このシンプルな結論は、人間的な生き方だと僕は強く信じています。
だから、自分もそうだし、他者に対してもそう。その生き方をしていくことが大切だと思います。



この1ヶ月ほど、いろんな国にいる日本人とオンラインや対面で話す機会がありました。
オーストラリア、カナダ、イギリス、ベトナム、、、
自分が海外にいると、他の海外にいる日本人ともコンタクトしやすいのは事実です。

改めて、海外にいる日本人は柔軟な考えをもっている人が多いと感じました。
自分でも全く考えたことのない角度からの意見をもらえることがあります。とても嬉しい。

同時に、自分はどんな価値を提供できるのか、と強く考えさせられます。
自分しかできないことってなんだろう。

人と人とが支え合って生きていくのが社会。
だからこそ、働かなきゃいけないし、人のためにできることを積極的にしていく必要があると思います。

仕事ではなく、あくまで自分ができる価値の提供。
そして、人間的生活の実現と、自分にとっての価値提供との両立。

自分にとっての正しさを明確にするために、これからもこのテーマについて考えていきたいと思います。



ワーホリ期間はこの国でできる飲食店などの仕事をしていこうと思っています。
その後、日本に帰った後は本格的に自分の仕事をしていきたい、そう思っています。
あと10ヶ月。長いか短いか。

自分にとっての価値を提供していきたい。
自分にとって納得のいく仕事を見つけていきたい。

世の中の人が思う正しさではなく、自分にとっての正しさを求めていく。
自分が生み出さないと、自分で意見を持たないと、たぶん自分自身が納得しない。

だからこそ、今というこの瞬間を無駄にしないように、これからも考えながら、自分の気持ちに正直になりながら、前を向いて生きていこうと思います。



歴史と文化に彩られ、経済的にも名を上げてきた日本とフランス。
しかし、その日常は大きく異なります。

フランスに憧れる日本人、日本に憧れるフランス人。
僕もその一員ではありますが、その意味が少しだけわかってきたような気がします。

せっかくフランスにいるんだから、仕事よりも生活を優先させて、のんびりとした人生を送りたい。

これからもこのフランス的な考えをリスペクトしながら、自分にとって満足いく人生を送っていきたいです。

まだまだフランスでの生活は続きます。




↓ワーホリのきっかけなどはこちらに書いてます。

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