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デザインとは、なにか。

いつもありがとうございます。店主の平末健人です。
早速ですが、今日は「デザイン」についてお話ししていけたらと思います。

現代において「デザイン」というワードを聞いたことがないって方はあまりいないと思うのですが、実際「デザイナー」と呼ばれる人がどういう仕事をしているのか、ましてや、「デザインの定義は何ですか?」なんて聞かれたら、答えられる人はほとんどいないかもしれません。

そんな知っているようで知らない「デザイン」は、実は私たちの身近なところで生きています。そんな「デザイン」について丁寧に示してくれている今日の参考文献が、こちら。

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今日の参考文献は「デザインのデザイン」(原研哉著)。この本は2003年に出版されたものなんですが、そのデザインに対する向き合い方や解釈の仕方は、今見ても全く衰えていません。むしろデザインが重要視され始めた現代社会にとって、バイブル的な存在になると言っても過言ではないと思います。この著書を一言で表すと、「現代社会の問題をデザインの視点から読み解く本」といったところでしょうか。


さて、店主の感想はさておき、今日はこのような内容でいきたいと思います。

・「無知の知」というデザイン
・デザインの歴史
・「リ・デザイン」
・市場を肥やす(
悲鳴を上げる美意識)
・愛知万博の裏側(叡智の主は誰だ)
・最後に

それでは、今日は「デザイン」について。今日も共に新しい世界を見つけていきましょう。


「無知の知」というデザイン

冒頭でも少し触れたように、今日ではどこもかしこもデザインデザイン言っているけれど、「デザインって結局何なんだ」と思う方は多いと思います。イメージとしては、服を作ったり、絵を描いたり、ポスターを作ったりと言ったところが浮かぶと思います。でも、初めにはっきりと断言します。デザインとは物を作ったり配置したりすることではありません。

例えば、いきなり「コップをデザインしてください」と言われたとします。すると、どんなコップにしようか迷うと思います。

さらに、「コップから皿まで、微妙に深さの違うガラスの容れ物がいくつも目の前に並んでいたら、あなたはどこからがコップでどこまでが皿なのかを区別することはできますか?」と言われたとします。これには明確な答えがなくて、単純には答えが出せません。つまり、”コップは何をもってコップなのか”ということを考えてしまうわけです。

実は、私たちが見ているもののほとんどは、知っているようで知らないことが多い。コップというものの定義がわからなくなるように、自分のことがわからなくなったりすることも、ありますよね。

この”わからない”ということを、当たり前や日常の中から”見つける”という作業こそが、デザインの一番最初の工程であり、その多くを占めています。”知らない”ということを知ること。「無知の知」ですね。

”ものには無数の見方や感じ方があって、それらを意図的に日常の生活やコミュニケーションに振り分けていくことがデザインである”と、原さんは言います。


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