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「続けること」と「積み重ねること」

先日、カジサックさんとDaiGoさんのコラボ動画を見ていたら、話の流れでDaiGoさんがこういった主旨の発言をしました。

『20年間同じ作業を繰り返し続けることを、"20年の積み重ね"とは呼ばない』


それでちょうど最近、こういった『繰り返すこと』と『積み重ねること』の違いみたいなものについて考える記事に、立て続けに出会いました。

1つ目が、ひろゆきさんのインタビュー。


そして2つ目が、米津玄師さんのインタビュー記事です。


まずひろゆきさんの記事では、プログラマーとゴミ収集の仕事をしている人が対比的に描かれていて、前者が『積み重ねの利く仕事』、後者が『積み重ねの利かない仕事』として話されていました。

たぶんここでの『積み重ね』というのは、具体的には『スキルの差別化』が図りやすいかどうか、みたいなことだと思います。

プログラマーはできる人とできない人の差が激しいけど(=できる人になるほど給料がたくさんもらえる)、ゴミ収集の場合はスキルの天井が比較的早めに来ます(=初心者と熟練者の差が可視化されづらい)。

だから記事中での主張としては、ちゃんと積み重ねが利く仕事を選んで、所得を上げていこうというものでした。


次に、米津玄師さんのインタビュー記事では、『積み重ね』という単語は出てきませんが、論点としては割と近いのではと感じました。

以下、記事中からの引用です。

──こうして話を聞くと、どの曲も明確に新しい扉を開けている感じがあります。「Flamingo / TEENAGE RIOT」のときのインタビュー(参照:米津玄師「Flamingo / TEENAGE RIOT」インタビュー)でも「未曾有なことがやりたい」とおっしゃっていましたが、それが自分なりに形になってきている実感はあるんじゃないでしょうか。

それは本当に思います。やっぱりどんどん必要にかられてそうなっているんですよ。エミネムも言っていたけれど、最初は真っ白なキャンバスになんでも描くことができたけれど、音楽を作っていくうちに、キャンバスに余白がなくなって、描く場所がなくなっていく。それってミュージシャンとか、ものを作る人間が誰もが抱える至上の命題だと思うんですけど、それが自分の身にもいよいよ降りかかってきている。いろんな曲を作っていく中で、気を抜くと、それが手癖になったり、流れ作業的なものになったりしてしまう。どうすればそこから抜け出すことができるのかという必要にかられるわけですよね。


米津さんは、どういった職業かとか、積み重ねとかっていう話は一旦抜きにして、『余白がなくなっていく』という表現で、油断したときに単に『続けいてる』だけの状態になってしまうことの危険性について語っています。

だから主旨のざっくりとした方向性としては、やっぱりDaiGoさんやひろゆきさんと同じで、『ずっと同じことをやり続けるなかでも、少しずつ幅を拡張していく』ことの大事さを訴えています。

本記事中のインタビュアーさんの表現を借りるなら、『新しい扉を開ける』ですね。


これ、めちゃくちゃ重要なことだと思います。

例えばぼく自身の話でいうと、今回は構成をこんなふうに変えてみようとか、こんな書き出しでやってみようとか、一見『文章を書く』という行為をずっと続けているように見えて、少しずつ引き出しを増やしていくことは意識的にやっていかないとなと、今回の一連の動画や記事を見て、改めて感じました。


ただ。

その一方で、やっぱり『続ける』ことの偉大さも、頭の片隅に置いておきたいなという自分もいます。

たとえば、アーティストの方で、10年前や20年前にリリースして、いまだに歌い継がれている大ヒットソングがあるとします。

そうすると、なつかしの歌特集みたいなときの番組だったり、ライブだったりでは、10年経っても20年経っても、その大ヒットソングを歌うことを求められるわけです。


以前、どこかで『”飽き”を超えて”定番”になるためには、本人が一番飽きずにやり続けることが大切だ』という話を聞いたことがあります。

ぼくらはある特番で聞いた1回だけで、『この人この歌ばっかり歌ってるなー』と思うかもしれませんが、歌う本人は、違う特番でも歌っているし、ライブでも歌っているし、その大ヒットソングを世界で一番聞いているのは、歌っている本人なのです。

言い換えれば、その大ヒットソングの飽きに一番近いところにいるのは、歌っている本人です。


でも、そこで飽きずに歌い続けるからこそ、どこかのタイミングで『定番』の仲間入りをします。

そのフェーズに入れば、どれだけ歌おうがどれだけ聞かれようが、『飽きられる』という状態にはなりにくいです。

いま『栄光の架橋』だったり『世界に一つだけの花』だったりを聞いて、『もう飽きたわ!』と言う人って、たぶんそんなにいないですよね。

それはこれらの曲が、単なる流行ソングではなく、定番に格が変わったからです。

だから、あえて『変えずに』『続ける』ことも大事だなーと、一方では思います。

単に続けることは、時間を積み重ねること、とも言えると思うので。


まとめると、結局は『目的次第』みたいな、あいまいな感じになってしまうんですが..........

その目的は、たとえば自分のスキルを磨くことなのか、お金を稼ぐことなのか、ブランドを作ることなのか、あとは一番守りたいものはなんなのか、などなど。


どっちにもそれぞれの効用はあると思うので、目的に応じてうまく使い分けていきたいなーと思いました。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!