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「自社ブランドは広告」と「海外出店は福利厚生」という話
先日、とある経営コンサルタントの方が話していて面白いなーと思ったことがありまして、
新しく就任した2代目社長が「下請けから脱却して自社ブランドだ!」は、数ある業界のなかで特に製造業あるあるだけど、いままでその発想がなかったんじゃなくて、やりたいけど単に成功する確率がすこぶる低いから、やってなかっただけ。
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) August 22, 2019
っていうきょう聞いた話は、なかなか納得度が高かった。
実際、9割以上の自社ブランドは失敗する。ただ、仮にその自社商品自体でマネタイズできなくても、その自社商品を見たメーカーが新しく下請けの発注をしてくれて、結果ポートフォリオが安定するっていうことは割とあるらしいから、それだけでも自社ブランドに取り組む意義はあるっていう話は面白かった
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) August 22, 2019
『自社ブランドを広告代わりに活用する』っていう観点、ありそうで明確には意識してなかったなーと思いました。
『下請けや受託ではなく、自社ブランドだ!』っていう話は、巷にあふれまくってます。
そこまでは、言っちゃなんですが誰でも思いつきます。
でも、誰でも思いつくからこそレッドオーシャンなわけで、というかできるなら誰だって自社ブランドやりたいだろうし、それが難しいから受託(ここらへんの表現は難しいんですが)をやってる人が大半なんじゃないかと思います。
もちろん、クライアントワークが好きで積極的にそちらのタイプの事業比率が大きい会社や人もいるとは思いますが。
ちょっと脱線しましたが、つまり、ほとんどの自社ブランドは失敗します。
じゃあ、やっぱり自社ブランドは一部のセンスある人にしか許されない神の領域なのかといえばそうではないというのが、ぼくが面白いなと思ったところです。
自社ブランドを『広告』として捉えれば、たとえそれ自体で採算が取れなくても、会社全体としては前に進んでいると考えることができます。
実際、その経営コンサルタントの方によるとそういった形で自社ブランドが企業の経営にプラスになっている例も多いと言ってましたし、そう言われてみれば、ぼくが先日イベントに参加した『EVERY DENIM』も、理屈は同じでした。
『EVERY DENIM』の場合は、EVERY DENIMを立ち上げたお二人が、製造の際に岡山の職人さんたちの力を借りることによって、他のブランドがその職人さんたちに仕事を発注するという流れができつつあるそうです。
『広告』っていうと、ついついTVCMとか町中の看板とかをイメージしてしまいがちですが、考え方次第によっては、いろんなものを『企業の存在とスキルをアピールする機会』にできるなと感じました。
それで、この考え方は『広告費』だけじゃなくて、他の名目でも同じだなと気づきました。
きのうちょうど、下の記事を読んだんですが、、、
>富士そばでは絶対に「成果主義」を採用しない理由
そのなかで、『海外出店は福利厚生』というニュアンスの箇所がありました。
厳密に言うと、そこまでハッキリとは断言していないんですが、『すぐに採算が合うものとは思っていないが、それも社員の福利厚生と考えれば問題ないと思っている』とコメントしています。
というのも、富士そばは海外にも出店してるんですが、材料費などの問題で、おそらく現時点では採算が合ってないのかなと思います。
しかし、
海外出店することによって、海外で働きたい社員の受け皿を作ることができたり、英語が得意な社員の新しい活躍の場所になると考えれば、現時点では赤字でも良いということです。
ぶっちゃけ、『自社ブランドは広告』という話は、とっても目新しいというものではないですが、こっちの海外出店を福利厚生と捉えるという考え方は、初めて聞きました。
『社員を応援したい!』と本気で思っているからこそ出てきた言葉だと思うので、本当にすごいです。
ということで、きょう思ったのは、広告費とか福利厚生とかって名目は、あくまでも外向けのものだなということ。
世の中とか銀行とか投資家とかに理解してもらいやすくするための便宜上の表現です。
実際に事業を行う際には、『会社の事業全体に寄与することはなにか』『この会社で大切にしたいことはなにか』といった根幹を考えて、外向けの都合のよい名目にとらわれない、柔軟な発想が大事になるなと思いました!
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