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「インスタ映え」で終わらせない地方創生について考える

ぼくの通う関西学院大学では、今日11月1日から学祭だ。

それに伴って1週間ほど授業がないので、ぼくは学祭へは行かず、地方へと羽根を伸ばしに来ている。

2年生の学祭のときは熊本・福岡へと足を運んだが、今年は島根に来ている。

松江までくると、さすがに郊外だなって感じだけど、兵庫から島根へ移動する最中は、なんとも田舎な風景だった。

とにかく、山と田んぼと川しかない。あとは、点在する民家。

ぼくが去年1年間住んでいた東京や、いま住んでいる兵庫の実家ではなかなかお目にかかれない光景なので、ローカルの電車に乗って窓の外を眺めながら、すごく心が癒やされた。


「地方創生」などという言葉が叫ばれて久しい。

この言葉を「観光客にいっぱい来てもらう」という狭義の意味でとらえたとき、「自然の風景×インスタ映え」の組み合わせは、最近よくあるように思う。

具体例として、最近のニュースをひとつだけ挙げておこう。

神奈川は地方ではないけれど、まあこんな感じで、だいたいの地方がもっている資産の「自然」を活用しつつ、昨今のインスタブームに乗っかって、なんとかひとに来てもらおうと試行錯誤している。

ただ、ぼく自身、今日ものすごく目の保養になった木々を眺めながら、もう一捻りがいるなと思った。

まず第一に、「写真を撮ること」は、そんなに時間を取らない。つまり、時間をつぶせない。

やっとの思いで山奥のインスタばえスポットにたどり着いたはいいけれど、5分くらいしたら、もういいやみたいな感じで、目的を果たしてしまう。

インスタに載せる写真が撮れたから、それで満足!というひともいるかもしれないけれど、交通の便が悪いところまで、せっかく来たのだから、どうせならもう少しなにかを堪能したい。

次に、いまの時代、だいたいのインスタ映えスポットは、既にインスタグラムなり、グーグル画像にアップされている。つまり、せっかく手間と時間をかけて渾身の写真を撮影しても、その画像はもう、二番煎じでしかない。そんなパクリ行為ではなく、どうせなら、もっとオリジナルな体験をしたい。

最後に、これは観光地側の見方だけど、インスタ映えスポットだけでは、来てくれたひとにお金を落としてもらいづらい。

もちろん、それを目的に来てくれることによって、宿代やお土産代が落ちるだろうし、入山料などで直接取るやり方もあるけれど、どうせなら、直接、かつもう少し単価を上げたい。

来てもらったひとに、どうすればより「時間」「お金」をかけてもらい、「満足度」を高めてもらえるかなと、なかなか来ない乗り換えの電車を待ちながら考えていた。

とりあえず思ったのは、「視覚」以外の五感に訴えかけるコンテンツが、必要だなということだ。

いまのただ佇んでるだけの自然では、視覚しか刺激させられない。

つまり、「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」

複数の感覚機能にゆさぶりをかけることによって、その土地での体験が、かけがえのないものになるんじゃないかと思う。

たとえば、『ダイニングアウト』という、数日間だけ開催される野外レストランがある。

これは、日本のその土地の食材やシェフと、海外の超一流のシェフがタッグを組んで、期間限定の野外レストランを開くという試みだ。

たしか、ひとり数万円以上の単価だった気がする。

ここでは、「野外レストラン」での体験を通じて、視覚だけでなく、味覚や嗅覚を刺激している。

つぎに、『森の映画祭』というものがある。

これは、屋外で複数の映画を上映するというイベントだ。

単価は、ひとりでだいたい1万円前後のようである。

ここでは、「屋外映画」での体験を通じて、聴覚や視覚でも楽しむことができる。

最後は、『チームラボ』の作品は毎回すごい。

よくメディアにも取り上げられてるので、知ってるひとも多いと思う。

チームラボの作品は、参加型作品というか、ぼくたちがその場を訪れることによって完成する作品が多い。

ぼくたちがなにかに触って、なにかが反応して、とてもきれいな作品ができあがる、といった感じだ。まさに「触覚」。

チームラボに関しては、地方よりも東京などの都会で開催してるイメージが強いので、地方の自然豊かなというのは少しズレるかもしれないけれど、こんな感じのアート作品が自然のなかで展開されてても面白そう。

最後は若干強引になってしまったけれど、とにもかくにも、大事なのは「複数の感覚機能」に訴えかけるコンテンツを用意するということ。


ぼくも残りの島根旅のなかで、もっとここらへんの思考を深めたいと思う。

ぼくは、別に観光の専門とかそういうわけではまったくないので、そこらへんの考察の甘さは多めに見てください。。


★大学での専攻は社会心理学です


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