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【図解】人のモチベーションの上げ下げが起こる仕組みを自分なりに解説する

仕事しながらふと昔のファイルを漁ってたら、2年半くらい前、まだ人事の仕事に関わる前につくった懐かしい資料がでてきたので発掘記念に一部を開示しながら記事にすることにした。

モチベーションは認識×感情で動く

色々説明が面倒くさいので、基本的には人のモチベーションは「自分の置かれている環境に対する認識」×「自分の周りで起きた出来事に対する感情の揺れ動き」の2つの変数によって日々変動するもの、ということをまず前提においてしまうことにする。

例を挙げる。

環境に対する自分の認識:
・自分はどうもこのチームに快く受け入れられていなさそうだ
・上司は私にさほど興味もないし気にかけられてもいないだろう

自分の周りで何が起きたか
・自分が苦心して作成して提出したレポートについて、上司を含む誰からも何のフィードバックも得られなかった

仮にある人がこんな感じだったとしよう。この人がこの出来事を通じてどういう反応を示すかを想像すると、間違いなく変化のベクトルとしては

1.この出来事を通じて残念な気分になる
2.環境に対する認識がさらにネガティブな方向に形成される

となるだろう。ここでまず重要なのは「1だけじゃなく2の作用もある」ということだ。ドラクエに例えれば、

「敵から攻撃をうけると守備力が下がってHPも減る」

のようなものだと思えばいい。単に攻撃されたらHPが減る、回復したらHPが戻る、ことに比べていっそう忙しいのがわかるだろう。攻撃とルカニを同時に食らったら回復とスカラを同時にかけなければ元に戻れないのだ。

HPはモチベーションであり、守備力はある意味「ネガティブな出来事に対する心理的耐性」のようなもの。

ここでいう攻撃を受ける、というのは「その人にとってネガティブな体験をすること」のたとえであり、そういう意味では回復呪文をかけるというのは「その人にとってポジティブな体験をすること」になるだろう。

砕けて言えば、

嫌なことがあるとモチベーションが下がる

じゃなくて

嫌なことがあるとモチベーションが下がる上に今後何かちょっとしたことがあるだけでも更にモチベーションが悪化しやすくなる(その逆も然り)。

というような感じ。図にすればこういう感じだろう。


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このような原理に基づき、日々の出来事によって、直線的ではなく二次関数的にモチベーションは揺れ動くということをまず念頭に入れておこう。

※この辺の表現は半分くらいこれに書いてあることの受け売りのはず


起きた出来事は1つでも100人いれば100通りの揺れ動きがある、ひとくくりにはできない

100人の人がいたとして、ある出来事に対して全員が全く同じような捉え方をすることはまずないだろう。例えば「ある新人が入社半年でマネージャーに昇格した」ことを想像してみるとわかりやすいが、

・なんであんな新参者をマネージャーにするんだよ
・同期入社の人がマネージャーになってくれて嬉しい
・あの人苦手だから正直嫌だなぁ
・マネージャーは古株ばかりだったから新鮮で面白い
・あいつより自分のほうが仕事ができるのに納得いかない
・ああいう人がマネージャーになってほしいと思っていた

このように色々な揺れ動きがあるだろう。それぞれによって環境認識がどう変化するかも当然異なる。

このように、ある出来事の受け取り方は個々人のその時点での環境認識の具合だったり、生まれ育ったバックグラウンド、そこから形成された個人の価値観のようなものによってまったく違ってくるものだ。

だからちゃんと個々人に対する理解やお互いの信頼関係のような積み重ねがない状態で、ロジックとか正論だけで他人をモチベートし続けるのはまず無理だろう。多くのマネージャーがピープルマネジメントで苦労するのって理屈とか方法論のところ以上にこういうところでないのかなと思う。


図2
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環境変化の直後はちょっとしたことで認識ブレブレになるので基本は手厚くいく

さらに、その振れ幅がもっとも大きいのはいつか?といえば間違いなく「入社直後」だ。あるいは「異動直後」とか「上司が変わった直後」など大きな変化があった場合だろう。

なぜかというと環境に対する認識がじゅうぶんに形成されておらず、そもそもの地盤が柔らかく少しの出来事でも振れ幅が大きくなりやすいため。

そういうフェーズでは、上司やメンターをはじめ、周囲が積極的に回復呪文をとなえるようにしておき、心理的耐性を上げつつ本人の仕事に対する集中力が自然と高まる状態を作っておくのが無難だろう。

図3
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いわゆる「オンボーディング」として語られるような環境適応支援の取り組みによってこの初期耐性ゼロ認識ブレブレ問題にちゃんと対処しておくべし、というのが最近のトレンドになっていると思う。


環境適応が済んだあとはモチベーションそのものには焦点を当てずその人の個性と仕事に焦点を当てる

一定の環境適応が済んだあと、ドラクエでいえば一定以上のレベルがあがってHPも耐性も強化されたのち、はそうそうちょっとした出来事ひとつで劇的に認識変動が起こることは少なくなるため、考えることはシンプルになる。

・本人の好き嫌いや個性を認めて受け入れること
・目標達成をサポートしてそれを評価すること

このくらいで基本的なモチベーションコントロールはじゅうぶんになる。もうちょっと細かく切り分ければこんなものだ。

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こういうのがちゃんとできていれば、余計なモチベーション対策など考えなくても、ちゃんとみんなが仕事で結果出すことに集中してくれる、顧客やユーザーにどんな価値を提供するかを一生懸命考えてくれるようになる。

それをある種の理想状態だとすれば、社内の人間関係とか自分の評価・待遇とかばかりに気を取られて顧客やユーザーに関係ないところにみんながマインドシェアを奪われてる状態というのがその対極であり、言ってしまえば不健全な組織状態の典型とも言えるだろう。


まとめ

モチベーションを気にするという名目で単に部下の顔色をうかがったマネジメントをしていると要潤に怒られてしまうので、「ただ仕事をちゃんとやっているだけでみんなの健全なモチベーションが維持される」ような環境を用意できるように頑張りましょう。

終わり

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ナイル株式会社 取締役 社長室室長。現在100名ほどのベンチャー企業の人事責任者。このnoteでは主に人や組織、マネジメントなど仕事に関わることについて不定期で更新します。
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