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映画カウンセリング、を読んだ。

今年は読書に加えて、映画を本気で観てみたい。というわけで、ライムスター宇多丸の「映画カウンセリング」を読んだ。

実は以前に図書館でお借りして拝読したことがあるが、急に思い立って読み返したくなり今更ジロー(古いっ!)で購入。記録を確認したら2017年に読んでいた。もう4年前なのか...当時39歳ってことに驚く。

で、当時の読んだ自分の感想を引っ張りだしてみると、

相談者のお題(悩み事)に応じた作品紹介をする内容なのだけど、その前段の彼の説法が実に堪らない。とにかく「伝わりやすい」ことこの上なし。間違いなく2017上半期ベスト3に入る(入れさせていただきます!)名著!地頭の良さは言うまでも無いんだけど、とにかくインプットされるものの質量ともに半端ないんだろうね。彼の映画好きは昔から存じ上げていて、ヒップホップ雑誌「フロント」で荏開津さんと中古ビデオ屋でdigる特集とか今読み直しても最高。彼は教育者としても適性が相当高いと思うので是非教鞭をとって欲しい。というわけで図書館^_^本から購入本とさせていただきます!

そう、伝説のヒップホップ雑誌「FRONT」を毎号欠かさず購入していた楽しみは、宇多丸さん(a.k.a. MC SHIRO)のコラム「B-BOYIZM」と、カメラマン前原猛さんのコラム「田舎の大物」を読むためでもあった。

当時は、今のような文章や執筆に対しての興味はほぼ皆無だったが、それでも彼らのコラムを読んでいて「すごい、すごい」と興奮していたのは覚えている。

特に宇多丸さんの圧倒的なインプットから生まれる、絶対的な説得力というか、「特定のジャンルで語れるかっこよさ」は村上隆のそれよりも早く、ヤングトラウマになっていたのかもしれない。

本著に話題を戻すと、読者のお悩みに映画のレコメンで応えるというもの。

自分もアホみたいに読書の量はこなすので、時として「何かオススメありますか?」という漠然とし過ぎる質問を受けることがママあるのだが、宇多丸さんもこの手の相談(依頼)には毎度頭を悩ませてしまうという。

ほぼ初見に近い趣味嗜好も異なる人に、「自分はこれが面白かった(だからオススメします)」と無責任には言えない、ということらしい。これは言い得て妙、しかし納得である。また最大の懸念として、以下のような問題があるようだ。

ジャンルを問わずビギナーは有識者による最大公約数的オススメの集積を最初の入り口にすべきではない(それに対して仮に拒絶を感じてしまうとそのジャンル全体に対してネガティヴな印象が刷り込まれる懸念がある)

結局は、私は私であって、アナタではない。アナタはアナタであって、私ではない。という当たり前な摂理が、ここにも存在するということである。

とはいえ、少なくとも自分の場合は遡ること25年前から彼(=佐々木士郎)と、彼のアウトプットを知っているわけで、そんな彼が被爆してきた映画は何か?については物凄く興味がある。

つまり、彼が辿った道を自分もできるだけ忠実に辿りたい、そしてその先に見える景色を見てみたい。かような欲求がある。これは我らの角幡唯介さんに対しても同様の事象が起きており、それは彼が読んだ著作を片っ端から読み漁る、という行為に通底する。

またしても脱線してしまったが、かねてから映画鑑賞には読書以上の魅力を感じており、映画に詳しい人=ものすごく知的な文化人という、ある種の刷り込みが内在していることを予め告白しておく。そう、軽微な権威主義かもしれない。

例の如く、「映画に詳しいってどういうこと?」を昨日から自己分析しており、そんな近況を昼食時に奥様(あえて敬称)にお伝えしたら、ちょっとウザがられたというか、面倒くさそうな表情が彼女から見てとれたので途端に口をつむぐ自分がいた(汗)。

四年前にInstagramで投稿していた書評らしきものを貼り付けておきます。こんなにネタバレして怒られないのかなと心配になってきた。

どこかで好きなことを存分に喋りたおしたいんだけど、そういう場所ないのかな?w


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読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。