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BUMP OF CHICKEN aurora arkツアー映像化に寄せて

ツアー映像を視聴し、aurora arkツアーはついに1年越しで完結した。
「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME」のDVDがリリース。11月4日からNetflixで配信されるので、あと1日待てばわざわざ買いに行くことなく観られるのに、先行予約して発売予定日前の入荷情報を得て、新宿のタワーレコードまで足を運ぶ。一刻も早く映像を観て、あの感動をもう一度味わいたい。それほど強い衝撃を得たライブだった。

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2019年のaurora arkツアーは、すべてが素晴らしかった。11月4日のツアー最終日、運よく僕はチケットを譲ってくれる人を当日朝にSNSで見付け、現地でライブに参戦する資格を手に入れたのだった。

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今回視聴したライブ映像、これはまさにあの日のツアーそのものだった。
「aurora arc」が流れてバックステージのメンバーがビジョンに映し出された瞬間、早くも感情が大きく揺さぶられ、淵までなみなみと液体を満たされたコップのように、わずかな波でも何かが一気に零れ落ちてしまいそうだった。
「Aurora」はイントロが始まった瞬間に、そのコップはいとも簡単にあふれて涙が出たし、「もうきっと多分大丈夫 どこが痛いか分かったからね」という藤くんの歌い出しが優しすぎて泣いた。ただただ圧倒され、すべてを漏らさぬよう、この目に、この耳に、この胸に刻まれるよう、ひたすら祈るように聴いていた。

ライブ映像では、すべての楽曲が余すところなく収められ、遠目では分からなかったメンバー同士のアイコンタクトや表情を含め、照明、演出、観客の興奮まで空気感が変わらずそこにある。炎の演出では、あの日感じたその熱までがこちらに届くように感じられる。

演奏中、彼ら4人で円陣を組むような隊形で、観客に背を向ける瞬間が何度もある。普通のバンドならどこか不誠実に思えるような演奏スタイルも、BUMP OF CHICKENの場合は全く嫌味に感じない。むしろ、本当にお互いを信頼し合って楽しみながら演奏していることが伝わって、その姿を観られることそのものが楽しい。

ツアー最終日ということもあって、ライブが終わってしまうことに対する藤くんの寂しさや切なさが曲を追うごとに伝わってくる。それは僕自身もそうだったし、周りの観客も同じだったと思う。
アンコール曲の最初が「バイバイ、サンキュー」。観客への感謝とまた会おうぜという彼らからのメッセージと受け取った。そしてアンコール2曲目の前に演奏を始めるのをためらって、「イントロが始まったら終わってしまう」とか、聞いている方が泣けてくる。そこから始まるのがバンド最初のオリジナル曲である「ガラスのブルース」。この展開が神がかっている。

あの日は、時間がどうかこれ以上進まないよう、すべてのタイミングで祈っていた。

ライブ映像では、MCがカットされることが多い。今回も、一部のMCはカットされていた。だが、すべての楽曲が鳴らされたあとのアンコールで、僕がどうしてももう一度聞きたかった場面、ボーカルの藤くんが語る「魔法みたいな夜だった」から始まる一連のフレーズは、果たして、ライブ映像に無事収められていた。それどころか、あのライブの象徴として、映像の冒頭に一部が収められていた。ああ、すげえよ、この編集。ありがとうありがとう。
熱く熱く、一つひとつが胸を震わせる彼の言葉には、あの日も泣いたし、映像で見た今回も泣いた。

あのライブ以降、彼らは新曲の製作期間に入ったこともあり、2020年9月10日にライブDVD発売情報が発表されるまでは、新しい情報がなかなか出てこなくなった。あれから1年の時を経て、aurora arkツアーはついに完結する。このことは、嬉しくもあり切なくもある。
それでも、あの奇跡の夜がついに映像化されたことを素直に喜ぼう。僕らは、いつでもあの夜を思い出せる。あの日歌った歌を未来の自分に向けて届けられるのだ。

2020年11月4日から、Netflixであのライブ映像が配信される。必見。

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