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『論語と算盤』考察

 おばんでがすー(朝読んでいる方は、おはようござりすー)。
 
 次の一万円札、渋沢栄一の代表的な本『論語と算盤』、僕が気になったところを中心に考察していきます。

「論語と算盤」の意味

 まずは、タイトルの論語と算盤について。

論語とは、一言で言えば道徳。
算盤は、一言で言えば経済活動を指します。

 この2つは、元来相容れないとされてきました。
 「本当に儲けるなら、少しくらい悪いことをしなければならない」、「きれいごとだけでは儲けることができない」などどいったやつです。

 道徳と経済活動(今後は噛み砕いて儲けと表現していきます)は対立軸である。いわば、「論語か算盤 」 orの関係です。

 あなたはどうお考えですか?悪いことしないと儲からない、って本気で思っているでしょうか。

 このような考え方を根底から覆し、ビジネスで大成功を収めたのが、
明治時代の実業家で、日本経済の父と言われる渋沢栄一です。

渋沢栄一は、
道徳と儲けは一致する。一致させなければならない。この2つによることで、長く繁栄することができる。
という趣旨のことを言っています。

これこそ「論語と算盤」で、orでなく、andの関係だと言っています。

富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。
正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。

『論語と算盤』 処世と信条−論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの


「論語」と「算盤」は対立構造か?


 現代でもそうですが、人は、白か黒か、右か左かなど、物事を対立させて「or」で説明することを好みます。実際、対立させた方がわかりやすいですもんね。

 道徳と儲けも、一見すると、わかりやすい対立構造のように見えます。

 しかし、本当の繁栄は、この2つを両立させることだと、渋沢栄一は言います。正しい考え方に基づいて、正しい商売をし、適正に儲ける、ということです。

 たしかに、この考え方が広まれば、だましやごまかしで不正に儲ける必要がなくなります。

 しかし、そんなことが可能でしょうか?

 実際、渋沢栄一本人が説いた明治〜大正時代ですら、この論語と算盤が完全に定着するには至りませんでした。

 ひるがえって現代。

 金儲けが全て みたいな価値観の人は減ってきたように思います。これは価値観の変化でしょうか。
 でも、ネットビジネスや、半分ギャンブルみたいな金融市場など、一般の人が甘い?話に乗る機会は増えています。
 一方、金儲けに対してネガティブなイメージがある人がまだまだ多いです。やっぱり、「論語or算盤」と考える人が、圧倒的に多いのではないでしょうか。


「論語」と「算盤」が世の中を良くする


 僕個人としては、渋沢栄一の言う通り、「論語and算盤」が、これからの世の中を良くする処方箋だと信じています。

 なぜか。
 繰り返しになりますが、騙し、ごまかしのない商売ばかりになるのは、本当に良いことだと思うからです。
 本当に良いものを、不要な値引きなどをしないで堂々と売る。お客さんもそれを喜んで買う。売る側も良し、買う側も良し。まわりまわって世の中が良くなるので、まさに三方よしというやつです。

 将来に対する不安から、蓄財に目が行くのはわかりますが、それだけでは経済が回らない。正しい考え方に基づいて、どんどん売る、どんどん買うことが必要じゃないかな、と思います。


 数年後から嫌というほど目にする機会が増える(キャッシュレスが進むとそうでもないか?)渋沢栄一の肖像。

 この機会に、渋沢栄一の思想と行動を読み解き、現代のビジネスに活用していきたいと思います。

 

 んでまず。おみょうぬづ(それでは、また明日)。

 

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参考文献

↓『論語と算盤』はAudibleでも聴けます。Audible初めて使う方は、最初の1冊無料なので、聴いてみてください。
Kindle Unlimitedでも読めます(2021年9月時点)

↓初心者向け?現代語訳

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