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オジさんでも分かるWEB3.0解説「WEB3.0って何が良いのか分からない?」

恥ずかしながらNFT・DAOって最近良く聞くし概念的には理解できるが、こんなに多くの人が熱狂する理由がいまいちピンと来ていませんでした。自分でも知らず知らずにオジさん化が進んで新しい概念を理解しようという気と努力が足りていないと反省し、改めてブロックチェーン技術をベースとしたWEB3.0と呼ばれる世界観を学んでいこうと思っています。ただ学ぶだけだと面白くないので、私のように気がついたら新しい技術を何となく分かった気になっただけの世代が、NFT/DAOを面白いと思ってもらえるよう文章に残していきたいと思います。
注釈)尚、どこまで続くか分かりませんし、私も勉強しながらアウトプットとして文章に残しているため間違い・勘違いなどあるかもしれませんが、どうぞご容赦ください。

第1回ですので簡単に自己紹介をさせてください。筆者(2022年現在38歳)は、理系大学院の修士課程(科学修士)を卒業し、アクセンチュア株式会社の戦略グループで働いた後、オーストラリアを拠点に教育業界(英語教育・留学)の株式会社ワールドアベニューの代表取締役をしています。また、日系企業を中心に経営コンサルタントとしても活動しています。主にAI(機械学習)に関連する仕事にも注力してきました。10数年前までは学術ベースだった機械学習がビジネスで日の目を見るのは感慨深いと思いつつ、次の技術とは?を日々模索しています。
詳しい経歴はLinkedinで見てくださいね。

WEB3.0ってぶっちゃけ何やねん。

僕の最初の疑問はこれです。正直、WEB3.0の定義を正確に知っている人の方が少ないんじゃないでしょうか。(そんなこと無いわって方、すみません)正直、今ってWEB2.0と言うんだ・・・レベルです。

ぶっちゃけ何やねんの答えは、”自分もサービス内に権限と権利を持てるWEBサービスの在り方”だと思っています。

世の中で一般的に言われているWEB1.0・WEB2.0・WEB3.0についても以下の通り整理してみました。

WEB1.0~3.0の定義

WEB1.0:個別のIT企業が提供するサービス(個別のサーバーの世界)
WEB2.0:プラットフォームが提供するサービス(クラウドの世界)
WEB3.0:個々人が権利を持ち特定企業を通さず直接繋がる世界(ブロックチェーンの世界)

Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会(第1回)の資料中にも定義がありました。(かえがえさんありがとうございます。)

出典:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/metaverse/01_siryou.html

僕の初見としては、確かにWEB3.0の定義は世の中で言われている通りになるかもしれないが、一つの可能性にしか過ぎず、他の定義が正解になるかもしれないと感じつつ、WEB2.0における特定プラットフォーマーが強大な権限と利権を握っている構造へのアンチテーゼが現状のWEB3.0に求められているようです。

2022年現在はSNS全盛期でInstagram,Twitter,Youtube,Ticktokなどユーザーが自分の著作物をアップロードして楽しんでいる、そして収益を得ている人達も多い。ただ、大きな問題はプラットフォーマーが上位表示のアルゴリズムを変更したり、突然アカウント停止やBAN(削除)する権限を持っている。最近の事例だと暴露系のガーシーがYoutubeチャンネルを作っては消されを繰り返されている。Twitterならトランプ元米大統領がアカウント停止処分になったりと枚挙にいとまがない。これがWEB2.0の問題点と捉えているのがWEB3.0なのかもしれない。

WEB3.0を実現させるためのキーワードとして、分散型自立組織 Decentralized Autonomous Organization : DAO と、非代償性トークン Non-Fungible Token:NFTがある。NFTは暗号資産(仮想通貨)ブロックチェーン技術の一つと捉えて良い。技術的な順番はブロックチェーン→NFT→DAOだが、実現の発想はDAO→NFT→ブロックチェーンだと個人的には理解しています。

細かい説明は後述するとして、WEB3.0は個々人が権利を持つ組織体系(共生関係)を作り上げる。その権利をNFTで保証する。NFTはブロックチェーンなので中央集権的なシステムを必要としない。というのが理解しやすい話かと思います。

WEB3.0の世界線で既存のサービスはどうなる?

Youtubeのようなサービスで実現可能だろうか?

WEB3.0の概念でYoutubeのようなビジネスモデルは成立するのか?それがシンプルな僕の疑問だった。まずビジネスにはシステムの構築・ユーザーの確保(マーケティング)・コンテンツの生成・エコシステムの形成・コストの負担が必要となる。WEB2.0までの世界であれば、開発企業が市場や銀行から資金を調達してコンテンツの生成以外の全てをやっている。だから利益の大半を取る権利があるというのが主張だろう。コンテンツ生成をするユーザーに全体から見れば少しのお金しか還元しないのは彼らの初期投資と取ったリスクが巨大だからだ。*Youtubeは2005年設立でGoogle買収4年後の2010年にようやく黒字化されたとされる。サーバーの月間コストだけで100万米ドルと言われただけに相当な資本が投下された。

WEB3.0下で同様のサービスを開始するなら、まず開発の段階は初期開発者・初期投資家によって権利がNFTによって配分されるだろう。または、ICO(Initial Coin Offering)を行い資金を調達することが考えられる。サービスのマーケティングや全体を管理する業務担当者は、サービスローンチが近づいたタイミングでJoinするかもしれない。サービスローンチ後のユーザーは、動画を投稿する貢献度に応じた報酬をNFTによって受け取るだろう。Youtubeなら収益を再生回数に応じて支払われているが、Alphabetの株を配分されるようになるとイメージした方がいいかもしれない。参加者はコンテンツを提供するだけでなく、サービス全体の所有権を一部もつのでサービスへの発言権を有する。アカウント停止や収益の配分などの協議にも参加できるかもしれない。

一見バラ色に見えるが、コストの負担は誰がするのか?有力な発言者が変な方向に行く可能性がないのか?村八分の再来?等、課題は多そうに感じる。中央集権的ではない事が裏目にでる可能性もある。民主的な意思決定が最善ではない可能性もあり、中央集権的なサービスと戦って負ける可能性すらある。まるで現代の民主主義国家と独裁国家との戦いを見ている感じもする。

WEB3.0時代の繁栄するゲームとは?

ゲームをしながら稼げる。こんな夢みたいな事があるだろうか?僕も幼少時代からゲームにどっぷりハマった世代なので、ゲームで生計を立てていけるなら素晴らしいことだと思っている。現代でも競技ゲームがスタートしてプロゲーマーが収益を得られるようになったが、一般のゲームユーザーが稼げているわけではない。一般のゲームユーザーのマネタイズとしてはゲーム実況チャンネルが主だろう。

仮想通貨ブームで仮想通貨が獲得できるゲームもあるようだが、稼働しているゲームで感じたのは、参加費を払う必要があったりゲーム内で単純作業の労働をさせるような感じを受けた。現時点でDAOを達成できているゲームはあるのだろうか?この点についてはもっと調査し深堀りしてきたいと思っているが、下調べをしない状態のでの成功するWEB3.0型ゲームを考えてみたい。

ゲームデザイナー・ゲームマスターは最小限のゲームセットを用意する存在が理想的で、参加するユーザーは自らゲームコンテンツの拡充に貢献する立場が求めれるのではないか。具体的には新たなシナリオの作成、NPCキャラのデザイン、アイテムデザイン、難易度調整、テスターなど色んな仕事が考えられる。クリエィティブな作業を全員で分担するのだ。現在でも有志でのMOD制作など同じゲームでもユーザーが改変を加えて楽しむ文化がある。ゲーム内で開発したアイテムやシナリオ分をNFTとして所有しながら、参加者全員でゲームを面白く作り上げていくのだ。このような発想は実験的に様々なゲーム開発会社が取り組んでいるようにも感じるし、WEB3.0の先取りになる気がします。

既存のゲーム会社がもつIP(知的財産)を活用しWEB3.0化させれば、急速に発展することも考えられる。例えばドラゴンクエスト1を開放し、基本的なゲームシステムは踏襲しながら新たなシナリオをユーザーが作成可能にするのはどうだろうか。ゲームシステムはシンプルだし、RPGツクールを遊んでいたユーザーなら容易に参加可能だろう。個人ユーザーが参加するだけでなくチームで分担して分量のある追加シナリオを作るのも有りだ。ゲームコンテンツを作る→NFTで所有権と報酬を得るの仕組みは、ほぼ永続的にゲームが発展するキッカケになるだろう。

ゲーム開発費は指数的に増加してしまっている。この流れを止めるのは自社で全ての開発費を工面し、チームを組成し、テストをするという従来の在り方を変える必要がある。面白いゲームをゲームデザインが好きなユーザー達が作り上げていき、一般ユーザーはテストに参加し報酬を得る。こんなゲームが一般化するのが僕も楽しみだし、この流れは参加する価値を感じる。

WEB3.0は全てを置き換えるわけではない

調べ始めたばかりの僕の意見としては、現在のWEB3.0は理想的で素敵なシステムである一方で天才かイケてる人が中心で動いていき、個人の力の差がもっと明らかになってしまいそうだと思っている。また、コンテンツ作成への参加が用意なオンラインサービスに親和性が高い仕組みだと思うので、リアルな物理的な世界を中心に生きている私達の世代からすると適応出来るビジネスには限界がありそう。やはりアート、ゲーム業界、文学などクリエイターエコノミーに対してが初期のWEB3.0が有効に働く世界となりそう。今後、メタバース(仮想現実)が我々の大部分の時間を過ごす場所となれば、もっと多くのビジネスがWEB3.0以降の世界へ組み込まれるのかもしれない。

今回、僕が強調したいのは現時点でWEB3.0が確立しているわけではなく、WEB2.0への挑戦状としての役割が大きいと思っている。今後の技術革新や斬新なアイデアによってWEB3.0の目指す世界や根幹となる技術は変わるかもしれない。その検証は時が進んでみなければ分からないが、WEB3.0という時代の変化にチャレンジするのは面白いと思う。

いかがでしたでしょうか、皆さんがWEB3.0ってこんなもんか。と知ってもらう機会になれば幸いです。次回はWEB3.0に取り組んでいる企業やプロジェクトを深堀りしてみようかと思っています。


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