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ウルトラセブン全話紹介Part1

至高の特撮「ウルトラセブン」
ウルトラセブンのすばらしいところは、アイデアに満ちたストーリーとその奥に隠されたメッセージ、それと人間同士のドラマだ。

では、そのすばらしきウルトラセブンに触れていただくことにしよう。
(内容の詳しい紹介ではなくストーリーを見たあとに気の合う仲間との雑談のつもりで見ていただきたい)

第1話「姿なき挑戦者」

記念すべき第1話。ここから全てが始まった。
ここで我らがモロボシ・ダンも初登場する。いきなりポインターの前に現れ、地球の危機を伝えるダンに対し、ソガ隊員とフルハシ隊員は「君は誰だ?」と問う。
そこでダンは「ご覧の通りの風来坊です。名前は・・・そう、モロボシ・ダンとでもしときましょう!」と答える。
こんな得体の知れないヤツを地球防衛軍の精鋭部隊であるウルトラ警備隊に入隊させるという英断(?)があったからこそ、セブンの物語はスタートしたのだ。

ありがとう!心の広い地球防衛軍!

第2話「緑の恐怖」

この話では宇宙ステーションV3から一人の隊員が6ヶ月ぶりに地球に帰ってくる。
このことから、地球防衛軍には6ヶ月も休暇がないこと、地球防衛軍には宇宙にも拠点となる基地V3があるということが解る。

このV3にはキリヤマ隊長の親友クラタもいるはずだが、それが解るのはずっと後の話だ。

この話はウルトラシリーズというより、セブンの後番組「怪奇大作戦」的なイメージを受ける話だ。

第3話「湖のひみつ」

この話は、セブンの中でも超有名な怪獣であるエレキングが登場する。
怪獣も産まれたときから怪獣でないことを示している初めての話ではないだろうか。
幼生のエレキングはナマズかウナギみたいだ。そう、もうお解りであろう。エレキングは電気ウナギの怪獣なのだ!

それからよく言われることだが、滝から発進するウルトラホーク3号。
カッコいいけど、実際には無理。水圧に勝てません。

ウルトラアイが初めて盗まれるのもこの回だ。宇宙人にはセブンが誰かということが解っていることを印象づけている。
それによって、以降のセブンで同様の話があってもすんなり受け入れることができる伏線になっている。

あっ、そうそう。カプセル怪獣ミクラスも初登場です。
彼の出身はバッファロー星だって。
見たまんまですね。

第4話「マックス号応答せよ」

♪One Two Three Four One Two Three Four UltraSEVEN♪って英語の歌が初登場。カッコいい!!
この英語の歌でウルトラマンより対象年齢が高いぞ!と思わせてますね。

またしても盗まれるウルトラアイ。
番組始まって4話目なのにすでに2回も盗まれてる。確率5割(笑)
まだそんなに宇宙人にセブンの存在がバレてないはずなのに。

ウルトラホーク発進シーン。
「4th Gate open! 4th Gate open!」
ここでも、英語を挿入することで雰囲気を出している。
これもこれ以降よく使われます。

さらにゴドラ星人とセブンの戦闘シーンで流れるBGMに注目。これはNG版主題歌なのだ。
この曲もかなりイイ感じで、こっちが主題歌でも良かったのではと思わせるほど良い出来だ。

ダンに化けたゴドラ星人にアイスラッガーを投げるセブン。
しかし、偽ダンはちょっと痛そうだけど生きてる。
う~ん。等身大セブンのアイスラッガーは大した威力はないのか?!

第5話「消された時間」

エビだ!エビが現れた(笑)
着ぐるみじゃない宇宙人ってのはイマイチ強そうに見えないけど、ウルトラマンにない試みに挑戦しようという意欲は評価したい。

この回のキーワードは湯島博士が考えた「湯島ダイオード」。
う~ん、時代の流れを感じさせます。

ちなみに湯島博士を演じてるのは、あのアフタヌーンショーの山本さん。
今にも、「そ~なんですよ。川崎さん!実はですね・・・」ってセリフを言いそうな気がするのは僕だけ?
(わからない人はお父さん、お母さんに聞くかこれを見よう)

疑われるダンという構図が初登場。
特殊能力があるからこそ、主人公だけが真犯人(宇宙人)を解ってしまうという設定。
以降、セブンだけじゃなく新マンや以後のウルトラシリーズでもこういった設定が登場するが、この真実を言うに言えないジレンマはドラマに良い効果を生んでいると思う。
(これの最たるのがウルトラマンAの最終回でしょうね。)

第6話「ダークゾーン」

初期の名作のひとつ。
宇宙人=侵略者というイメージを壊してくれている。宇宙人にも侵略の意図がない者がいることを示している意欲的な作品。
しかも、さりげなく科学の発展が必ずしも良いものではないことも示している。

そもそもセブンはたまたま地球に寄っただけなので、地球人もペガッサ星人も同じなのだ。
そのペガッサ星人を何とかして助けたいダン。

しかし、ペガッサ星人はその呼びかけに応じることはなかった。
彼らは地球の軌道も変えられない地球人を見下していたのだ。

また、そしてアンヌの部屋に進入したペガッサ星人も出来ることなら地球を破壊したくはなかったハズだ。しかし、自分たちの都市を守るため、地球を爆破しなければならなかった。

結果的には地球は破壊されずに済んだのだが、ダンから見ればどっちもどっちだったハズだ。
非常に考えさせられる話だ。

あと、この話ではセブンはペガッサ星人を殺していないし、巨大化もしていない。
セブンではこういった話がいくつか出てくるが、そのはしりです。

第7話「宇宙囚人303」

いかにも悪そうなキュラソ星人。まさに宇宙囚人という顔をしている。
が、キュラソ星に行けば、この手の顔ばかりのはず(笑)

ウルトラホーク1号のα号、β号、γ号の空中ドッキングシーンはそれらしいけど、実際は無理でしょう。
個別の推進力がドッキングすることで1つになるわけだから、推進力が落ちて例えドッキングできても墜落するのが関の山。

この話ではセブンとキュラソ星人が直接戦うことはない。
当時の子供はこんな話はつまらなかっただろうなぁ。

それと忘れてならないのが、キュラソ星人の特徴。
ガソリンが好物なのに火を吐くとは!
あんた、そりゃ危なすぎでしょ(笑)

また、最後のダンのセリフ。
「宇宙でも地球でも正義はひとつなのだ。」
はちょっと説教くさいかな。

第8話「狙われた街」

初期の名作中の名作。
映像、ストーリーとも秀逸。
しかし、この回で最も有名なのはダンとメトロン星人のちゃぶ台越しの会見シーン。
あとにも先にもちゃぶ台を前に座ったのはメトロン星人だけ(笑)

夕日が印象的なこの話。この夕景は特殊技術の大木淳氏の十八番。
セブンとメトロン星人の対決シーンもカッコいいけど、夕日に向かって発進するウルトラホークもカッコいい。

人間同士の信頼感を失わせるメトロン星人の作戦。武力だけじゃない侵略。う~ん、いいなぁ。

ラストのナレーションの「このお話は遠い未来の話です。何故かって?我々人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから」は、かなりの皮肉ですね。

ちなみにセブンは1980年代の設定らしいです。
(この話は後のウルトラマンマックス第24話「狙われない街」で拾われたり、メトロン星人自体はウルトラマントリガーでGUTS-SELECT隊員になったりしている)

第9話「アンドロイド0指令」

ダンとソガ隊員が夜のデパートでおもちゃに攻撃される。
夜の誰もいないデパートって不気味ですよ。特にマネキンが。

窮地に追い込まれたダンとソガ隊員。
セブンに変身したいダンだが、ソガ隊員が居ては変身できない。
そんなダンがとった行動は、ソガ隊員を殴って気絶させること!
しかもその後のダンのセリフが「ソガ隊員、すまん。」だって。
すまんじゃないだろ、すまんじゃ。

「午前零時の時報とともにアンドロイド0指令が発令されます」
これ、結構耳に残るんですよね。
それにしても、敵のじいちゃんがダンとソガ隊員にアンドロイド0指令の内容をベラベラと説明しちゃうけど、そんな簡単に作戦をバラしていいのかい?

しかし、子供に大人は手を出せないってことを巧みに利用したチブル星人。目の付け所はいいと思う。

そうそう、ちなみにチブルとは沖縄の方言で「頭」の意味だそうです。
チブル星人は頭でっかちだもんなぁ。

第10話「怪しい隣人」

この話では珍しく敵の宇宙人がダンの正体を知らない。
まぁ、それが普通だけどね。

空中で止まったままのカラスをダンは特殊能力で異常だと感知する。
それを調べるために窓から飛び降りるダン。
空中で止まったままのカラスは確かに異常だが、それを調べてみるのにいきなり窓から飛び降りるか?

4次元空間から脱出するために、イカルス星人のコントロール装置を破壊するダン。
それで脱出できたからいいものの、2度と出れなくなったらどうするつもりだったんだ。

イカルス星人と戦うセブンは、アイスラッガーを投げる。
が、イカルス星人は切断されない。なんと珍しいことに、アイスラッガーが単なるブーメランのような使い方をされている。

さらに、イカルス星人にとどめを刺すのも、派手な光線技等ではなく、超能力を使って山の向こうに投げ飛ばして終わり。

う~ん、なんかスッキリしない。

第11話「魔の山へ飛べ」

この回の宇宙人はワイルド星人という。
通称、宇宙野人。
ひねりがない。

このワイルド星人、名前の割に意外とカワイイ。体がモコモコで頭に赤い玉みたいのが付いてるし。

命を吸い取るカメラで命を吸い取られてしまったダン。
一応、死んだことになった。
だが、吸い取られたカメラから命を元に戻すことが出来たため、ダンは生き返ることが出来た。
よく、ダンの死体(?)を火葬しなかったよね。
まぁ、ダンはともかく最初の被害者は普通もう火葬されてるぞ。

ワイルド星人の目的は若い命。ワイルド星人の種族が種として老化してしまい、そのため若い命が必要だったのだ。
この設定ってどっかで聞いたことあるなぁと思っていたら、最近ようやく解った。
スタートレックTHE NEXT GENERATIONで同じような設定があったんですよ。
スタートレックの方が後だから、セブンがオリジナル(?)の設定なんだけどね。

敵の龍型ロボット・ナースは変形して円盤になる。今でこそ変形は当たり前だけど、当時は斬新なアイデアだったようです。(まさか55年経って2022年にウルトラマントリガーでナースデッセイ号として拾われるとは思わなかった)

第12話「遊星より愛をこめて」

この話は欠番とされています。
本放送とその次の再放送以降、放送されることはありませんでした。
(参考:K.S.R.C ResearchReport FileNo.200102

が、どういうルートからか分かりませんが、録画したビデオがマニアの間に出回っています。

で、ストーリーは・・・。

遙か彼方のスペル星で核実験が行われた。
その結果スペル星人は被爆し白血病になってしまったのだ。
その治療のためには、新鮮な血液が必要なのだ。そこで、地球の女性の血を狙ったスペル星人。
が、ひょんなことから女性の血より子供の血の方が有効なことが判明し、急遽、子供を狙う。
しかし、セブンの活躍でスペル星人は撃退されたのだった。

さて、問題となったのは、スペル星人は被爆していたことなのだ。
被爆していたため通称「被爆星人」と呼ばれてしまったのだ。
それを快く思わなかったのが被爆者の団体。
彼らにしてみれは被爆者を怪物扱いして何事だ!って理屈ですよ。
まぁ、それもごもっともなんですけど、その反対していた団体はもうとっくに解散してるし、制作者側にはそんな意図は当然なかった訳なんだから、もうそろそろ解禁してもいいんじゃないかな。
TV放送はともかく、DVDには入れて欲しかったなぁ。
(この回の脚本を書いたのは佐々木守氏。彼は「差別を受けてる人の言うことは全て正しい」というスタンスのため、今現在も欠番として扱われているらしい。)

さて、この話、被爆者に対する差別のようなものは感じられません。
反対した団体の過剰反応だったような気がします。

この回には、あの科学特捜隊のアキコ隊員が出てきます。(と、いってもアキコ隊員役じゃないけど。)
スペル星人に狙われる女性役です。

スペル星人はどうやって血を採取するかというと、人をさらったりする訳じゃないんですよ。
腕時計に仕込んだ装置でちょっとづつ血を採取してるんですよね。
なんかまどろっこしい。いや、逆に言えば、意外と気が弱いのかも。
今の現実社会ではキャトルミューティレーションで家畜が殺されて血を抜かれたりしてるけど、それに比べれば、直接的じゃないなぁ。

スペル星人に対してアイスラッガーを投げるセブン。
スペル星人を真っ二つ。
これだけではよくあるパターン。
でも、今回のアイスラッガーは水面を水切りをするのだ!
これはセブン全話の中でも今回だけ。

ラストのダンのセリフ。
「地球人も他の星の人も同じように信じあえる日が来る。M78星雲の人間である僕がこうして一緒に戦っているではないか。」
解り合うのか、戦うのかどっちだよ。ダン。


ウルトラセブン全話紹介
Part1:第1話~第12話
Part2:第13話~第24話
Part3:第25話~第36話
Part4:第37話~第48話

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