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ウルトラセブン全話紹介Part3

至高の特撮「ウルトラセブン」
ウルトラセブンのすばらしいところは、アイデアに満ちたストーリーとその奥に隠されたメッセージ、それと人間同士のドラマだ。

では、そのすばらしきウルトラセブンに触れていただくことにしよう。
(内容の詳しい紹介ではなくストーリーを見たあとに気の合う仲間との雑談のつもりで見ていただきたい)

第25話「零下140度の対決」

セブンも後半に入りテコ入れされたのか、この回以降、セブンにも活動限界時間が設定される。
それは、ポール星人の仕業によるものだ。

今までの地球の氷河期がポール星人の仕業だったことが判明する。
しかし、このポール星人、何のために地球を氷漬けにするのかわからない。
いたずら半分でやってるみたいだ。
しかも、氷漬けにする能力を持ってるのに、その登場シーン(ダンの幻覚の中)のバックは炎だったりしてよくわからん。

セブンの弱点は、寒さに弱いことだった。
光の国の住人のセブンは地球人より寒さに弱いらしい。
それにしちゃあ、異常寒波の中をずいぶん長い間外にいたじゃないか。
地球人なら凍死してると思うけど。
それに、M78星雲から地球までの宇宙空間はどうやって来たんだよ。
宇宙空間の平均気温は3ケルビン、要するに零下270度だぞ。

カプセル怪獣ミクラスが登場し、ガンダーと対決する。
意外と頑張るミクラス。ウインダムとは大違いだ(笑)
たぶん、カプセル怪獣の中で一番使えるヤツはこいつだろう。

零下112度という異常寒波に包まれたウルトラ警備隊基地。
それでも、ソガ隊員は「地下18階の動力室では原子炉が赤々と燃えてるんだ、そんなにビクビクすることはない!」と言う。
原子炉は赤々とは燃えないぞ。ソガ隊員!
核反応による臨界点ではチェレンコフ光が発生するので、どちらかと言えば、青白いハズだ。
ちなみに、初代ゴジラが放射能火炎をはくときに背鰭が青白く光るのはそのためではないだろうか。

その地下原子炉がガンダーに破壊され、基地内も氷漬けに。
原子炉を直すために、地下で作業する防衛軍隊員たち。
その手には電気ドリルが。
ねぇねぇ。放射能は大丈夫なの?原子炉破壊されたんでしょ。
しかも、電気ドリルなんかで原子炉直るのか?

なんとか復活したセブン。
ポール星人があきらめて帰る間際に言う。
「我々はセブンに負けたのではない。地球人の忍耐だ。人間の持つ使命感だ。」

最後まで実体を現さなかったポール星人は、セブンに倒されるどころか、セブンを弱点を作るところまで追いつめている。
が、そんなポール星人も地球人の忍耐や使命感にはかなわなかった。
これは、初代ウルトラマン最終回での「地球は地球人自身で守るんだ!」というところに通じているように思う。

セブンの中でも突っ込むところが異常に多いこの回だが、かなりキーポイントの話だと思う。

僕は好きだ。

第26話「超兵器R1号」

新型水爆8000個の威力を持った惑星攻撃用超兵器、R1号。
そんな超兵器の開発に疑問を持つダン。
地球人と宇宙人の立場の違いから生じているのか、それとも、兵器開発のイタチごっこの虚しさからか。
兵器開発の虚しさを「血を吐きながらする悲しいマラソン」とうまい表現をしている。
いずれにせよ、反戦、反核の意思をストレートに描いた作品だ。

R1号はギエロン星を消滅させた。
しかし、ギエロン星の生物は全滅していなかった。
R1号の強烈な放射能によって怪獣化したギエロン星獣が地球に飛来したのだ。

この放射能による怪獣化という手法は、第12話「遊星より愛をこめて」が問題になった後は、安易に取れなくなった手法である。
被爆者は怪獣ではないとの抗議を避けるために。

さて、地球に飛来したギエロン星獣を攻撃するために、科学者たちはより強力なR2号を使ったらどうかなどと意見を言う。
おいおい、なんちゅう無責任な。いや、脳天気な!

R1号でさえ惑星を破壊するんだぞ。それの数十倍の破壊力のR2号を東京近郊で使うなんてどういう発想だよ。
しかも、R2号を使って、さらに巨大な生物に変化したらなんて的外れな心配してるし。

かなり逝っちゃってます。

ダンもダンだ。
超兵器開発をそれまで深刻に悩んでたのにセブンに変身して戦いだしたら、怪獣の腕をもぎ取ってブン回す始末。
放射能を浴びせられたことにキレたのか。

第25話「零下140度の対決」といいこの回といい、セブンも後半に入って突っ込みがいのある作品が続く(笑)
この回、根底のメッセージは良いんだけどね。

第27話「サイボーグ作戦」

この回の宇宙人はボーグ星人だ。
スタートレックに出てくるボーグとは無関係・・・だと思うが、もしかしたらあっちのスタッフにセブンを観た人がいたのかも。

地球防衛軍基地は午前6時に勤務交代が行われることがわかる。
と、いうことはウルトラ警備隊員も交代するのか?
しかし、ウルトラ警備隊員はいつも同じメンバーだ。もしかして、僕らが知っているウルトラ警備隊員以外にもメンバーがいて、たまたまいつものメンバーの時だけ宇宙人が来るのか?(んなバカな)

まぁ、この回はそんなにおもしろくないです。

第28話「700キロを突っ走れ!」

高性能火薬スパイナーを実験場まで運ぶために、700キロラリーに紛れ込むダンとアマギ。
実は本当に運んでいるのはダンたちのクルマではなく隊長たちのクルマだった。
ダンは「グッドアイデア」だと言ったこの作戦だが、本当にそうか?
別にラリーに紛れなくたっていいんじゃないの。普通に運べば。
そもそも、ラリーのスタート地点まで運べるんだったら、初めからその方法で運べばいいと思うんだけど。

爆発物を怖いというアマギ隊員。
今まで宇宙人と戦ってさんざん爆発シーンを経験してきたと思うんですけど。
その時は大丈夫だったんでしょ。

ラリーの途中で宇宙人を森の中まで追いつめるダンとアマギ。
その先にいた隊長たちに出会うのだが、その時にソガ隊員はマンドリン(?)で「流浪の民」を弾いていた。
意外な才能があるなぁ。しかし、なんで「流浪の民」なんて寂しい曲を夜中の森で弾いてるんだ?
どうせ弾くならもっと楽しい曲を弾けばいいのに。

ラリーの途中でクルマごと空に気球でつり上げられるピンチに陥る。
その時ダンは「アマギ隊員がいてはセブンになれない!」と思う。
こういうシチュエーションって「アンドロイド0指令」の時もそうだったけど、その時はアマギを殴って気絶させたじゃないか。ダン。
今回はそうしなかったのは、ちょっとは状況判断が出来るようになったってことか。

さて、この回の怪獣は有名な恐竜戦車だ。
戦車の上に乗っている恐竜。だから恐竜戦車。
なんてシンプルな名前なんでしょ。
ただ、劇中では恐竜戦車じゃなくて恐竜タンクって呼ばれてます。
これはまだ戦争の傷跡が残っている社会情勢を配慮して、「戦う車」の戦車じゃなくタンクと呼称したらしいです。

第29話「ひとりぼっちの地球人」

ソガ隊員が京南大学英文科2年生と付き合っている(婚約までした)ことが判明した(笑)
大学2年と言えば普通でいけば20歳だ。
僕がそんな若い子と付き合ってたらみなんから「犯罪者」呼ばわりされるぞ(笑)

しかし、このソガ隊員の婚約者、大学2年なのにオープンカーに乗ってる。
今でこそそんなに珍しくないかもしれないけど、当時としては珍しいことだっただろうなぁ。金持ちのお嬢様なのか。
まぁ、ウルトラ警備隊員と言えば地球防衛軍のエリートだから、その婚約者がお嬢様というのは当然のことかもしれない。

プロテ星人に利用されていた天才科学者、一の宮。
彼が発明した電送装置は、スタートレックの転送機そっくりだ。
また、気のせいか、人工衛星を持ち去るプロテ星人の円盤の後ろ姿がエンタープライズ号に見える。
う~ん、やっぱり、スタートレックのスタッフにセブンファンがいたのか?!

第30話「栄光は誰のために」

何かイヤなヤツ、青木。
こいつを見ていると巨人の星の速水を思い出す。(わからない人はググろうね)

この青木はホントに自分勝手でしかも状況判断も出来ないヤツだ。
上官の指示通りには動かないし、「あの辺が怪しいんです!」とか言って勝手にポインターで攻撃するし。
さらには、マグマライザーに発信器をセットし「これで、敵はマグマを狙ってくるはずだ。その隙に・・・」なんてとんでもないことを考えるし。
そのせいで、隊員は死んだんだぞ。
その上、敵にマグマが奪われたのは自分のせいなのに「マグマを奪還しますよ!」とか言ってまたも個人プレーする。

自分で手柄を立てたいのは解るが、そのせいで人が死ぬんだぞ!
解ってるのか?

こいつが、今の自分勝手な他人を思いやれない若者の元祖なんだろうな。

しかし、この回のセブンは何故か意外と苦戦する。
この宇宙人はすごく弱そうなのに。
事実、最後はエメリューム光線で燃えちゃったし。

戦い終わったダンが傷ついた青木に駆け寄る。
そこで青木は「実は林の中で(敵を)見たんです・・」と息も絶え絶えに告白する。
それを聴いたダンは「何で言わなかったんだ!そのために何千人という隊員が・・・バカやろう!」と言って青木を殴る。
でもなぁ、ダン。青木は大けがしてるんだぞ!いくら悪くたってけが人なんだから殴らなくたっていいんじゃないの?
そのせいかどうかはわからないけど、青木は死んじゃったじゃないか!
ダンにも責任があると思うぞ。

第31話「悪魔の住む花」

子役?時代の松坂慶子が出てることで有名な話。

この回でセブンがミクロサイズにまで小さくなれることが判明する。
ミクロからマクロまで自由自在のセブン。マンにはなかった特徴だ。

松坂慶子扮するカオリは宇宙細菌ダリーによって吸血鬼になってしまった。
彼女の口から流れる血を見たダンは
「こんな美しい子が血を吸うわけがない」
と言い切る。
そりゃあ、美人は美人だけど見た目で判断して良いのかよ。

さて、そのダリーだが、電子顕微鏡でその姿が判明した。
う~ん、細菌かぁ?細菌と言うよりダニみたいだ。
もしかして、ダニが名前の由来かな。

ミクロ化したセブンはカオリの体内に入っていく。
これは同年代のSF映画「ミクロの決死圏」を彷彿とさせる。(というよりパクリか?)

第32話「散歩する惑星」

地球防衛軍基地近くに降り立った散歩する惑星。
この惑星にある謎の基地から発信される強力な電磁波によって、防衛軍基地のエレクトロニクスデバイスは狂わされてしまう。
今から30年以上も前の作品なのに、もう電磁波が様々な機器に与える影響を描いているのは驚きだ。

電磁波の影響を受けるのは電子機器だけではなく、ウルトラアイもそうだった。
セブンに変身できないダン。
ということは、ダンは電子レンジの近くではセブンに変身できないのか(笑)
もしかしたら近くで携帯を使われてもダメだったりして(笑)

この回では、3体目のカプセル怪獣が登場する。アギラだ。
恐竜タイプの怪獣で、アンキロザウルスから命名されたんだろう。
あのアンギラスとキャラがダブってる。

しかし、この回の敵は惑星(っていうか島だ)で防衛軍基地に攻めてきたけど、なんかまどろっこっしい。
そんなことしなくても、あれだけの科学力があれば、もっと手っ取り早くなんとかできそうなのに。

最後、島から脱出するウルトラ警備員たち。
でも、ダンがいない。当然だわな。セブンで戦ってるんだから。
ダンがいないことを心配するが、仕方なく島を脱出する隊員たち。
あとで、ダンが帰ってきた時に、ダンはなんて言い訳したんだろう?

第33話「侵略する死者たち」

この回はかなり意欲的な作品だ。
というのも、敵宇宙人も敵怪獣も出てこないのだ。
セブンで放送してなかったら、怪談でもとおるかも。
そういった意味でも、怪奇大作戦的な話だ。

何者かによって、蘇生された死体。
いったい誰が、何の目的で?
キリヤマ隊長は言う。「ただのイタズラとも思えん。」
当たり前だろ!イタズラでなんか出来ないぞ!そんなことは!

小さくされてしまったセブンはコップに閉じこめられる。
脱出できないセブンは光線で火事をおこして何とか助けられる。
でも、そのまま大きくなれば脱出出来たと思うんだけど。

宇宙に飛んだセブンは今度は円盤に捕まってしまい、またしても透明な筒に閉じこめられる。
が、ウルトラ警備隊の活躍で円盤は破壊され、何とか助かったセブン。

今回のセブンは閉じこめられてばっかだし、あまり良いトコない。
ウルトラ警備隊の活躍が目立った話でした。

第34話「蒸発都市」

普段見慣れた夜間工事。
この日常の風景が実は宇宙人の仕業だったというこの物語は、上原氏の脚本かと思いきや、金城氏の脚本だった。

ビル街が消えたという通報を受け、現場に向かうキリヤマ隊長とアマギ隊員。
しかし、どうしたことかウルトラホークではなくヘリコプターで向かったのだ。
しかも、ウルトラ警備隊マークもない普通のヘリだ。
何故だろう?
そのヘリで現場に着くと、ビル街が消えた場所になにやら謎の泡が。
そこでキリヤマ隊長は「よし、撃ってみよう!」と言う。
いきなり撃つなよ。
この攻撃性はキリヤマ隊長らしいと言えばらしいけどね。

霊媒師ユタ・ハナムラを通してウルトラ警備隊に「我々の居住区に近づくな!」と警告してきた宇宙人。
「君たちの居住区はどこだ?」というタケナカ参謀の問いかけに答えようとしない霊媒師(宇宙人)。
場所が解らなきゃどうしようもないだろうが!

消えたビル街を発見したウルトラ警備隊。
それを見た宇宙人は、ウルトラセブンを操りせっかく手にしたビル街を破壊させる。
何のためにビル街を手に入れたのかよくわからん。
居住区じゃなかったのか?
いや、それにしちゃ宇宙人がひとりしかいなかったってのも変だ。
行動が理解不能の宇宙人だった。

第35話「月世界の戦慄」

久々登場のクラタ隊長!
やっぱ、いいねぇ。クラタさん。

この話では、そのクラタ隊長とキリヤマ隊長のとんでもない過去が語られる。
なんとこの二人、その昔、ザンパ星人を全滅させたというのだ。
ザンパ星人がどんな凶悪星人かは知らないけど、全滅はマズイだろ。
あんたらやりすぎだよ。

で、そのザンパ星人の生き残りが復讐にやって来たというのがこの回だ。

ザンパというのはもちろん沖縄の残波岬から取られた名前である。
残波岬というのは第二次大戦中、沖縄で多くの人が自決した場所である。

結局、どんな理由にしろ戦争は憎しみしか生まないのだ。
と、言うのがこの回のメッセージだ。

シラハマ隊員に化けたザンパ星人。
武器を取り上げられたクラタ隊長。
そこにやってきたキリヤマ隊長とダン。
武器のないクラタ隊長を一目見て、「ホークの故障の原因が解りましたよ。」というダン。
キリヤマ隊長も「私にも解ったよ!さぁ、手を挙げてもらいましょうか。」といい、ザンパ星人に銃を向ける。
どうも、キリヤマ隊長はクラタ隊長と絡むと、言葉遣いが西部劇っぽくなる。
それがまた良いんだけどね。

怪獣と戦うが月の夜でエネルギーを消費したセブン。
と、その時、隕石が落下しその爆発した炎のエネルギーを吸収するセブン。
どうも、ご都合主義ですなぁ。
この描写は不必要だったと思う。

かと思えば、地球から月を見つめ、ダンを心配するアンヌという綺麗な描写もしてる。
この辺の話から、ダンとアンヌの関係を描いて最終回への伏線にしているようだ。

第36話「必殺の0.1秒」

この回の宇宙人はペガ星人。
こいつどう見ても羊だ(笑)

地球の気圧では生きていけないと言うペガ星人だが、その宇宙船に連れ込まれ催眠術をかけられるソガ隊員。
地球人であるソガ隊員とペガ星人が同じ宇宙船内にいるのはおかしいぞ。
しかも、その侵略意図もよくわからん。
地球を太陽系侵略基地にしようとしているらしいが、地球の気圧じゃ生きていけないのに、どうして地球を狙うんだろう?
月とか火星とかでもいいと思うのに。

セブンに変身するダンのポーズに注目。
ポインターを出てウルトラアイを装着するんだが、なぜか片膝を立てたポーズで変身している。
普通に変身すればいいのに。

ペガ星人の円盤に乗り込んだセブンは、ペガ星人に言う。
「お前の星に帰れ!」
闇雲に殺してしまうのではなく、なんとか殺さないで済む方向を探ろうとしている。
まぁ、ペガ星人に反撃されてやっつけちゃうんだけど、ペガ星人の死に方も、円盤内の気圧が変化して(おそらく下がって)、ペガ星人自身が膨れて死んでしまう。
変なトコでリアルっぽくしてるんだよなぁ。


ウルトラセブン全話紹介
Part1:第1話~第12話
Part2:第13話~第24話
Part3:第25話~第36話
Part4:第37話~第48話


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