フォローしませんか?
シェア
kensty
2022年3月23日 08:15
前回に引き続き、情報Iの授業で区間推定の考え方を扱う方法について考えていきたいと思います。前回記事では、いろいろと端折ってとにかく95%信頼区間を求めるための最低限の流れになってしまいました。数学Bで学ぶ数学的な内容を避けてできるだけ直観的に理解できるよう努めた結果、かえって説明が分かりにくくなっていたところが反省点です。そこで、今回は連続型確率変数について、大まかな説明をし、これを積極
2022年3月20日 13:07
本シリーズの記事も30回目になりました。いつもお読みいただいているみなさま、本当にありがとうございます。今回から、情報Iの授業で区間推定の考え方を扱う方法について考えていきたいと思います。情報Iの授業の中で、コンピュータを活用しながら区間推定の考え方を学ぶことで、標本のデータから母集団の性質を確率に基づいて推測する方法に慣れることを目指してみたいと思っています。本記事の内容本記事では
2022年3月13日 12:48
確率0.0007%の事象は、何回繰り返せば起こることが期待されるか?情報の授業における生徒とのやりとりから前回は上記のことを考えてみました。よろしければ、前回記事もご覧ください。ここでは「ある試行を繰り返し行ったとき、ある事象が初めて起こるまでの試行回数」に注目し、幾何分布についてまとめてみました。個人的に興味深い話題でしたので、もう少し深掘りし、別の視点で記事を書いてみることにしまし
2022年3月10日 19:17
今回は、ある日の高等学校情報の授業のエピソードからです。シミュレーションサイコロを100回投げて1の目が35回以上出ることがいかに珍しいのかという話をしていました(「シミュレーション」を学ぶ回)。これを実際に体験してもらおうと、Pythonで次のようなプログラムを生徒に作ってもらい実行するような実習です。import numpy as npdice = np.random.randint
2022年3月7日 07:56
本記事は2021年度の高校1年生の情報の授業において、情報Iの「データの活用」と数学Iの「仮説検定の考え方」の内容を一部取り入れて授業を行った実践のご報告になります。至らぬ点も多々ありましたが、実際に授業をしたことで得られたことが多くありました。高校生が仮説検定のどういうところに躓きやすいのか、どのような所が指導上の留意点だったのを振り返りつつ、ポジティブな気持ちで次年度に向けた課題を整理
2022年3月4日 20:33
今回も、アンケート調査におけるクロス集計において、一方の回答が他方の回答と関係があると言えるかの判断を行う仮説検定を考えます。前回は、表計算ソフトを使ってカイ2乗検定を行いましたが、今回はPythonを使います。クロス集計表ができれば、数行のコードで簡単にできて感動です。今回考える問題前回と同じように、スマートフォンを所持している高校生100名に「性別」と「メインで使っているスマートフォン
2022年2月24日 06:24
今回もアンケート調査でよく用いられるクロス集計についてまとめます。高等学校の情報Iの授業で扱いたい、集計に使う手法として下記3つを順に考えているという内容です。表計算ソフトのCOUNTIFS関数・複合参照表計算ソフトのピボットテーブルPandasのcrosstabメソッド前回は1.の方法についてまとめました。よろしければ、前回の記事をご覧ください。今回は2.と3.についてま
2022年2月15日 17:40
高等学校における統計教育と情報教育を考える本シリーズも今回で20回目の投稿となりました。これまで多くのみなさまに読んでいただき、感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。今回は教育効果や新薬の効果などを検証する方法を学んでいきたいと思います。本論の前にさて突然ですが、みなさまはタイピングはお得意でしょうか。私は、パソコンを使い始めたときの変な癖がなかなか抜けず、タッチタイピング
2022年2月12日 19:12
母集団から無作為に抽出した標本をもとに、母集団の平均に関する仮説が正しいかどうかを判断する母平均の検定について考えていきます。情報Iの授業でPythonを活用しながら学んでいく方法を今回も考えてみたいと思います。前回考えておりましたz検定は、母集団の特徴量である母平均を推測する仮説検定を行っていながら、母分散が既知のものとして検定を行っていた点が不自然でした。そこで、より現実的な問題を考え
2022年2月8日 18:03
今回から数回に分けて、母集団から無作為に抽出した標本をもとに、母集団の平均に関する仮説が正しいかどうかを判断する「母平均の検定」がテーマに書いていきます。正規分布に関するまとめまずは、今回の記事に関わる正規分布に関するいくつかの内容の整理をここで行っておきます。正規分布は自然現象や社会現象でみられる確率分布(値と確率の対応関係)で、その分布を表した曲線は平均値をピークとした左右対称の山型に
2022年2月2日 08:29
前回まで、仮説検定の考え方を「情報I」の授業で扱う試みについて記事を書いてきました。統計学について、もう少し本格的なことを扱っていこうと思うと、本日のテーマである「正規分布」は必須の知識です。ただこちらは統計学の基礎ではあるのですが、数学的な説明がなかなか難しいのがちょっと厄介です。そのためか、数学Iの「データの分析」や情報Iの「情報通信ネットワークとデータの活用」の分野の中で扱われている教科
2022年1月30日 09:57
前回の記事では、下記の例題を通して仮説検定の考え方を学びました。例題あるサイコロを100回投げたところ、1の目が35回出た。このサイコロは1の目が出やすいような歪みがあると判断してもよいか。有意水準1%で検定しなさい。詳しい内容は、前回の記事をご覧ください。こちらの問題はシンプルで、最初に考え方を学ぶという意味では分かりやすいのですが、すでにモデル化されている問題であるために社会の問
2022年1月26日 07:50
本記事は高等学校学習指導要領(平成30年告示)において、数学Iで学ぶことになる「仮説検定の考え方」を情報Iの授業で導入から扱ってみるという試みについてまとめています。このようなことを考えた経緯などは、下記記事にまとめておりますので、よろしければご覧ください。前回の復習前回の記事より、次のような問題を考え始めました。あるサイコロを100回投げたところ、1の目が35回出た。このサイコロは1の
2022年1月23日 08:50
今回から数回にわたって、数学Iの「仮説検定の考え方」の内容を情報Iの授業で導入部分から扱うことについて考えてみたいと思います。このようなことを記事にしてみたい考えた理由は、次の2つです。数学Iは「分散・標準偏差」から始まり「相関関係」で記述統計学の領域が完結している。推測統計学の「仮説検定」の考え方を、データの分析の最後に扱うよりも自然な流れを模索してみたかった。仮説検定の「考え方」を直