3Dプリンターで何を作るか迷った人へ

■ 流行ってるから3Dプリンター、は危ない

✔️  3Dプリンターが流行っているからとりあえず買ったのは良いけど、数ヶ月したら作りたい物が無くなって放置。
✔️  3Dプリンターが流行っているから使ってみたいけど、何作って良いかわからない。でも買ってみようかな。

っていうこと、ありませんか？
このような状態ですと、残念ながら使われないまま眠ってしまう可能性が高いと思います。

なぜ使われなくなるかを考えると、やりたいことが「3Dプリンターを使う」であるのは買って数か月の間だけで、その後は違うことがやりたくなるからです。これは3Dプリンターで何かを作る、ということを目的にしているのが原因です。

✔️ 3Dプリンターの造形で商売をする。
✔️ メカが好きで動いてる所をいくら眺めても飽きない。
✔️ 3Dモデルを作ることで Cadの勉強をしたい。

上記のような方はそのまま作りまくれば良いでしょう。なぜなら、目的が明確だからです。
でもそうでない多くの人は、恐らく違う事を思って3Dプリンターを買うはずです。例えば、「何か色々自由に作れて役に立ちそうだから」など。
ただそんなぼんやりした目的では長続きしません。目的をもう少し具体化することをオススメします。

■ 目的を具体化する

目的の具体化とは何を実現したいかを明確にすることです。
いくつか例を考えてみます。

✔️ ○○を実現したい！という強い思いがある
⇒　この場合、実現したいことに突き進むのは素晴らしいことです。ただ、最終目的だけを決めていきなり3Dプリンターを買っても、加工精度限界や強度など、どうしようもない壁があるかもしれません。SNSなどで3Dプリンター自体に詳しい人、近いことに取り組んでいる人に聞きながら、最終目的の手前のステップを何段階かイメージしていきましよう。

✔️ 色々な物のフィギュア・ミニチュアが作りたい
⇒　この場合は、とにかくディテールを再現したいので、光造形式のプリンターを検討すると良いです。目的自体は比較的はっきりしているので、気を付けるのはそれくらいです。手のひらサイズのフィギュアはFDM方式の3Dプリンターでは満足行く出来にはならないと思います。
例外として建築物等の幾何学的な形状のミニチュアであればFDM方式も使える可能性はあります。

✔️ 何か色々自由作れて役に立ちそうだから
⇒　この場合は、とりあえず評判の良いFDM方式のプリンターを買って始めるのもアリです。一般論で言うなら光造形式よりFDM方式の方が汎用性が高いです。また、既に買ってしまって放置状態の場合も、ここに当てはまります。
ただ、先ほど書いた通り、もう少し目的を掘り下げた方が良いと思います。以下、どんなものが役に立ちやすいかを書いて行きます。

■ 3Dプリンターで作りやすく役に立つもの

✔️ 小さめのもの
当然ですが、小さい方が失敗も少ないです。アクセサリー、コースター、軽い物をかけるフックなど、好きな形が嬉しい物や売っていないサイズの物が向いています。

✔️ 曲げ強度が必要ないもの
3Dプリンターの造形物は垂直の押される力にはかなり強く、大抵の用途には耐えます。何かの置き台などは、かなりの重量に耐えることができます。例えば、15kgくらいの植木鉢のポットフィート(鉢を浮かせて水はけを良くするもの)なんかも軽々可能です。
一方、PLAをはじめとする多くのフィラメントは造形物を曲げる力には非常に弱く、積層の甘い部分から割れます。重い物をかけるフックなどは難しいです。曲げる物に使う造形物は3Dモデルの設計力やフィラメントの選定、印刷品質の高さが求められます。

✔️ ジャストサイズが嬉しいもの
この箱に入るジャストサイズの仕切りが欲しい、など、お店で探してもぴったりサイズが無い物も3Dプリンターの出番です。小さいサイズのDIYだと思えば近いです。
逆に、大きめの箱そのものを作るのはフィラメント代も高く印刷時間も長いです。20㎝を超えるようなパーツは100円均一やホームセンターで売っている物の加工で解決できないか考えた方が無難です。

■ 製作頻度が少ないなら誰かに依頼する

これを言ってしまうと元も子も無いと言われそうですが、現実的にそうです。作りたいものが数個しかない、作りたいけど時間をかけたくない、という方はSNSや副業サイトなどで3Dプリンターの製作依頼を受けている人がいくらでもいます。そういう人を探すのも良い手です。
自分のやりたいことに対して、3Dプリンターを自分でいじることが本当に良いかどうか、一度考えてみるのは大切です。

■ まとめ：自分の目的 × 作りやすい物

ここまで書いたことをまとめると、自分の目的(趣味など)と、3Dプリンターで実現しやすい傾向を掛け合わせてバランス良く考えることが重要です。
実現しやすいけど目的が無い造形、あるいは目的はあるが印刷難易度が高すぎる造形、どちらも長続きはしないと思います。

3Dプリンターはうまく使えれば自分の目的に新たな可能性をもたらしてくれます。
是非、自分なりの良いゴールを設定して、良いクリエイティブライフを！

最後まで読んで頂きありがとうございます m(_ _)m
おわり。