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「スマホで作る 岩手の魅力CM」ワークショップを開催しました(実施レポート)

昨年11月末から始めた「岩手の中高生の皆さんと一緒につくる体験学習プロジェクト SEARCHLIGHT PROJECT」。先月、全3回に渡るワークショップ「スマホで作る岩手の魅力CM」を盛岡のBeBA TERRACEで開催しました。ワークショップの様子を、当日の写真と参加してくれた皆さんの声を中心にお届けします。

今回のワークショップに参加してくれた、おともさん、こうたさん、本当にありがとうございました。また、動画制作のプロとして、準備から運営・進行までご協力いただいた、かいさん(渡辺炎如さん / 有限会社哲学堂(岩手県滝沢市) 専務取締役 / 映像デザイナー)、がくさん(高橋岳さん / 同社社員)に心より感謝申し上げます。

一緒に動画制作したことが楽しかった。

動画制作のアイデアを出し合う参加者のおともさん・こうたさん
おともさん、最終日の帰宅後も、動画制作について、
こういう意図があった、こう作ればよかったなど考えを巡らせてくれたようです。

おともさんの振返りコメントをご紹介します。

(楽しめたこと)
・CM動画の共同制作が、とても楽しかったです。
・自分とは年齢も経験も立場も違う人たちと交流できて、自分には
ない視点や情報に触れることができました。

(難しかったこと)
・ターゲットの潜在欲求を考えるのが難しくて、届けたいメッセージをなかなか決めれませんでした。

  こうたさん「ものづくりで楽しいと思ったのは、小学生の図工以来でした」

続いて、こうたさんの振返りコメントです。

(楽しめたこと)
・今まで意見を出し合ってアイデアを発表するワークショップに何度か参加してきましたが、今回、対話しながら1つの作品を作る楽しさを知ることができました。
・自分の意見を否定されずに受け止めてくれて、さらにその考えをよくできたと思います。
・普段関わることのないCM制作を体験できたことが、何より楽しかったです。

(難しかったこと)
・CMを見てくれる人に何を伝えたいのかをまとめることが、もっと簡単にできると思っていました。実際にやってみると、深く深く考えなければいけないことに気づきました。

ワークショップの全体構成と狙い

・日程:2023年1月14日(土)14:00-17:00(3時間)
                            1月21日(土)15:00-17:00(2時間)
                            1月28日(土)15:00-17:00(2時間)
・場所:盛岡市中央公園 BeBA TERRACE まなび棟
・テーマ選定の背景と狙い:
昨今、インターネットやSNS上で動画情報コンテンツが溢れており、その数も日に日に増えています。また、ほんの一部ではありますが、大学の総合型選抜試験や企業の採用試験でも「自己PR動画」の提出が求められるケースも出てきています。個人でも企業でも「動画」を活用した情報発信が、今後より大切になってくることは、最近よく耳にする話題かも知れません。このような背景を踏まえ、今回は、地元「岩手」の魅力を題材にしながら、動画の「作り手」を体験することで、動画制作と発信において必要な視点やスキルを身につけて欲しいと考え、ワークショップを設計しました。

ワークショップ全3日間の流れ     

また、SEARCHLIGHT PROJECTのワークショップでは、単なる「体験会」に終始することのないように、以下3点を大事に運営するよう心掛けています。

(運営上、大事にしていること)
・参加いただく皆さんの心理的安全性を高め、参加しやすいと思ってもらえる場を創ること。
・答えのない問いに対するプロセスの伴走 / 参加いただく一人一人が自ら決めたり、判断するための適切なサポートをすること(スタッフは、参加いただく皆さんのアイデア出しや合意形成を側面サポートしながら、誘導はしない)。
・振り返りの時間を確保し、参加いただく一人一人の気づきや気持ちをシェアしながら対話を重ねること。

CMを制作する上で、何が大切か知ろう(DAY1)

ワークショップは、映像デザイナーのかいさんによる「CM制作のレクチャー」からスタート。CM制作の裏話も交えてもらいながら、どんなステップで何を考えていくといいのか、ワークの流れとポイントを教えていただきました。

そもそもCMってなんで作るの?
題材は「南部鉄器」もしくは「その他」の選択肢を用意してみました。
参加してくれた皆さんの話し合いの結果、「南部鉄器」に決定!
参加いただく方々の年齢層に併せて、
ターゲットを「高校2年生/女性」と予め設定し、ワークを進めました。
CMを見たターゲットが、どんな気持ちになったり、どんな行動を取ると嬉しいんだろう?
目的はとても大事なポイント。
最後に、かいさんから「CMのメッセージ」を導く方程式を提示してもらいました。
この後、ターゲット(高校2年生/女性)の潜在欲求と、製品(南部鉄器)の魅力を探るワークへ。

南部鉄器の魅力を探る(DAY1)

南部鉄瓶に初めて触れるお二人
「肌触りが気持ちいい」、「思ったより重くないんだ」などの声が上がります。
触って初めて気づくこと、いろいろあったようです。

ワークショップ全3日間を通して、タヤマスタジオ株式会社の田山貴紘さんから南部鉄瓶をお貸しいただきました。田山さんには、後日オンラインで、参加してくれた皆さんからの質問にもご対応いただいております。お忙しいところ、本当にありがとうございました。

なお、ワークの進行に関しては、想定していたよりも、ターゲットの潜在欲求を考えて、CMで伝えたいメッセージを決めるまでの工程に時間を要しました。この点は、参加してくれた皆さんも考えることが大変で、どうやってメッセージに辿り着くのかイメージできずにモヤモヤ感を抱かせてしまったと思っています。今回の課題として受け止め、個人で考えるためのヒントの提供や時間の確保など、次回以降のブラッシュアップにつなげていきます。

撮影がやっぱり面白い(DAY2)

DAY1とDAY2の間、オンラインでのミーティングも重ね、「慌ただしい日々を過ごす高校生/大学生が、不便を楽しむ(南部鉄瓶でお茶を淹れる)ことで、ひとときの心の豊かさ・気持ちの満足度を感じてもらいたい」ことをコンセプトとして決定しました。DAY2では、前半にラフなシナリオ構成を考え、後半はいよいよ撮影現場に。

どんなカットを撮影するか、シナリオをもとに現場で擦り合わせしていきます。
「撮影」と一口に言っても、被写体との距離や角度、光の具合など、いろいろ考えるポイントが。
最後の方は、かいさんとのやり取りも増えて、とっても楽しそうな撮影現場でした。

30秒にまとまるのって想像以上に難しい(DAY3)

専用アプリCapCutを使って、動画編集にチャレンジ。
DAY2で共同撮影した動画素材を元に、動画編集は参加してくれた一人一人が個人で取組みました。
イメージの動画に近づけるように、動画編集についてスタッフに相談
「30秒にまとめるのって難しい」、やってみて実感する気づきはずっと忘れないものですよね。
いざ、発表会!それぞれの見応えのあるCM動画に、自然と拍手が湧き起こります。
発表会後、それぞれがどのような考えで動画を編集したのか聞き合う時間。
BGMのタイミング、メッセージの文章など、それぞれの意図を聞いていくと、とても面白いです。

自分なりの気づきや学びを、書いて、発表して、シェアする振り返り(DAY3)

最後の30分間は、3日間全体の振り返りです。
まずは、参加してくれた皆さん同士でお互いの「いいね」をシェアするワークです
「いいね」と思ったところを書いたポストイットを交換すると、
2人とも恥ずかしそうでしたが、とても嬉しそうでした。
続けて、今回のワークショップ全体を通しての振返りです。

冒頭でご紹介したコメント以外にも、「普段のCMや動画を見る上でも、セリフや画面の構図など、いかにメッセージをわかりやすく伝える工夫をしているかに目が行くようになった」と気づきをシェアしてくれました。ワークショップ参加前後で、このような見方の変化が起きたことは、主催者としては心の中でガッツポーズをするくらい嬉しいことで、実施できてよかったと思えた瞬間でした。

(休憩中)みんなが円になれる場があるといいですよねー

これからも中高生の「学びのサードプレイス」を創っていきます

昨年11月から始めたトライアルイベントを通して、今後の活動を展開していく上での多くの課題を認識できました。一方で、この活動を応援してくださる方々に出会えたことは、僕にとってとても嬉しい出来事でした。
これからも、岩手県の中高生の皆さんが、地域の面白い大人と出会い、楽しく体験しながら、自分の「好きなこと」や「得意なこと」を探っていくサードプレイスを創っていきたいと考えています。一歩一歩小さく前進できればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

最後に集合写真をパチリ。みんないい表情してます😊

Special thanks to 
渡辺炎如さん / 有限会社哲学堂 専務取締役
高橋岳さん / 有限会社哲学堂
田山貴紘さん / タヤマスタジオ株式会社 代表取締役
髙橋昌宏さん / フォトスタジオルーフ カメラマン
佐藤侑子さん / 株式会社グーグスダーダ ディレクター(BeBA TERRACE 運営管理)

※写真の無断転用はお控えください。

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