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【雇用問題の真実とは】静学的労働経済モデルとその応用④:労働経済学💛

【労働経済学】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「ミクロ経済学・労働市場の分野」について
アウトプットしていきたいと思います👍

今回の記事も「労働供給の理論の応⽤🔥」
について解説していきたいと思います
なお前回の記事は、以下の通りです


この記事で取り上げたいテーマは、以下の通りです📝
「準固定費用と最適調整労働者数」について
実際の企業行動を合わせて考えていきます

労働経済学の基礎的な考え方を学び
実際の企業行動に応用するモデルを
理解することによって

世の中の労働問題、企業問題
ひいては、自分自身の労働環境について
より深い視点で考察できるようになるはずです👍

静学的労働供給モデルの概要🔖

静学的労働供給モデルを使って
様々なトピックを経済学的に考えていきたいと思います
⼈々は、所得によって実現する財・サービスの消費と余暇の消費の両方から満足を得ます

また、個⼈は消費財の消費が多いほど
そして、余暇時間が多いほど、満⾜度が⾼くなると仮定しましょう

満⾜度あるいは幸福度を効⽤と呼び、各個⼈の行動が次のような
効⽤関数の最大化問題に直面しているとします

ただし、この個人が行動するには、2つの制約があります
①時間制約⏰②予算制約💴です

これらの制約の下で、効用最大化を実現するように行動するという問題を考えることこそ、静学的労働経済モデルなのです

説明に登場する記号や定義は、以下の通りとします

$$
Endogenous  Variable  of  the  Model\\
Leisure:  ℓ \\
Consumption:  C\\
Labor  supply: L\\
$$

$$
Exogenous  Variables  of  the  Model\\
Wage: w … per  time\\
Price: p, where [ p=1] \\
Time: T \\
Wealth  Asset \\ or  Non-working  income: I \\
Grant:  G
$$


$$
Utility  Function:  U(C,ℓ)・・・①\\
--------\\
where  the  Marginal  Utility \\=  [ ∂ U(C,ℓ)/∂C >0 , ∂U(C,ℓ)/∂ℓ >0 ]\\
--------\\two  times   differential \\ ∂''U(C,ℓ) / ∂ (C  or  ℓ) ''<0
$$

$$
Time  Constraint:L + ℓ≦T \\
Budget  Constraint: C ≦w ( T-ℓ) + I・・・②
$$

$$
Static  Labor  Supply  Model\\
Max: U ( C, ℓ )\\s.t  C ≦w (T-ℓ) + I ・・・③
$$

$$
Labor  Demand  Function :  L^D(w)\\
Labor Supply  Function : L^S(w)\\
Social  insurance  premium: t \\
------------\\
Elasticity  of  labor  demand\
ε_D =(ΔL/L)/(Δw/w)\\
=(ΔL/Δw)/(w/L)\\
----------
The elasticity of substitution\\
σ=[d(K/L)/(K/L)]/[d(w/r)/(w/r)]\\
=[%change  in  K/L]/[%change  in  w/r]
$$

この問題について考えていきたいと思います
参考教材は、以下の通りです

https://core.ac.uk/download/pdf/7113001.pdf

このような問題を考えるときは、一緒に法律の勉強もしたくなりますよね
ぜひご確認ください🍀


準固定費用モデル (quasi-fixed cost model)の概要

今回は、準固定費用という概念を導入します

これまでの議論では、企業にとって、労働投入量 ≡ 労働者数×労働時間のみが意味を持つと考えてきました

しかし、実際には,労働サービスの使用にあたって、企業は 1 人当たり労働時間数と労働者数を組み合わせて生産していますよね

賃金が労働時間に比例する可変費用であるのに対して
労働時間によらず労働者毎に発生するコストを準固定費用と呼ぶことにしましょう

なお、準固定費用の例は、以下のようなコストが該当するとイメージしてくださいね📝

新規採用費用(広告,書類選考,筆記試験,面接等),訓練費用, 社会保険料(雇用保険,労災保険),福利厚生費(社宅,各種補助),解雇費用(退職金,希望退職費用)などです

準固定費用モデルのセットアップ

準固定モデルの使用記号一覧は以下の通りです

$$
N : Employment \\
h :  Productive  Factor  per  worker\\
F : quasi-fixed  cost  per  worker\\
$$

労働者数 N および一人当たり労働時間 h を生産要素とする
次のような生産関数…①を考えます

労働者一人あたりの準固定費用を F ,時間あたり賃金率を w と すると,費用関数…②は,

$$
Setting  up  the  Model.  \\
Production  Function :\\ q = f (N,h)…①\\
—————-\\
Cost  function\\
C = (F + wh ) \times{ f(N,h)}…②
$$

したがって,企業の利潤最大化問題は次式③で与えられます

$$
Max: π(N,h) = p f(N,h) - (F +wh)N…③
$$

準固定費用モデルの最適解条件

利潤最大化の一階条件から、最適解は以下の限界原理を満たすことが導出されます

$$
First  Order  Conditions:
p×MP_N(N^*,h^*) = F + wh^* …④\\
p×MP_h(N^*, h^*) = wN^*…⑤\\
$$

2 段階法による費用最小化の限界原理と利潤最大化の限界原理は、以下の関係式を満たすことになります

ただし、N^および h^は、生産量𝑞の総費用を最小化する労働者数と労働時間を、q*は利潤を最大化する生産量を表す

$$
(F + w\hat{h}) / w\hat{N} \\
= [ MP_N(\hat{N},\hat{h})/ MP_h(\hat{N},\hat{h})… ⑥\\
p = MC ( q^*, F, w)…⑦
$$

この式を連立させて、内生変数について解けば
準固定費用モデルの最適解を導出できるのです

準固定費用と最適調整労働者数の関係性

比較静学:生産物価格の上昇(好況期)

生産物価格𝑝の上昇は⑦式の規模効果を通じて
労働者数と労働時間数を共に増加させることになります

準固定費用の存在と雇用調整の関係図


しかし、準固定費用 𝐹 が賃金 𝑤 に比して十分に高い時には、等費用 曲線の傾き〔−(𝐹 + 𝑤h)/𝑤𝑁〕の絶対値が大きくなるため、規模効果を通じた労働者数の増加は、労働時間の増加に比して小さくなるのです

経済政策との整合性

(1)雇用なき回復

労働の準固定費用を高める要因を考察します
例えば訓練費用、解雇費用、社会保険を含めた付加的給付などです
これらのコストが高くなると、たとえ景気回復期においても、労働時間の増加に比べて労働者数の増加が小さくなることがデータとして知られています

(2)派遣労働者等の非正規雇用の拡大

企業にとって、直接雇用の正社員に比べて、間接雇用である派遣社員を雇うことは、採用、教育訓練、解雇費用等が大幅に節約できることになります

1986年に施行された労働者派遣法は,1999年に大幅に規制緩和され (ネガティブリスト方式に移行)その後も改正が続いています

2000 年代の不況からの回復期に正規雇用がほとんど変化しない一方
で、派遣社員の雇用拡大が生じたことも、準固定費用モデルに整合的な社会現象であると分析できますね📝

今回の解説はいかがだったでしょうか?
労働経済学を理解することで、世の中の問題
ひいては、自分自身の労働環境について
法的な制度や基礎的な経済学の概念から考えることができるように
なると思います

なぜ、労働問題が発生するのでしょうか?ということを
心得ておくだけでも、何かビジネスや生活において有利になることは間違いないと考えます
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます💘

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エッセンシャル経済学理論集、ならびに
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