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【単位根はありますか?】非定常的な時系列モデルに対するKPSS検定の正しい理解:計量経済学✨ No.9

Introduction:計量経済学への挑戦🔥

経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍

「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います

学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです

しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥
また、正しい計量経済学の知識やデータ分析のリテラシーを会得しなければなりません💦
現実の経済データを、理論モデルと当てはめ
正しい計量手法によって実証分析できる力を醸成したら
きっと将来どこかで活躍できる人財になれる可能性を高めることに繋がると思います

実際の経済動向や政治と結びつけながら
応用できる能力がなければ
知識を持つ意義も小さくなってしまいます💦

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います

私がこれからアウトプットする
計量経済学において最重要なパートである
時系列分析のモデル理論解説を
どうぞ最後まで、ご愛読ください📖

本投稿作成における参考文献は以下の通りです

なぜ、計量経済学を学ぶのか??

計量経済学が時系列解析法を「理論なき計測」として退けるところからスタートしたことでよく知られているのです

1930年に創立された計量経済学会の規約第1条では、計量経済学は「理論的数量的アプローチと経験数量的アプローチの統一」と定義されていました📝

また、R・フリッシュによる『エコノメトリカ』創刊の辞では、「統計学、経済学、数学の三者の統合」と定義されているのです👍

このような定義においては、当時のハーバード景気予測に代表される時系列解析法への批判が強く意識されていたとされています

すなわち、それが29年の大恐慌の予測に失敗したのは,経済理論を無視し、 時系列データの形式的な解析のみに終始したからであったということです

今後はそうした「理論なき計測」の立場を退け、「理論に基づく計測」を重視していかなければならない、という見解の重要性が増しています
このような歴史を経て、計量経済学はスタートをきったのでした


そして、何よりマクロ経済変数は
その多くが互いに影響を及ぼし合う相互依存の関係にあり、また過去の変化の影響が持続するという傾向を持ちます

これらの動向を分析したり、将来を予測したりできるようになるためには、計量経済学、ひいては「時系列分析」に対する理論や正しい実証手法への理解が必要不可欠となります

「計量経済学」シリーズの投稿では、こうしたマクロ時系列変数の実証分析に必要な計量理論と手法を習得することを目的とします

これから私がアウトプットする
時系列マクロ経済分析に関する内容について
どうぞ最後までご愛読くださいね💖

前回のお復習い✨

非定常過程における時系列計量分析💛

今回は、非定常過程における時系列分析モデルを考えていくことにします
具体的には、単位根の検定、KPSS検定を実施します
参考文献は以下の通りです✨

まずは、自己回帰AR(1)過程を考えます

$$
y_t = μ+\phi y_{y-1} +u_t…①\\      \\u_t ~i.i.d(0,\sigma^2):White  Noise
$$

ただし、ut は期待値は 0 で一定の分散(σ^2)を持つホワイトノイズとします
この場合は、|Φ|<1 であれば、この過程は定常性を満たすことになります
他方は、Φ=1の場合は①式は、以下のように書き換えられます

$$
y_t = μ+y_{t-1}+u_t…②
$$

ただ、これは非定常過程です
このようにちょうど Φ=1 であるような
根は、単位根(unit root)と呼ばれます

以下では、定常性が満たされないケースとして、単位根の場合に焦点を当てることにします

いまは、初期値を y0(所与)とし
②式を逐次代入すると以下のように式変形できるようになります

$$
y_1 = μ+y_0 +u_1\\y_2=μ+y_1+u_2 \\     =2μ+y_1+u_1+u_2\\  \cdot\cdot\cdot      \\y_t =tμ+y_0+u_1+u_2+ \cdot\cdot\cdot +u_t…③
$$

③式から明らかなように
ytは定常確率変数 ut の和となっており
過去の遠いショックが時点とは独立に
同じウェイトを持って、現在の変数の動きに
影響を与えていることに注意します

$$
E(y_t) = tμ+y_0…④
$$

なお、③式の期待値は④式のようになり
ytの期待値が線形のトレンドを持つことがわかります

つまり、単位根が存在する場合には
定数項が含まれていると期待値が線形のトレンドを持つこと
がわかります

このような非定常過程を定常過程に変換するためには、階差を取れば良いのです

ここで、次の階差演算子(difference operator)を以下のように定義します💖

$$
Difference  operetor\\          \\\Delta^k=(1-L)^k…⑤
$$

したがって、⑤式を用いると以下の式を得ます

$$
\Delta^k y_t = (1-L)^ky_t …⑥
$$

この⑥式を応用すると、以下のようになります

$$
\Delta y_t = (1-L)y_t =μ + u_t …⑦
$$

⑦式の右辺は、期待値がμ、分散が有限の定常過程となります
経済データの場合には、1階の開催を取ることによって、定常過程になることが多いです

また、⑦式の定数項は、ドリフト項と呼ばれます

1階の階差を取ることによって定常過程になるとき、系列は1次の和分過程(integrated process of order one)に従っていると呼ばれます
これをI(1)過程と示すことにしましょう
なお、定常過程はI(0)過程と呼ばれています

もしd階の階差をとることによって、定常化されるのであれば、その系列はd次の和分過程といわれ、I(d)過程と示されます

また、以下のような関係も成立します

$$
Integrated  Process\\     \\x_t ~I(1),y_t~I(2)\\\to x_t + y_t ~I(2)
$$

これは、相異なる和分過程の変数を加えると、大きいほうの次数で和分された系列を取ることが知られているのです📝

今一度、以前に投稿した「非定常過程」の基礎理解を、この投稿で確認しておくことにします

KPSS検定の凄いところ🌟

In econometrics, Kwiatkowski–Phillips–Schmidt–Shin (KPSS) tests are used for testing a null hypothesis that an observable time series is stationary around a deterministic trend (i.e. trend-stationary) against the alternative of a unit root.[1]

https://en.wikipedia.org/wiki/KPSS_test

4人の計量経済学者(Kwiatkowski ,Phillips,Schmidt,Shin)によって提案された検定方法になります

これは、ADF検定と異なる点があります🙌🏻

それは、帰無仮説H0を「単位根無し」
対立仮説H1を「単位根有り」とする点が特徴になります👀

まず、次の回帰を考えていくことにします

$$
y_t = \xi t + r_t +\epsilon_t \cdot\cdot\cdot (1)
$$

ただし、εt は定常的な誤差項であり
rtは以下の式で示されるランダム・ウォークであると想定します

$$
r_t = r_{t-1}+u_t \cdot\cdot\cdot (2)\\  \\r_0 = given\\u_t ~i.i.d(0,\sigma^2)
$$

つまり、(1)式におけるytは
①確率的トレンド(ξt)
②ランダム・ウォーク(rt)
③定常的な誤差項(ut)、
という
3つの和として表されます

今一度、KPSS検定における帰無仮説と
対立仮説は、それぞれ、次の通りになります

$$
KPSS    testing \\     \\Null  Hypothesis  \\ H_0 :\sigma_u^2=0\\\to r_t  is  constant.\\    \\Alternative  Hypothesis \\  H_1:\sigma_u^2 > 0
$$

帰無仮説のもとでは
ytは確定的トレンドの周りで定常となります

また、ξ = 0 の場合には
帰無仮説のもとでは、ytは確定的トレンドを含まない定常変数となります

いま(1)式を推定して得られた残差をetで表し残差etの部分和(St)を以下の式で定義します

$$
Partial  sum  of  Residuals\\           \\S_t =\displaystyle\sum_{r=1}^t e_r   ,t =1,2,\cdot\cdot\cdot ,T
$$

このとき、検定統計量(LM統計量)は
次式で与えられます

$$
LM=\frac{1}{T^2} \displaystyle\sum_{t=1}^T \frac{S_t^2}{s^2(l)}\\       \\       \\s^2(l) \equiv \frac{\textstyle\sum_{t=1}^T e_t^2}{T}+2\displaystyle\sum_{s=1}^lw(s,l)\displaystyle\sum_{t=s+1}^T \frac{e_t e_{t-s}}{T}\\     \\where,w(s,l)=1- \frac{s}{l+1}
$$

KPSS検定統計量の臨界値を用いて
以下のように検定結果を判定します📝

$$
LM \ge KPSS_{\alpha}\to H_0  Reject\\   \\   \\LM < KPSS_{\alpha} \to H_0   Accept
$$

ただし、KPSSαはKPSS分布の上側100α%点になります

KPSS検定の臨界値は、以下となっています

回帰式の定式化において「定数項のみ」の場合
検定統計量が表中の数字よりも大きい確率(上側確率)は有意水準5%であれば、0.463
有意水準1%であれば、0.739となっています

また「定数項とタイムトレンド」を含む回帰式において、上側確率は有意水準5%であれば、0.146、有意水準1%であれば、0.216
というようになります

ADF検定とKPSS検定の特徴

最後に、前回の投稿内容と比較しながらADF検定とKPSS検定の特徴を整理して終わりたいと思います

ADF検定において
帰無仮説(H0)は「単位根あり」
対立仮説(H1)は「単位根なし」でした

しかし今回の投稿でご紹介したKPSS検定では
帰無仮説(H0)が「単位根なし」
対立仮説(H1)が「単位根あり」という
仮説検定になるのでした

本日の解説は、ここまでとします

次回は、いよいよ「単位根と回帰分析」というテーマを徹底的に考察していきたいと思います

マクロ経済学をより理解する手法としての計量経済学ならびに時系列分析の知識を一緒に得とくしていきましょう🔥

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

本日の解説は、以上とします📝

今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

また、こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!


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