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【株式会社会計 Part①】純資産と株式の発行に対する会計処理💹:エッセンシャル会計学 No.30

今回からいくつかのパートに分割して、株式会社会計について学びます📚
この株式会社会計においては、主に純資産に関する会計処理をメインに扱っていくことになります。

まずは、純資産の概要から整理し、株式の発行に対する具体的な仕訳について例題演習を含めて、一緒に勉強していきましょう🔥

会計・財務についてもっと学びたい🔥

会計業務や経理、財務、簿記についての基本的な知識を持つことは、ビジネスパーソンにとって重要であると感じています。

今後、定期的に投稿していく【エッセンシャル会計学シリーズ】では、会計業務の重要性から経理や財務の役割まで、私が勉強したことをわかりやすくアウトプットしていきたいと思います🔥

さらに、経理業務の具体的な内容や財務業務の目的、簿記の種類と特徴についても詳しく掘り下げていきたいです💛
そして、日商簿記検定2級合格を最終的な目標として会計学を勉強していきたいと思います!

ビジネスにおける財務情報の管理や経営判断の基盤となる知識を身につけるため、ご一読いただけますと幸いです💖

前回のお復習い📑

純資産の定義💎

純資産とは、資産から負債を差し引いた残額のことをいいます。

日商簿記3級では「資本」でしたが、日商簿記2級以降は「純資産」となります。
イメージとして、貸借対照表の右下の部分であると言えるでしょう!

$$
\\貸借対照表\\\begin{matrix}\\資産&負債\\1,000 &500\\&純資産\\&500\\     \end{matrix}
$$

また、貸借対照表における純資産の部は次の赤線でハイライトされば箇所ようになります。

出所:該当リンク

なお、資本準備金とその他資本剰余金を合わせて、資本剰余金と言います。
また、利益準備金、○○積立金、繰越利益剰余金を合わせて、利益剰余金ということを覚えておきたいですね。

そして、純資産の部の内訳については「株主資本」「評価・換算差額等」の2つに区分されます。
株主資本とは、純資産の金額のうち、株主に帰属する金額のこと
評価・換算差額等とは、純資産の金額のうち、株主にまだ帰属していない金額が該当します。
※なお、日商簿記2級での範囲は「その他有価証券評価差額金」のみとなります📝

また、株式資本は、元手と利益に分類されます。
株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金に区分されています。
ここで、資本金と資本剰余金は会社の元手を意味し、利益剰余金は稼ぎ出した利益を意味していることを確認しておきます!

株式発行時の会計処理🔥

株式会社は、会社設立時に株式を発行することで会社の元手となる金額を調達します。
また、会社設立後に追加の元手を調達する場合、増資を行い、追加で株式を 発行します。

そして、会計処理としては、問題文に特段指示がない通り、原則処理で行います。
ここで、原則処理とは、株式の発行により払い込まれた金額は、原則としてその全額を「資本金」勘定 (純資産)とすることになります!

しかし、会社が従うべき法律に会社法があります。
以下では、容認処理という会計処理について整理します。

会社法では、会社規模が大きいほど 規制を強くする決まりが定められています。会社の規模の大きさの判断基準の1つが「資本金」勘定(純資産)の金額です。これは、多額の資本を調達した会社ほどその規模が大きいという考え方に基づいていると言えるでしょう。
そのため、事業をより成長させるべく多額の資本を集めるほど、規制が強くなるという側面があるのです。当然、影響力もありますからね…

これでは会社が資金調達することに消極的になり、 会社の健全な発展を阻害する可能性があります💦 
これらを勘案し、会社法では、株式発行時における「資本金」勘定の計上額を少なくしていいという以下のような具体的な定めが設けられています。

$$
\\「資本金」勘定の増加額は\\
払い込み金額の1/2以上であれば良い!
$$

つまり、「資本金」勘定の増加額を最も少なくしたい場合には、払込金額の 1/2を「資本金」勘定に計上することとなります。
また、資本金に計上しなかった金額は「資本準備金」勘定(純資産)とします。

このような容認処理に基づく増資の仕訳例題を以下で演習します!
増資を行い、500,000円が当座預金口座に払い込まれた。
なお、資本金計上額は会社法で認められる最低額とした。

$$
\\解答\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\当座預金:500,000&資 本 金:250,000\\&資本準備金:250,000\\       \end{matrix}
$$

このように、払込金額の1/2を資本金としている点がポイントです💛
今回のまとめは2点あります。
①特段指示がない場合、払込金額の全額を資本金とすること
「資本金計上額は会社法規定の最低額」という指示がある場合、払込金額の1/2を資本金とし、もう半分の金額は、資本準備金とすること、です📝

増資の具体的手続き(プラスα)

以下では、増資の具体的手続きに対する仕訳の要点を整理します。
ポイントは、2点あります。
①申込期間中に払い込まれた金額は「別段預金」勘定(資産)と「株式申込証拠金」勘定(純資産)で処理すること。
②申込期日となりましたら「別段預金」勘定を「当座預金」勘定(資産)に「株式申込証拠金」 勘定を「資本金」勘定(純資産)(または「資本金」勘定および「資本準備金」勘定(純資産))へ振り替えること。

それでは、以下の仕訳例題を演習しましょう!
次の取引について、仕訳を示しなさい。
⑴取締役会決議で50,000円の増資を行うことを決議し、申込期間中に 50,000円全額を申込証拠金として受け入れ、別段預金とした。
⑵ 払込期日となったため、別段預金50,000円を当座預金とし、申込証拠金50,000円を資本金・資本準備金へ振り替えた。
なお、資本金計上額は会社法規定の最低額とする。

$$
\\解答\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1)&別当預金:50,000&株式申込証拠金:50,000\\(2)&当座預金:50,000&別当預金:50,000\\&株式申込証拠金:50,000&資本金:25,000\\&   &資本金:25,000\\       \end{matrix}
$$

上記の問題より会計処理についての補足します。
申込期間中に受け取った申込証拠金は別段預金とするため「別段預金」勘定(資産)の増加とします。
また、その相手勘定は「株式申込証拠金」勘定(純資産)と します。
「株式申込証拠金」勘定は、内容としては預り金であるため本来負債とすべきですが…
すぐに資本金に振り替わるため純資産の勘定科目として扱われま す。

そして、払込期日になったら増資が完了するため、別段預金としていたものを当座預金など通常の預金とします。
よって「別段預金」勘定(資産)から「当座預金」勘定(資産)へ振り替えます。
また、同時に「株式申込証拠金」勘定(純資産)から「資本金」勘定(純資産)に振り替えます。

株式発行に伴う諸経費等💴

会社の設立時、設立してから営業開始まで、増資時、それぞれにおいて諸経費がかかります💦

例えば、以下のような費用の具体例があると言えるでしょう!!

$$
\\\begin{matrix}\\①創立時&②創立から営業開始まで&③増資時\\約款作成費用&物件の賃借料&株式発行費用\\株式発行費用&従業員の給与&\\発起人の報酬&広告宣伝費&\\創立登記の登録免許税\\     \end{matrix}
$$

なお、定款(ていかん)とは、会社の事業内容や会社名、本店所在地といった会社の根本事項を定めた規則のことです。
そして、設立登記とは、会社設立のために、会社の事業内容や会社名などを法務省に登録することです。
また、設立登記の際に係る税金を登録免許税といいます。

以下の例題で演習しましょう!
次の取引について、仕訳を示しなさい。
⑴会社設立に当たって、株式の発行手数料50,000円を現金で支払った。
⑵増資に当たって、株式の発行手数料30,000円を現金で支払った。

$$
\\解答\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1)&創 立 費:50,000&現金:50,000\\(2)&株式交付費:30,000&現金:30,000   \end{matrix}
$$

総じて、①会社設立時に生じた費用は「創立費」勘定(費用)で処理すること
②会社設立後から営業開始までに生じた費用は「開業費」勘定(費用)で処理すること
③会社設立時の株式発行費用は「創立費」勘定で処理し、会社設立後の株式発行費用(増資の株式発行費用)は「株式交付費」勘定(費用)で処理すること、の3点をしっかり覚えておきましょう🔥

本日の解説は、ここまでとします!
次回は、株式会社会計Part②において「株主資本の係数の変動」などを中心にアウトプットしますので、ぜひご覧ください✨

私が考える会計学を学ぶ意義💖

会計知識は、経理や会計士だけが理解していればいいというわけではありません🔥

なぜならば会計は、経理や監査法人の会計士だけではなく、営業や管理職、経営全般まで、会社に所属している全て人にとって必須の知識であると考えているからです!

ほとんどすべての会社は、営利団体であると思われます!
つまり、ボランティアではなく、利益を追求し、事業活動を行い、会社は成長していくことを本質的な目的にしていることでしょう。

私も株式会社に就職を予定している以上、利益の出る仕組み、お金の流れは確実理解をしておく必要があることを自覚しています。

例えば、営業マンだとしても、売上の目標や予算作成に関わることがあると思います!
そして、その予算の仕組みも、売上の処理も、全て会計が関係しているのです。
また、営業の売上は経理が処理をし、会社の利益がいくらになるかを算出していくことになります!

総じて、会計を知ることで、会社にどれほどのインパクトをもたらしているのかを把握でき、予算の作成においても精緻に行えるようになると言えますね💖
また、数字に強くなり、定量的な分析に基づく思考法やビジネスが行えるようになるでしょう。

そして、会計の知識を洗練していけば将来的に経営者の視点を手に入れることができると思いますので、新規プロジェクトにアサインされたり、昇格のきっかけにもなり得るかもしれません🔥

会計の基礎知識である「財務3表の理解」を中心に理解を深め、財務3表とは何か?
これを見て、何をどう判断するのか?などを考えていきたいですよね
この知識があるのとないとでは、今後の仕事の仕方が大きく変わることに間違いはないでしょう。

これからの時代はグローバルに活躍できる人材というのがより一層求められると思います!
私の投稿でも会計の基礎を身に着けるのであれば、英語も交えて知識をつけると、今後ますます活躍できるフィールドが広がっていくと考えていますので、グローバルスタンダードにも挑戦していくことにしましょう🔥

なお参考資料は以下の通りです。

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こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
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今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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