見出し画像

【負債性引当金の登場✨】将来に費用の発生が見積もられる場合の会計処理🏦:エッセンシャル会計学 No.29

今回は「引当金」について学習します📚
将来に費用の発生が見積もられる場合において、その原因が当期以前の事象にある場合、その将来の見積額は当期の費用とします。
引当金とは、その際の貸方項目をいいます。

日商簿記3級で貸倒引当金を学習しましたが、貸倒引当金以外に様々な引当金についてインプットしていくことにしましょう!


会計・財務についてもっと学びたい🔥

会計業務や経理、財務、簿記についての基本的な知識を持つことは、ビジネスパーソンにとって重要であると感じています。

今後、定期的に投稿していく【エッセンシャル会計学シリーズ】では、会計業務の重要性から経理や財務の役割まで、私が勉強したことをわかりやすくアウトプットしていきたいと思います🔥

さらに、経理業務の具体的な内容や財務業務の目的、簿記の種類と特徴についても詳しく掘り下げていきたいです💛
そして、日商簿記検定2級合格を最終的な目標として会計学を勉強していきたいと思います!

ビジネスにおける財務情報の管理や経営判断の基盤となる知識を身につけるため、ご一読いただけますと幸いです💖

前回のお復習い📑

引当金の概要🔖

引当金には、資産の控除項目となる評価性引当金と、負債となる負債性引当金の2種類があります。
評価性引当金は貸倒引当金のみで、それ以外の引当金は負債性引当金に該当します。
引当金には様々ありますが、日商簿記2級では、以下の引当金について学習します。

貸借対照表
資産の部:評価性引当金
貸倒引当金 △×××

負債の部:負債性引当金
・修繕引当金
・賞与引当金
・役員賞与引当金
・商品保証引当金
・退職給付引当金

頻出テーマである"貸倒引当金"💰

貸倒引当金は、引き続き出題頻度の高い論点です。
以下では、一括評価と個別評価について整理します。

複数の取引先に対して債権がある場合において、取引先別に区別することなく一括して貸倒見積高(貸倒引当金の設定額)を算定する方法を一括評価といいます。 経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権に対しては、一括評価を行います!
※日商簿記3級でも一括評価により算定していましたが、日商簿記2級においても特段指示がなければ、一括評価を採用していきます🔥

また個別評価については以下の通りです。
債務者である取引先の経営状態に重大な問題が生じていて、貸倒れる可能性が高 い場合は、取引先の状況を考慮して、個別に貸倒見積高を計算します。この方法こそが、個別評価です。

個別評価において、担保の設定や保証契約があるときは、これらの金額を控除したうえで貸倒見積高を計算することになるのです。

$$
\\個別評価における貸倒見積高の算定=\\(債権残高-担保の処分見込額-保障による回収見込額)×設定率
$$

このように、担保の処分見込額と保証による回収見込額は、相手が倒産した場合に、当社が回収できる金額を意味しているのです。
何より、個別評価の際は、債権金額から担保の処分見込額などを控除した金額に対して設定率を乗じることを覚えておきましょう!

以下の例題を参考にしながら、理解していきましょう!
決算日(X3年3月31日)となったため、決算整理手続きを行う。
そこで、次の資料に基づいて、決算整理仕訳を示し、財務諸表を作成しなさい。
決算整理前残高試算表
借方残高 売掛金:100,000
貸方残高 貸倒引当金:200
・売掛金のうち、20,000円はA社に対するものである。X社は経営状態に重大な問題が生じているため、担保の処分見込額5,000円を控除した残額の40%を貸倒見積髙とする。
・その他の売掛金については、 債権金額の2%を貸倒見積高とする。
・会計処理は差額補充法による。

$$
\\解答\\
\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\貸倒引当金繰入:7,400&貸倒引当金:7,400     \end{matrix}\\            \\貸借対照表:X3年3月31日\\売掛金:100,000\\貸倒引当金:△7,400 92,600\\      \\損益計算書:X2年4月1日~X3年3月31日\\
貸倒引当金繰入:7,400
$$

$$
\\導出過程\\
1.貸倒見積高の算定\\
対X社売掛金:(売掛金20,000-担保5,000)×40%=6,000\\
その他の売掛金:(売掛金総額100,000-対X社20,000)×2%=1,600\\貸倒見積高:6,000+1,600=7,600\\     \\2.貸倒引当金繰入\\貸倒見積高7,600-前T/B貸倒引当金200=7,400
$$

営業外債権に対する貸倒引当金

売掛金や受取手形といった、商品の販売により生じた債権を営業債権(または売上債権)といいます。対して、貸付金や未収入金といった商品の販売以外から生じた債権を営業外債権といいます。
営業外債権についても、貸倒れの可能性が見積もられる場合には貸倒引当金を設定することになるのです📝

その他の引当金(負債性引当金)💎

以下で学習する引当金は、全て負債となります。
貸倒引当金(評価性引当金)と異なり、どの引当金も負債である(負債性引当金)点に注意しましょう📝

修繕引当金

保有する有形固定資産の修繕(収益的支出)を毎期定期的に行っている場合において、資金不足等の理由により当期に行うべき修繕を翌期に行うことがあります。
この場合、その費用は当期に原因があります。
したがって、当期の費用として計上するのです📝

以下の仕訳例題で、内容を確認しましょう。
次の取引および決算整理事項について、必要な仕訳を示しなさい。
⑴決算に際して、建物に関する修繕引当金200,000円を計上する。
⑵翌期に、建物の修繕を行い、現金280,000円を支払った。

$$
\\解答\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額 \\(1)&修繕引当金繰入:200,000&修繕引当金:200,000\\(2)&修繕引当金:200,000&現金:280,000\\&修 繕 費:80,000      \end{matrix}
$$

修繕引当金に関する要点整理として、以下のようになります。
翌期以降に見込まれる修繕費のうち、当期に原因がある金額は、決算に際して「修繕引当金繰入」勘定(費用)と「修繕引当金」勘定(負債)を計上するのです!

賞与引当金・役員賞与引当金

賞与とは、いわゆるボーナスのことです。従業員賞与は、一定期間(賞与の計算 期間)働いた従業員に対して、月給とは別に支払われます。
賞与を支払った場合、「賞与」勘定(費用)の発生とします。

賞与の計算期間の途中で決算日が到来した場合、翌期に支払う賞与のうち当期に帰属する分(当期経過分)は当期に原因があるのです。
よって、当該金額は当期の費用として計上していきます。
また、賞与引当金の計算は月割計算により算定することが可能です📝
なお賞与引当金の設定額は、翌期に支払う賞与の見積額のうち当期に帰属する金額となります。
$${賞与引当金:賞与見積×当期経過xヶ月/計算期間nヶ月}$$

以下の例題を演習して、整理しましょう!
次の決算整理事項について、必要な仕訳を示しなさい。
⑴決算に際して、賞与引当金100,000円を計上する。
⑵決算に際して、役員賞与引当金50,000円を計上する。

$$
\\解答\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1) &賞与引当金繰入:100,000&賞与引当金:100,000\\(2)&役員賞与引当金繰入:50,000&役員賞与引当金:50,000    \end{matrix}
$$

総じて、以下の2点を覚えておきましょう💛
①翌期以降に見込まれる従業員賞与のうち、当期に原因がある金額は、決算に際して「賞与引当金繰入」勘定(費用)と「賞与引当金」勘定(負債)を計上すること
②役員に対する賞与引当金は「役員賞与引当金繰入」勘定(費用)と「役員賞与引当金」 勘定(負債)で処理すること

退職給付引当金

従業員が退職した場合、会社は退職金を支払います。退職金は勤務期間に応じて支払うものであり、給料の後払いとしての性格があります。

そのため、退職時に支払う退職金のうち、当期帰属分は当期の費用とします。
なお、退職給付引当金だけは「退職給付引当金繰入」勘定ではなく「退職給付費用」勘定を用いることになりますので、要注意です📝

次の取引および決算整理事項について、必要な仕訳を示しなさい。
⑴決算に際して、退職給付引当金500,000円を計上する。
⑵従業員の退職に際し、退職金円49,000を現金で支払った。

$$
\\解答\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1)&退職給付費用:500,000&退職給付引当金:500,000\\(2)&退職給付引当金:49,000&現     金:49,000    \end{matrix}
$$

何より、翌期以降に退職金の支払いが見込まれる場合、当期に原因がある金額は、決算に際して「退職給付費用」勘定(費用)と「退職給付引当金」勘定(負債)を計上することがポイントですね💛

商品保証引当金

販売した商品に初期不良等がある場合、一定期間内であれば無料で修理に応じる保証を行う場合があります。
修理依頼があり修理費用を支払った場合、「商品保証費」 勘定(費用)の発生とします。

この論点も以下の例題を演習します!
次の取引および決算整理事項について、必要な仕訳を示しなさい。
⑴決算に際して、商品保証引当金380,000円を計上する。
⑵翌期に、商品の修理を行い、修理代金400,000円を現金で支払った。

$$
\\
解答\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1)&商品保証引当金380,000円 &商品保証引当金:380,000\\(2)&商品保証引当金:380,000&現金:400,000\\&商   品   保   障   費:20,000   \end{matrix}
$$

ポイントを整理しますと、翌期以降に見込まれる商品の修理代金のうち、当期に原因がある金額は、決算に際して「商品保証引当金繰入」勘定(費用)と「商品保証引当金」勘定(負債)を計上していくということです💛

また、支出時において、翌期に保証費用を支払った場合、「商品保証引当金」勘定(負債)を取り崩します。
また、商品保証引当金を超える支出をした場合、その金額は支払った期の費 用とするため「商品保証費」勘定(費用)で処理する点を覚えておきましょう。

本日の解説はここまでとします!
2月に試験本番にチャレンジできるように、気合い入れていきます🔥

私が考える会計学を学ぶ意義💖

会計知識は、経理や会計士だけが理解していればいいというわけではありません🔥

なぜならば会計は、経理や監査法人の会計士だけではなく、営業や管理職、経営全般まで、会社に所属している全て人にとって必須の知識であると考えているからです!

ほとんどすべての会社は、営利団体であると思われます!
つまり、ボランティアではなく、利益を追求し、事業活動を行い、会社は成長していくことを本質的な目的にしていることでしょう。

私も株式会社に就職を予定している以上、利益の出る仕組み、お金の流れは確実理解をしておく必要があることを自覚しています。

例えば、営業マンだとしても、売上の目標や予算作成に関わることがあると思います!
そして、その予算の仕組みも、売上の処理も、全て会計が関係しているのです。
また、営業の売上は経理が処理をし、会社の利益がいくらになるかを算出していくことになります!

総じて、会計を知ることで、会社にどれほどのインパクトをもたらしているのかを把握でき、予算の作成においても精緻に行えるようになると言えますね💖
また、数字に強くなり、定量的な分析に基づく思考法やビジネスが行えるようになるでしょう。

そして、会計の知識を洗練していけば将来的に経営者の視点を手に入れることができると思いますので、新規プロジェクトにアサインされたり、昇格のきっかけにもなり得るかもしれません🔥

会計の基礎知識である「財務3表の理解」を中心に理解を深め、財務3表とは何か?
これを見て、何をどう判断するのか?などを考えていきたいですよね
この知識があるのとないとでは、今後の仕事の仕方が大きく変わることに間違いはないでしょう。

これからの時代はグローバルに活躍できる人材というのがより一層求められると思います!
私の投稿でも会計の基礎を身に着けるのであれば、英語も交えて知識をつけると、今後ますます活躍できるフィールドが広がっていくと考えていますので、グローバルスタンダードにも挑戦していくことにしましょう🔥

なお参考資料は以下の通りです。

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです。

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました
🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

業界あるある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?