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どうやって災害を乗り切るか【地震の科学館】

南海トラフ地震が起きたときどんな対策をすればいいのか?地震の発生リスクが高まっていることは知っているけど、何から対策をすればいいかいまいちよくわかりませんでした。そこで、地震を専門に学べる博物館を訪れてどうやって地震に備えるかや地震が起きたときにどんな行動をすればいいのかを学んでみることにしました。


地震の科学館

無料で深く災害対策を学ぶ

東京都北区防災センター(地震の科学館)の外観

訪れたのが東京都北区防災センター(地震の科学館)で、東京メトロ南北線の西ヶ原駅から3分のところにあります。バイクや自転車で行くときは地震の科学館の前に駐輪できました。

開館時間は午前9時から午後5時までで、入場料は無料でした。お盆休み中はとても暑かったので遅めの時間帯にいきました。遅めの時間帯だったからか人はあまりいなかったのでゆっくりと展示物を見れました。

予約すれば関東大震災や阪神淡路大震災の地震や煙が充満した部屋を体験できますので、気になった方は下の記事を確認してみてください。

入館直後に衝撃の光景

地震直後の様子の展示

館内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは、地震が発生した直後の台所の様子を再現した展示でした。そのエリアは限られたスペースだったのですが、リアルに地震が起こった後のような衝撃を受けました。食器棚が倒れ、床に散乱する食器やガラスの破片、そして破損した調理器具。そのすべてが地震の恐ろしさを物語っていました。

散らかり具合がとてもリアル

もしこれが自分の部屋や実家で起こっていたらと思うと、想像するだけで胸が締め付けられるような思いがしました。過ごしていた場所が地震によって一瞬で崩壊する可能性を目の当たりにして、対策を真剣に考えなければならないという決意が一層強まりました。

国内で起きた地震

国内の地震一覧

地震を再現した展示のエリアを抜けて進むと、日本国内で発生した地震の一覧が並べられたパネルがありました。日本が地震大国であることは誰もが知っていると思うのですが、震災の記録が記載された多くのパネルを見ると、その頻度と規模に改めて驚かされました。

各地で発生した地震のデータが年月ごとに整然と並べられていて、震度や被害の規模が一目でわかるようになっていました。こうして一覧として展示されていると地震がいかに身近な脅威であるかがリアルに感じられました。「いつか来るかもしれないもの」ではなく、「いつでも起こり得る現実」であることを強く意識せざるを得ませんでした。

地震のメカニズム

一目でわかる地震のメカニズム

地震のメカニズムコーナー

地震の仕組みを解説するコーナーは地震の仕組みを実験で体験できるようになっていました。特に印象的だったのは、子どもたちにも理解しやすいように工夫された展示内容と、実際に手を動かして体験できる簡単な実験キットの数々です。

たとえば、液状化現象を再現する実験ではペットボトルを使って砂と水の関係性を目で見える形で表現していました。ペットボトルには空気が入ったボールと砂、水が入っていて、ひっくり返して振動させると砂が液状化してボールが浮かんできました。シンプルながらも液状化現象を直感的に理解させてくれる実験でとても理解しやすかったです。

地震に対する建物の耐性を比較する実験もありました。構造物にバッテン印の構造を持つ建物とそうでないものでそれぞれ揺らして強度を比較する実験でした。結果はバッテン印がある構造の方が揺れに強く最後まで建物が崩れませんでした。この実験を通じて耐震構造を採用する重要性が体感的に理解できました。

専門的な知識を持たない方でも地震のメカニズムを深く理解できるように工夫されていたので地震に対する知識と防災意識を高められるいいきっかけでした。

液状化で何が困るの?

液状化現象の説明パネル

特に印象に残ったのは、液状化現象のパネルでした。最初は「液状化」と聞いても具体的にどのような問題を引き起こすのかあまり理解していませんでした。しかし、この展示を通じて液状化は地震によって引き起こされる非常に深刻な現象の一つであることを実感しました。

液状化が発生すると地下に含まれる水分が地面へ押し出されます。このとき細かい砂粒も地面へ移動して、通常時は安定していた地盤が急激に崩れます。この現象が起こると、地下に埋設された配管やタンクが地上に浮き上がってしまいます。これによって、配管が破損して日常生活に欠かせない水道や下水道が機能しなくなります。地震の後に生活インフラが麻痺する理由の一つがこれだったんだと、深く納得させられました。

今年発生した能登地震でも、広範囲で液状化現象が確認されています。多くの家屋やインフラが被害を受けました。

自分の住む街の地盤の性質や建物の構造を確認してから住むのを決めても遅くはないですね。

ちなみに、安全な賃貸を探す方法や信用できる不動産屋さんの探し方を記事にしているのでよかったらこっちの記事も参考にしてみてください。

大災害が起きたらどうするのか

どこに避難すればいいの?

避難所のパネルとジオラマ

避難所に関するコーナーでは、災害時における避難所の役割や、そこで用意される物資の詳細が丁寧に説明されていました。展示の中でも特に目を引いたのは、避難所のジオラマでした。避難所での生活がどのように営まれているかをリアルに再現されていて、避難生活の全体像が一目で理解できるようになっていました。避難所での生活の流れや、物資の配給、仮設トイレの設置場所など、細部にわたるまでが描かれており、災害時にどのような生活を強いられるのかが具体的にイメージできました。

ちなみに、避難所は、災害発生後に被災者が一定期間生活を送る場所として機能しますが、避難場所は、災害を一時的に回避するための場所として設けられています。多くの地域では小学校や中学校が避難所に指定されているので、災害に直面してどこに避難すべきか迷ったときはまずは最寄りの小学校や中学校を目指すことで安全を確保できると覚えておきましょう。

避難所は、避難のための一定の広さと、被災後の生活再建の拠点となるための建物を持ち合わせた施設が事前に地域防災計画の中で指定されています。一般的には、公民館などの集会施設や学校などの公共施設が指定されている場合が多いです。内閣府が全国の自治体を対象に行った調査でも、全体の95.4%の自治体が小・中学校、78.6%の自治体が公民館を避難所として指定していることが分かりました。

避難所と避難場所の違いと種類別の特徴、災害時にどちらに逃げるべきかを解説! | 空飛ぶ捜索医療団

どんなものを備えておけばいいの?

家族4人分で3日間生活するのに必要な食料品目安

災害用の食品展示コーナーでは、家族4人が3日間生活できることを想定して備蓄された食料品が展示されていました。日常ではスーパーやコンビニでいつでも簡単に食料を手に入れることができますが、大規模な災害が発生した場合、これらの供給網が一瞬にして機能不全に陥る可能性が高いのです。そうなると、食料をはじめとする生活必需品の確保がとても難しくなります。

展示には、缶詰やレトルト食品など、災害時に必要とされる基本的な備蓄品が並べられていました。政府の公式オンラインサイトでは、災害発生時に備えて、少なくとも3日分、できれば1週間分の食料を家庭で備蓄しておくことが重要と記載されていました。

この展示を通じて、備蓄食品の選び方やその量についてより具体的にイメージすることができました。

大人2人分の場合
必需品
・水 2L×6本×4箱(1人1日3L程度)
・カセットコンロ、ボンベ×12本(1人1日1本弱程度)
主菜
・肉・野菜・豆などの缶詰×18缶
・牛丼の素やカレーの素などのレトルト食品×18個
・パスタソースなどのレトルト食品×6個
主食
・カップ麺類×6個
・パックご飯×6個
・乾麺(そうめん300g×2袋、パスタ600g×2袋)
副菜と果物
・梅干し、漬物、日持ちする野菜類
・野菜の缶詰、野菜ジュース
・りんごやみかん、柿など日持ちのする果物
・果物の缶詰
・果物のジュース
・ドライフルーツ
その他
・あめ、チョコレートなどの嗜好品
・みそ、しょうゆなどの調味料
・インスタントみそ汁や即席スープ

いつもの食品で、もしもの備えに!食品備蓄のコツとは? | 政府広報オンライン

最近では防災で必要な食品やグッズがセットになったバックが販売されて、中には女性用の防災グッズセットもあったりします。こうした防災セットは必要なものが網羅されているため、初心者でも簡単に準備しやすく、すぐに持ち運んで避難できるので災害への不安を軽減できます。

防災バッグ 【 防災士が監修した 防災セット 】

災害が発生した瞬間、多くの人々はパニックに陥り、冷静な判断が難しくなります。そんな中、あらかじめ防災バッグを用意しておけば「これさえ持っていれば安心」という心の余裕が生まれます。パニックにならないためにも防災グッズを揃えておいた方がいいですね。
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トイレはどうすればいい?

トイレのパネル

大規模な自然災害が発生すると、水道や下水道の機能が停止したりします。特に避難所のトイレ問題は深刻な状況になります。トイレの問題はただの不便さにとどまらず、健康や衛生面においても大きなリスクを伴います。

今年起きた能登半島地震で被災した石川県輪島市の避難所では被災当日の夜にトイレの水が流れなくなり、前の利用者が残した排泄物がそのまま残っている状態で、次の人が用を足さなければならないという不衛生な環境が生まれてしまいました。

2日目以降は凝固剤で排せつ物を処理するトイレが用意されていましたが、避難所には当時約300人がいたので1回分を数人で使う状態だったと言います。このような状況は、避難所にいる人々にとって精神的にも肉体的にも非常に厳しいものでした。

大正大の岡山朋子教授が熊本地震の被災者234人を対象に実施した調査(NPO法人日本トイレ研究所が協力)によると、災害発生後3時間以内にトイレに行きたくなった人の割合は、回答者195人のうち39%を占める。「6時間以内」を合わせると、73%に上った。
(中略)
今回の能登半島地震でも、避難した先に十分な備えがなく、住民が外で用を足したり、携帯トイレを複数人で使ったりしたケースが相次いだ。加藤代表は「やむを得なかったとはいえ、衛生面や防犯面のリスク、人権尊重の観点から見ても、そんなことを今後も繰り返してはならない」と強調。「トイレの問題は感染症や排せつの我慢を招き、災害関連死の原因にもなる」と警鐘を鳴らす。

なぜ繰り返す?被災地トイレ問題◆記者が見た現実、最初に必要なのは… | 時事ドットコム
簡易トイレ

避難所での生活環境が悪化すると感染症の流行や衛生状態の悪化につながり二次災害になりかねません。自分の簡易トイレを用意しておくことでしっかり衛生管理できます。被災後の状況も頭に入れながらより良い備えを整えておくことが重要になります。
詳細はこちら

まとめ

地震の科学館をきっかけに地震のメカニズムや被災後の状況を学ぶことができました。これを機に災害時に必要なものを揃えたり安全な場所を確認するなど次のアクションに繋げていこうと思いました。みなさんもぜひ機会があれば地震の科学館を訪れてみてください!



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