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石の上にも

気がつけば、節目の年を迎えることになっていた。
二つある。

一つは、日光門前の東町地区で進む街路拡幅整備事業が着工から20年という節目を迎えること。
全体で6つの工区(※)があり、現在は4つ目。折り返しを過ぎたあたり、と言って良いだろう。
一つの工区に平均5年。
歩道は拡がり、電柱は無くなり、電線は地下へ。
特別な街路灯も設置された。
東武日光駅前からの眺めも大きく変わった。

(※今後の整備予定区間は当初予定されていた二つの工区が一つの工区として進行する可能性がある。)

20年。
人も入れ替わり、店のラインナップも徐々に変わり、沿道の建物ももちろん変わり、結果風景は大きく変わった。
まさに、時代。

冷静な検証と評価をするべき時だろうと思う。

二つめは、「日光の社寺」が世界文化遺産に登録されてから25年。
四半世紀。
日本の世界文化遺産は、1993年(平成5年)の法隆寺にはじまり西の方にボトムがあって、東日本では日光の登録が最初だった。


1999年、平成11年。
当時私は大学生で、大学のある山形にいた。
登録決定のニュースと実家から電話で届く地元の様子を横目に、熱気までは"実感"できずにいた。
それでも、卒業制作のテーマを自分のまち「日光門前」にするきっかけのひとつにはなった。
日本国内の世界文化遺産の登録状況は、以降東日本でも平泉、富岡、東京(コルビュジエ)…とひろがり、北海道・北東北の縄文遺産まで登録されたことで、今や北海道から沖縄まで様々な時代の遺産が登録されている。

この間に、世界文化遺産地域連携会議という日本中の世界文化遺産に関係する地域や団体等で組織された会議体にもお誘いいただき、ありがたいことにたくさんの繋がりを持てた。

まちづくりはなかなか形になるものではない、と私は度々言ってきている。

一日にして成らず、というが、この場合は二、三年にして成らず、である。

気がつけば、続けていられた。
意地でもあった。

「まち」の時間の単位は、これくらいのものなのかもしれない。
すなわち、まちづくりの単位。

石の上にも三年、、、ではまだ足りない。

重荷を負うて、遠き道を行くが如し。

気が遠くなる必要はなく、目の前のひとつひとつを大切にすることと、適度な熱量があればまあなんとかなるだろう。

さて、次の20年、25年はどんな時代になるだろうか。

苔のむすまで。

NPO法人日光門前まちづくりnote部 | 岡井 健(世話人)

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