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〇〇一筋30年? 「メンバーシップ型で採用されたあなたが、いつの間にか「(社内)専門家」になってるよ!なぜなの?」の問題について

 医師、弁護士、航空操縦士、建築士など、専門職として採用された方が、秀でた職能をさらに磨き上げていく。これはわかるのです。

 ただ、メンバーシップ型で採用され、入社したにもかかわらず、その後「一つのジョブ」の「プロフェッショナル」として働いているビジネスパーソンが多いことが疑問。

 営業、企画、経営、人事。

 やわらかく表現すると、OJT で様々な職種を経験していく可能性を持っていたのに、ある時点での「適材適所」判断で、与えられた「職務」を全うしていくようになるのです。

 「営業一筋30年!」

 「経理のことなら、私に任せてください。」

  ふむふむ。

 入社後に「専門人材化」「プロフェッショナル化」するということですね。ひとまずは、素晴らしいです。入社後に与えられた職務で専門性を磨き上げ、プロフェッショナル人材になることは、十分にあり得ます。理想なのかもしれません。期待されたポテンシャルを最大限に育て、伸ばし、専門人材化して、高いアウトプットを出し続けていく。これ自体は、全く悪いことではないです。

 しかし、長年同じ業務をこなす人が、「専門人材」「プロフェッショナル」というわけではありません。ここがポイントです。

 というのも実態は、プロフェッショナルではないのに、社内プロとして振舞うビジネスパーソンが大半を占めている。ここに日本企業が抱える病があります。職能を磨き上げているわけでもないのに、専門人材化しているビジネスパーソンが多い。

 〇〇一筋は、もう古い。それでは生き残れないのですよ。逃げ切れないのです。

ウィズコロナで露呈したのも、「社内専門家」が目の前の業務を奪われたときに、どうにもこうにも低パフォーマンス化してしまったことです。

 なぜなら、いつの間にか、自らの「職務範囲」を決めてしまっているからです。目の前の業務をそつなくこなすことで、「社内専門家」の役割を死守し続けてきたからですね。

ミドルシニアのビジネスパーソンの生産性が低い。この問題を考え抜いていくと、この「〇〇一筋」「社内専門家」の意図せざる結果に起因しているのだと私は考えています。

たいして、職能をアップデートしていなくても、「これまでの勤務時間の蓄積」がある。年功序列の恩恵によって、「社内専門家」したことに対する自覚が低い。

社内で一つの業務に任されているなら、まずは、その職能をプロフェッショナルとして磨きましょう。ただ、同時に、「外」にでましょう。

異業界や異業種の人の働き方に学びましょう。私は、自分の専門知識を学生に教えていくだけの「職務」に、危機感を感じています。自分自身に成長がないからです。自分が書いた「教科書」を毎年、使い続けるなんてあり得ません。自分自身に変化がないからです。

だから、常に「外」をむいています。新しいことに挑戦している人たちと試行錯誤を続けていく。守備範囲を決めずに、挑戦します。

「社内専門家」したことで、実は、パフォーマンス下がっているのではないかと危惧する人に向けて書いたのが、「プロティアン」です

変幻自在に自らキャリアを形成していくキャリア理論です。重要なポイントとして、私が繰り返し伝えているのは、「外」に出るとは、必ずしも「転職」を意味するわけではないということなのです。

「中」にいながら、「外」に出る。越境学習の機会をまずは、つくってみましょうということなのです。

 メインに対するサブとしての「副業」ではなく、複数の職務を全うする「複業」に私はすごく可能性を感じています。

 メンバーシップ型からジョブ型へと日本型雇用が変わりつつありますね。ジョブ型採用が、〇〇一筋を生み出す温床となるなら、この国が抱える生産性は、さらに低くなるはずです。なぜなら、メンバーシップ型雇用で、数年でジョブローテションを繰り返していく「社内プロティアン」の機会も無くなってしまうからです。

 〇〇一筋はもう古い。メンバーシップ型からジョブ型へも不十分。これから私たちビジネスパーソンが意識すべきことは、

 マルチジョブ型 だと言えるでしょう。

 そんなビジネスパーソンを一人でも多く増やしたい。気づきを共有していきたいという思いを込めて設立したのが、一般社団法人 「プロティアン・キャリア」協会です。

 明日、7/6 月曜日 設立記念キックオフイベントを開催します。現在80名が集まっています。オンラインですので、全国どこからでも、参加可能です。

 〇〇一筋は、リスクなんです。目を醒しましょう。

 それでは本日も良き一日を

 BE PROTEAN ! 


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