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海外進出はアウェイでの試合と似ている

発展途上国で海外ビジネスを展開しようとすると、ほぼ全てのビジネスマンが常識の違いに驚きます。驚くだけでなく、不快な思いや不信感を抱く方も数多くいます。約束の時間を平気で破ったり、できると言ってできなかったり、決めたことが急に覆されたり。言い出したら切りがありません。
ですが、それは相手が悪いのではなく、ビジネススタイルの違いなのかもしれません。視点を変えるだけで、感じている不快感や不信感を半減できることをお話しします。

アウェイからのスタート

スポーツの世界ではホームとアウェイという言葉があります。アウェイ、つまり敵地で戦うということは、味方が少ない上に罵声を浴びたりしますよね。海外事業は、ひと様の土地でビジネスを行うことですから、アウェイでの試合と似ていると思います。
そもそも、海外でのビジネス展開では、味方はほとんどいない状況が普通です。日本人は「礼儀正しく嘘をつかない人たち」という印象が強いですから多くの国で好意的に受け入れられますが、だからと言って味方ではありません。誰だって自国の味方ですから。
大切なことは、敵地でどれだけファンを増やすことができるか、だと思います。この会社と一緒にビジネスをしたい、と思われれば、味方にはならなくてもファンにはなってくれます。ファンになってもらうことで、日本流のビジネススタイルに持ち込みやすくなります。
では、どうやってファンを増やすのか、それは、その国を知り理解することだと思います。

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文化や歴史を知る大切さ

どの国にも数百年から数千年の歴史があります。長い歴史の中で培われてきたものが、文化だったり哲学だったり商習慣だったりします。まずは、相手国の歴史を知り、国民性や文化を肯定的な視点で見てみてください
理解できない点や同意できない点もあると思います。それでも否定はせず、「そういうものだ」と認めることで、その後の流れが変わります。
大切な点は、違いがあることを理解すること、だと思います。その相違点を踏まえた上で現地パートナーと交渉を続けると、多くの場合は合意点や妥協点を見つけることができます。多少の我慢強さは必要になりますが、肯定的な態度は相手にも伝わるものです。
それでも、どうしても受け入れがたい場合は、海外進出先国パートナーとして適していないかもしれません。その場合は、パートナーの変更や進出先国の変更を検討することをお勧めします。

親日、反日は、国ではなくヒト次第

親日国、反日国は良く聞く言葉です。特に東南アジアは親日国が多いからビジネスがしやすい、と言われます。事実、日本の技術や日本の文化を好きな方(つまりファン)は多いですから間違っているとは思いません。ですが、親日かどうかは、国ではなくヒト次第です。
親日国と言われる国の中でも日本嫌いの方はいますし、技術は好きだけど文化は嫌いという方もいます。また、口には出さなくても、第2次世界大戦の歴史が影響している民族や地域もあります。
特に、親日をアピールするパートナーと交渉する時、「この人は親日だから日本のビジネスルールを重んじてくれるはず」という勝手な思い込みが、後で違った時に不信感に変わることもあります。
まずは、相手の国や相手の人について知ろうとすることが重要です。親日か反日かは重要ではなく、どういう価値観を持ってビジネスをする人か、という点の方が大切だと思います。

結論としては、歴史も文化も商習慣も違う国の人と、ビジネススタイルが違って当然だ、ということです。時間を守らないことも、約束を覆すことも「悪い」とは言い切れないのです。
アウェイでのビジネス活動は非常にストレスが多いですが、その分、理解しあえた時の喜びは倍増です。

現地とのやり取りで不快感や不信感を感じた時は、視点を変えて取り組むことをお勧めします。

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