ベトナムの国民食ハオハオは、エースコックが続けた努力の結晶である。
最近、初めて、ベトナムで人気の高いインスタントラーメン「ハオハオ」を食べました。海外のインスタントラーメンは、日本のものと比較すると、味が合わないと感じることが多いのですが、ハオハオは本当に美味しい。
メーカーは、日本企業であるエースコックさんです。
ハオハオの売れ行き
エースコックのハオハオは、ベトナムの国民食とも呼ばれています。
世界ラーメン協会の2018年時点での発表で、エースコック社製品の人気はというと
ベトナムの総需要 52億食
都市部の市場シェア 50%
全国の市場シェア 43%
文句なしの全国トップという結果でした。
ベトナムには、50社近くの即席めんメーカーが競合しています。
1993年にベトナム進出を果たしたエースコックが、どうやって現在の不動の地位を獲得したのか、調べてみました。
エースコックのベトナム戦略
日本では、エースコックの市場シェアは第4位。
1位は日清食品、2位は東洋水産、3位はサンヨー食品です。
確かに、コンビニやスーパーに必ず並んでいるのは、日清食品のCUPNOODLEや東洋水産のマルちゃんシリーズです。
もちろん、エースコックのスーパーカップやモッチッチ焼きそばなど、常に棚に陳列しているものの、存在感が少し薄い気がします。
さて、エースコックは30年近く前から海外への販路開拓を始めていました。ベトナムでは1993年から事業を開始、最初は、即席めんに合う高品質な原料が見つからず、海外から小麦などを輸入していたそうです。
価格は、ベトナム製品の3倍以上となり、高級製品になってしまったそうです。当時のベトナムは、まだまだ発展途上国の経済状況ですから、とても一般人が買う価格ではありません。
エースコックは、現地生産にこだわり、5年かけて現地の製造業者に技術指導をしたそうです。その結果、現在の価格「約25円/袋」が実現しました。
エースコック製品が大ヒットしたのは、2000年に発売開始した、このハオハオから。
ベトナム人の大好きな酸っぱ辛い味のスープにしたことが、勝因でした。
5年間の赤字経営を耐えて、
ブランド、品質、販売網
の3点に集中したビジネス戦略を取り、見事、「ベトナムの国民食」という地位を手に入れたのです。
もちろん日本で買えるハオハオ麺
ハオハオは、日本で買えます。
Amazonでも、アジア食材店でも。
作り方は、チキンラーメンと同じで、お湯を注ぐだけ。
ヌードル自体に味がついていますが、それに加えて、酸っぱ辛いスープの素とオイルを足します。
そのままでも美味しいですし、私はシラチャーソースも入れて更に辛くして食べました。
日本の、凝ったインスタントラーメンとは違います。
素朴で、あっさりとして、少しだけ異国の味。
2020年には、スープの素だけの別売りが始まりました。「つけ塩ハオハオ」という名で発売しているそうです。
JR大久保駅近くのアジア食材店で見かけたので、次回は購入してみます。
ベトナムの経済と食品ビジネスに興味がある方は、「GOVERSEE:ベトナムと食品ビジネスの情報サイト」にもお立ち寄りください。
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