「とにかく仕組み化」を読んで今まで考えていなかったことに気づいた話
「とにかく仕組み化」という本を読んで
という本を読んで、今まで私が考えれていなかったことについて気付かされました、
読んで非常に良かったと思っています。
私自身、最近会社での自分の立ち位置やロールについて少し悩んでいた場面もあったため、
それに対して明確な方向性を与えてくれる本だったなと思います。
内容のメモ
私がこの本を読んで心に残ったことをまずは羅列したいと思います。
もっと頑張れよ、ではなく仕組化
継続できないのは仕組みができていないから
属人化は悪いこと
カリスマ性に頼るのは会社の成長に伴い消えていくべき
性弱説を前提に考える
組織は放っておくと属人化していくことを意識する
任せる、とは、明文化した権限と責任を与えること
能力よりも先に機会がある
負けたことに納得すると成長できる
大きな組織の中のちっぽけな自分、を受け入れそこで貢献する
与えられた責任を理解し、歯車となり完璧な機能を果たし、人の上に立つ
常に成長し、組織の進行感に貢献する
最後に、
替えの効かない人になるか
歯車として機能する人になるか
以上がメモになります。
本題: 替えの効かない人か、歯車として機能する人か
あなたはどう考えるか?
その中でも、
替えの効かない人になるか
歯車として機能する人になるか
ということについて作者ははじめに問いを投げかけます。
替えの効かない人になりたいか?
それとも歯車として機能する人になりたいか?
替えの効かない人がすごいと思っていた
私は、今まで「替えの効かない人になるべきである」と信じて疑いませんでした。
Non Fungible Person 代替不可能な人材 という言葉を
https://coralcap.co/2022/03/nfps/
このCoral Capital の記事で見て、感動したのを覚えています。
私は小さい組織で研究開発を今まで5年ほどやってきましたが、
自分のやりたいことと会社のやりたいことのベクトルの合っている部分をより伸ばし、
代替不可能な人材になることが自分のやりがいになるのでは、
そしてそういう人材を作っていくことこそが大事では、と考えていました。
仕組み上否定される Non Fungible Person
結論から言うと、この本ではそのような人材は仕組み上否定されます。
このような代替不可能性はリスクになると言うことです。
代替不可能な人材とは、言い換えると「属人化」の極みになります。
属人化とは悪であり、属人化をなるべくなくすように全てのことは仕組み化し、
マニュアルを残し、自分が明日組織から仮にいなくなったとしても、組織がうまくやっていける様に動く
ということの大切さについて説いています。
創業者ですら属人化を脱却するべきである
この属人化の極みは会社の創業者や経営陣であると考えますが、
この本では創業者や社長であっても属人化を無くす様に組織を仕組み化するべきだと言っています。
社長がいなくなったとしても、明日からも会社に問題がない様に全てを仕組み化する努力をしないと成功できない、と言っているわけです。
カリスマ性が必要だと思っていた
私は以前、経営者にはカリスマ性が必要だと考えていました。
ウィーワークを創業したニューマン氏の記事
例えばこちら
https://signal.diamond.jp/articles/-/882
を読んだ時など、
これほどまでにカリスマ性のある創業者は人を惹きつけ、かっこいいなと思ったものでした。
この仕組み化の前には、カリスマ性はむしろ逆効果になると言うことが言及されていました。
社長にカリスマ性がありすぎると、中間管理職が機能しなくなるということでした。
たしかに、社長があまりにも人から信頼されていてだれもが社長の言うことに対して動いていれば、マネジメントはうまく回らないでしょう。
環境の変化とともに遷移した、今どう動くべきか、という正解について
代替不可能な人材は、属人化を生んでしまうから、代替不可能性をなるべく減らしていくことが大事
カリスマ性は必要ない
この二つのことはある意味自分にとってはショッキングな考え方であり、
今までの考え方を否定する言葉であり、殴られた様な衝撃がありました。
しかしながら少し自分で頭の中を整理した結果、
私はどちらもある意味正解であり、
会社の規模によって正解が遷移してきたのだと考え、少しだけ今納得できています。
5年間で変化するべきだった、組織への考え方
私が今の会社に関わり始めた頃は、社員は2、3人程度の、ワンルームに会社があるような規模でした。
創業者である社長が全てのプロジェクトに関わり、バックオフィスにも関わり、組織を強くリードしていました。
私はインターンとしてその会社に関わり始め、技術も何もない状態から、
製品の種を作る様な技術コアについて勉強し、1つの製品のベースを作りました。
まさにそのベースを作った、手を動かしたという経験は、私をある意味で組織の中心に引き上げてくれました。
論文を読んだり、その技術について記事をたくさん書いたり、講演や勉強会を行ったり、そのような経験から今は開発のチームにアドバイスをしたり、もちろん自分でも開発をしたり。
他の会社の人にシステム開発について今までの知見からコンサルティングをおこなったりすることができる様になりました。
また、コンサルや技術説明、営業の場にでも頼られ、資料作りをアドバイスしたりお客さんに技術のことを説明したりもできる様になりました。
このように自分自身が成長できたことは、会社の規模が小さく、
全てのことがまさに属人化せざるを得なかった環境があったからだと思います。
このことにはある意味本当に感謝しています。
会社組織がだんだん大きくなり、必要になったマインドの変化
それから時が経ち、私も社会人としては5年目になりました。
会社としてもありがたいことに規模が大きくなり、組織は今50人近い規模になっています。
この規模になり、少しずつ自分が組織全体に与える影響も限定的になり、一緒に働くメンバーとの接し方についても少し悩む様になっていました。
今回この「とにかく仕組み化」の本を読み、その悩みは私のマインドが、
いまだに「代替不可能な人材が組織に必要」と考えていたからだと思います。
このような代替不可能な人材にならねばならない、自分が一番勉強して論文も読み、コーディングもすることで、キーパーソンとなりたいし、組織的になるべきだ
と考えていたのは、組織が小さい時は確かに正しかったと思います。
ですが、組織が少しずつ大きくなってきた時、
私に求められているのは「属人化をいかになくすか」
ということに切り替わったのだとやっと理解しました。
属人化を手放すという勇気を持つことについては、多分不安だった
そして実際にそれをやっていた自分もあったのですが、私のマインドが切り替わっていないために、
属人化がなくなっていくことに対する不安みたいなのを抱えていたことも確かだったのです。
自分が一番わかっていると考えている状況はある意味、自分の会社への貢献としてはわかりやすく、間違ってはいなかったのだと思います。
また、組織が10人もいなかった時はそうせざるを得なかったのだと思います。
しかし、これから私に求められているのは、
大きな組織の中のちっぽけな自分、を受け入れそこで貢献するマインドになる
ことであり、
与えられた責任を理解し、歯車となり完璧な機能を果たし、人の上に立つ
ことであり、そのような働き方に切り替えつつも、
常に成長し、組織の進行感に貢献する
ことだと理解できました。
属人化を高めざるを得なかったスタートアップの「超初期段階」のマインドから、
ある程度規模が大きくなった時の「属人化を無くし、歯車として機能する貢献の仕方に切り替える」ための勇気を持つこと、マインドを変化させること
が自分には足りなかったのだろうと反省しました。
さてこれからどうしていこう
そんな意味で、これから以下の様なことを意識して働きたいと思っています。
今まで属人化せざるを得なかった知識、知見に対してより発信していく
仕組みを作る際に、組織として属人化が起きない様に、また、性弱説(みんなもともとは能力が低く弱いんだという考え)に従って、仕組みが組織を回る様に工夫する
仕事をお願いできるところはお願いし、責任や締め切りを明確化した上で、自分の手が入らなくてもいいように工夫する
自分の目標についても持ち続け、人に与えるのとともに自分もより成長し続ける
仕組みを作り、歯車になれ
代替不可能な人材がかっこいいと思っていた自分ですが、
今の組織の規模、フェーズ的に、この考えはもう通用しないだろうとこの本を読んで理解することができました。
仕組みを作り、歯車になれ
と言うことはある意味反感を買いやすい言葉にも聞こえますが、
この本の著者である株式会社識学の方はそこにあえて踏み込み、発信されていることがすごいなと思いました。
最後に
最後に、私は最近、会社内で「個人と組織どちらが大事か」みたいな内容で議論しましたが、
私は「個人ありきの組織」みたいなことを言っていました。
これは必ずしも正解ではなかったなと今思っています。
個人の成長はもちろん大事、そのための仕組み化が必要
組織のためには属人化排除が必要
これらを考え、属人化をなくすために組織の知識やメンバーの能力を引き上げる様に動くことが非常に大事なのだと考えさせられました。
みなさんも一度読んでみることをお勧めします。
そして、全ての考え方に正解という明確な線引きはないこと、
いる環境によってやるべきことは変わること、をきちんと理解するべきだと思います。
その中で、情報や考え方について取捨選択し、
変化を恐れずその都度アップデートしていくこと
をやっていきたいと思います。
みなさんも考えることがあったらぜひ教えてください。
今回はこの辺で。
@kenmaro
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?