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ストレスチェックに変わるもの!

こんにちは。動ける管理栄養士 小山千尋です。

医師やキャリアコンサルタントなどさまざまな職種の人がそれぞれの視点から「健康経営」について情報発信をしています。

2015 年 12 月から、毎年1回、全ての労働者に対して実施することが義務付けられました。しかし、これからリモートワークが加速するなかで、これまでのストレス対策でいいのでしょうか?今回は、既存のストレスチェックとこれからの対策について考えていきたいと思います。

1.ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、ストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自身のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査です。

労働者が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです。参考:ストレ スチェック制度導入マニュアル(厚生労働省)

2.ストレスチェックの内容

企業で実施している”職業性ストレス簡易調査票”の調査票項目は、概ね57〜80項目ほど、3つの構成からなります。

1)仕事について:職業性ストレス因子の分析
2)最近 1 か月間のあなたの状態について:ストレス反応の分析
3)あなたの周りの方々・満足度について:ストレス因子とストレス反応との関係を修飾する因子の分析

3.ストレスチェックの分析結果と活用

ストレスチェックの結果の活用方としては、大きく分けて2つ!①医師による面接指導が必要とされた労働者から申出があった場合に、産業医の面接指導を実施する。②職場分析と職場環境の改善(努力義務)に使われます。しかし、分析結果が出ても「高ストレスと診断された従業員が改善できているのか確信が持てない」「高ストレスを抱える職場だと結果が出ても、ストレス改善に取り組まない」などの課題もあります。

4.産業ストレスの影に潜んでいるもの

鬱などの精神疾患の発症率が最も高いのが30代男性!ということや、日本は自殺者が多いことなどから見ても、職場のストレス スコアが低くてもストレス要因を持っていることが多いということ。早期発見!早期対処!が重要tということは明確です。しかし、ひとことにストレスと言っても、産業ストレスだけが要因でないことは多くの人が理解しているところです。では、わたしの専門分野であるライフステージWellness学に沿ってストレスをみていきます。

◎20歳代は、新しい職場環境に慣れ、仕事を覚えるなど、新しいことに対する課題クリアがストレス要因になる特徴があります。

◎30歳代は、職場環境や人間関係にも慣れる一方で、仕事の忙しさや量的な負担、周囲からの期待などに対してストレスを感じることが多くなるのが特徴です。私生活では、結婚や子どもの誕生といった大きな変化に対応することもストレス要因になります。

◎40歳代は、仕事の質についてストレスを感じたり、上司と部下との間での「サンドイッチ現象」など人間関係によるストレスが特徴です。

◎50歳代以降は、組織の中での能力や立場の差、また定年後の仕事や老後の問題、自分自身の健康問題や両親の介護の問題によるストレスが特徴です。

5.これからはストレス耐性を高める

このように、ストレスは悪いことだけが要因ではありません。よりよく生きたい!自分らしく在りたい!そう願う気持ちがストレス要因となることが多いのです。

不安、イライラ、憂鬱、落ち着かない、物事に集中できない、肩こりなどは、ストレスに対して心身が適応しようとした結果です。これらを感じ始めたときに対処していくこと。当たり前と思わないことが大切です。

これから、ますますリモートワークが加速していくなかで、企業でも今まで通りのメンタルサポートを進めていくことは難しいです。また、個の時代だからこそ、今まで以上にご自身で心身の健康を構築していく人とそうでない人との差が出てきます。ストレス耐性をつけるための運動や食事管理、睡眠改善をプロに依頼する人も多くなります。多くの人が、いま分岐点に立たされている状態といえます。




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