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衝撃!陸上トラック競技では「厚底シューズ」が使用できなくなります。

先日行われた「ホクレンディスタンスチャレンジ」。
この大会は陸連公認の長距離系のトラック記録会です。
僕はYoutubeでこのレースの模様をみていました。
好記録が連発していましたね。

そして全ての大会で共通する出来事が起きていました。
Youtubeのリンクを貼っておきます。
自分で確認したい方は一つ一つみてみてください。


共通点、わかりましたか?
それは多くの選手が「厚底シューズ」を履いているということです。

陸上のトラック競技は以前ならスパイクを履くのが常識だったはず。
出場予定選手の皆さんは練習でスパイクを履くより厚底シューズの方がタイムがでたんでしょうね。
それに全ての競技を同じシューズで参加していれば、トラックからロードに以降する時、そしてその逆もスムーズに以降できます。

厚底シューズはロードだけでなくトラック競技にも大きな影響を与えてたということです。

僕も先日買った「アシックス メタレーサー」でとトラック記録会にも出場しようと思っていました。
ロードのレースは2021年3月くらいまでは全滅に近いですからね。

しかし、事態は急転します。
2020年7月28日付で世界陸連(World Athletics、以下WA)から衝撃の発表がありました。
それがこちら。

詳細はWAホームページに書いてあります。

書かれていることを要約していきます。
まずはその理由です。

改正の目的は、東京オリンピックまですべてのイベントで最新のテクノロジーステータスを維持することです。

現在の技術の進歩は著しく、オリンピックまでの1年間で新しい技術が投入される可能性は大いにあります。
重要な試合が選手の能力ではなく、シューズの性能で決まる可能性もあるわけです。
これは正当な理由でしょう。

次に一番の重要なシューズのソールの高さに関する改訂です。
トラックスパイクシューズの最大高さは、次の表に示すように修正されました。
WAのホームページより引用します。

スクリーンショット 2020-07-31 10.30.00

ランナーにとって重要なところは以下のところです。
一番厚みがあるところの数値ですね。

800m以下(ハードルを含む)・・・20mm
(リレーの場合、ルールは各アスリートが走る距離に適用されます。)
800m以上(障害を含む)・・・25mm
(リレーの場合、ルールは各アスリートが走る距離に適用されます。)
クロスカントリー・・・25mm
ロードレース(ランニングおよび競歩)・・・40mm

つまり、ソールが25mm以上の厚さがある場合はトラックレースでは使えません。
先程「ホクレンディスタンスで好記録が連発した」と書きましたが、厚底シューズ(厚さが25mm以上)で記録を出した選手は、トラック競技で記録を狙う場合、再度記録を出すためにスパイクもしくはシューズを選び直すことになります。

僕はメタレーサーのソールの厚さをまだ計測していません。
怖くて(笑)
でも、パッと見る限り30mmくらいありそうです。

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またこんな記載もありました。

The original suspension period, from 6 April to 30 November 2020, was introduced due to the competition and training disruption caused by the global pandemic, and remains in place for all other track and field events.
(2020年4月6日から11月30日までの最初の停止期間は、世界的なパンデミックによって引き起こされた競技とトレーニングの混乱のために導入され、陸上競技においても同様です)

そうなると2020年12月からは新レギュレーションは採用される可能性が高そうですね。

最後になりますが、このルール改訂によりシューズメーカーの新製品開発ラッシュが起きそうな予感がしています。
スパイクやランニングシューズも規程内ギリギリのスペックで、高反発素材を使った製品を出してくるでしょう。
ロードだけではなくトラックにも参加される方は、この秋は新製品情報は要チェックです。

今回の発表には驚かされましたが、公平さを保つためには良い改正だったのではないかと思います。
ただ、数値に関しては根拠が示されていないので「?」ですけどね。


2020.8.15追記
1. WAは2020.7.28よりこのルールを適用すると通知を出しました。
記載されているページはこちらから(英文)

2.アシックス メタレーサー はトラック競技でも使えることになりました!
記載されているページはこちら(英文)

シューズリストはこちらから(英文)


2020.9.10追記


最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。